帝王賞有力馬解説
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ゴールドドリーム
(牡5、栗東・平田厩舎)
昨年のフェブラリーS、チャンピオンズCを制し、今年はフェブラリーSで2着、前走のかしわ記念でGI3勝目を挙げるなど、実力は日本のダート界でもトップクラス。課題だったゲートも以前よりは落ち着いており、着実に成長を遂げている。大井ダート2000mは過去に2度経験し、勝ち馬から1.2秒離されたジャパンダートダービー3着、昨年の帝王賞はケイティブレイブから1.8秒差の7着だった。課題の右回り、距離延長を克服できるか。
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テイエムジンソク
(牡6、栗東・木原厩舎)
ここ2走12、6着と以前の勢いを失ってしまったような成績が続いている。前走の平安Sは1900m。この距離は2度使って2、3着だったように、このクラスに入ると1800mまでが守備範囲なのかもしれない。それだけに大井2000mへの距離延長が課題となってくるが、今年の東海Sは着差以上の完勝で、4走前のチャンピオンズカップでは勝利目前までいった馬。昨年夏のエルムSを好時計で走破するなど、時計勝負に強いのは好材料だろう。
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アウォーディー
(牡8、栗東・松永幹厩舎)
今年は川崎記念3着の後、フェブラリーSで9着、ドバイワールドCで6着と結果が出ていない。実に1年半勝ち星から遠ざかっている。ただし前走は海外遠征で、2走前は不慣れな半周ダートマイルだったことを考えれば、決して悲観するものではないかもしれない。大井競馬場ではまだ勝ち星がなく、帝王賞も昨年3着に敗れているが、決して衰えてしまったというわけではない。湿った砂は問題なくこなすだけに、古豪の巻き返しが期待される。
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アポロケンタッキー
(牡6、栗東・山内厩舎)
チャンピオンズC出走取消など思うような結果が出なかった昨年秋。そこから調子を上げた今年は川崎記念2着、スローペースだったダイオライト記念も2着と崩れずに走っている。6月から8月にかけてはまだ1度しか走ったことがなく、去年の帝王賞は5着に敗れているが、あの日の大井競馬場は中盤からの砂が重く、その馬場で早めに動いた影響もあっただろう。休み明けは大丈夫で、時計勝負に対応できるのは心強い。
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オールブラッシュ
(牡6、栗東・村山厩舎)
昨年の川崎記念の覇者。スローペースに持ち込んだとはいえ、上がり3Fのタイムをメンバー中最速にまとめた内容は完勝と言えるものだった。その後は重い斤量や厳しい展開などもありなかなか結果が出なかったものの、前走のかしわ記念ではスローペースに持ち込み、最後まで逃げ粘って2着。昨年の川崎記念以来の連対を果たした。展開次第では強力メンバーでも十分にやれる力を改めて示しただけに、今回もノーマークは危険だろう。
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ケイティブレイブ
(牡5、栗東・杉山厩舎)
昨年の東京大賞典では勝ち馬コパノリッキーに1.1秒離され3着と完敗したものの、今年に入って川崎記念を逃げ切り、フェブラリーS11着を挟んで臨んだ前走のダイオライト記念では後続に何もさせずに逃げ切った。これまで間隔を詰めながらタフに走り続けてきた馬だけに放牧しての3ヶ月ぶりがどう出るかだが、ここ1年で大きく崩れたのは芝スタートで内枠だったフェブラリーSだけ。時計勝負も対応できるスピードは信頼が置ける。
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サウンドトゥルー
(セ8、美浦・高木登厩舎)
8歳となった今年、川崎記念5着、そしてフェブラリーS8着と結果が出ていない。ただ川崎記念は小回りの緩い流れで後ろにいた馬に不利な競馬。前走のフェブラリーSは前半から速い流れになり、忙しかった影響も大きかった。それだけに今年2戦は参考外と言っていいだろう。元々大井2000mでは安定して差し込んでくる馬。馬場とペース次第でまとめて差し切るだけの力を秘めており、侮れない1頭だ。
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ヒガシウィルウィン
(牡4、船橋・佐藤賢厩舎)
4歳となった将来の南関のエース候補。昨年の東京大賞典8着、そして今年緒戦のかしわ記念7着と中央馬相手に完敗が続いている。本質的に左回りより右回りでいい馬で、かつ3コーナーから反応がズブいところがあるため、より広い大井外回りが合っている。大井2000mで2.05.8が持ち時計のように、毎年2分2~3秒台の決着となる帝王賞でどこまで時計を短縮できるかだが、まだまだ成長してくる可能性を秘めているだけに、一発を期待したい。
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リッカルド
(セ7、船橋・佐藤裕厩舎)
中央時代はオープンクラスで苦戦を強いられていたものの、南関に移籍して一変。転入初戦の報知グランプリで2着馬に7馬身の差をつけて勝利すると、続くフジノウェーブ記念も2着馬に7馬身差つけた。前走の大井記念は一番外を回って圧勝したように、もう南関レベルでは相手がいない。本来2000mは気持ち長く、一線級相手は辛いところがある。それでも3着までになら食い込める可能性は十分あり、軽視は禁物だ。
大井ダート2000mコースガイド
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「1800mとも似ていますが、好きな位置に付けられるといいますか、思い思いのポジションを取れる感じはします。枠の有利不利よりも、昔はインベタばかりだったけど、最近は外を回さないと脚を使えない時もありますし、その開催の傾向を掴まないと、という感じですね。砂の厚さは一定のはずなのですが、明らかに利かない場所もあるので。内がダメな時に内枠だとダッシュが付かなかったり、ということもあるし、一概には言えない感じですね」
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「1800mとは逆に、ポジションを取りに行って、下手してゴール板まで位置を取れなかった場合は、けっこう流れが速く流れます」
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「1800m以上に最初の直線が長くなるので、隊列はすぐに決まりますね。若干スローペースになりやすい印象はあります。1800mだと、たまにペースが流れて、コーナーに入って向正面に行くこともありますが、2000mだと隊列が決まってグッとペースが落ちますね。1コーナーに入るまでに隊列が決まり、全体的に乗りやすいです。浦和の1600mや川崎みたいにコーナーによる有利不利かないので、力通りの競馬になりますね」
※この内容は2017年のJBCクラシック前に取材したものを再編集しております。
帝王賞・過去10年成績
年月日(馬場) | 着 | 番 | 馬名 | 性齢 | 人気 | 騎手 | 斤量 | 調教師(所属) | 着差 | 上3F | 通過順位 | 馬体重 | 前走レース | 前走着順 |
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2017年 6月28日 (重) |
1 | 3 | ケイティブレイブ | 牡4 | 6 | 福永祐一 | 57 | 目野哲也(J) | 2:04.4 | 36.5 | 12-12-9-7 | 504(±0) | 平安S(G3) | 5 |
2 | 10 | クリソライト | 牡7 | 5 | 戸崎圭太 | 57 | 音無秀孝(J) | 1.3/4 | 37.9 | 2-2-1-1 | 500(-4) | 平安S(G3) | 2 | |
3 | 2 | アウォーディー | 牡7 | 1 | 武豊 | 57 | 松永幹夫(J) | 3 | 38.4 | 3-3-3-3 | 511(±0) | ドバイWC(G1) | 5 | |
2016年 6月29日 (不) |
1 | 3 | コパノリッキー | 牡6 | 5 | 武豊 | 57 | 村山明(J) | 2:03.5 | 36.1 | 3-3-3-1 | 547(+15) | かしわ記念(Jpn1) | 1 |
2 | 2 | ノンコノユメ | 牡4 | 1 | ルメール | 57 | 加藤征弘(J) | 3.1/2 | 36.5 | 6-6-6-5 | 453(+6) | かしわ記念(Jpn1) | 4 | |
3 | 7 | サウンドトゥルー | セ6 | 2 | 大野拓弥 | 57 | 高木登(J) | 5 | 37.6 | 8-7-5-6 | 475(+14) | かしわ記念(Jpn1) | 5 | |
2015年 6月24日 (良) |
1 | 1 | ホッコータルマエ | 牡6 | 1 | 幸英明 | 57 | 西浦勝一(J) | 2:02.7 | 38.6 | 4-5-3-2 | 502(±0) | ドバイWC(G1) | 5 |
2 | 5 | クリソライト | 牡5 | 4 | 武豊 | 57 | 音無秀孝(J) | 3/4 | 38.9 | 2-2-1-1 | 493(+1) | かしわ記念(Jpn1) | 4 | |
3 | 9 | ハッピースプリント | 牡4 | 5 | 宮崎光行 | 57 | 森下淳平(大) | 2.1/2 | 38.8 | 6-6-6-4 | 524(-1) | かしわ記念(Jpn1) | 3 | |
2014年 6月25日 (不) |
1 | 10 | ワンダーアキュート | 牡8 | 3 | 武豊 | 57 | 佐藤正雄(J) | 2:03.5 | 35.8 | 3-3-3-3 | 513(+4) | かしわ記念(Jpn1) | 3 |
2 | 7 | コパノリッキー | 牡4 | 1 | 田辺裕信 | 57 | 村山明(J) | 2 | 36.4 | 2-2-1-1 | 534(-3) | かしわ記念(Jpn1) | 1 | |
3 | 4 | ソリタリーキング | 牡7 | 5 | 福永祐一 | 57 | 石坂正(J) | 2 | 36.5 | 4-4-4-4 | 463(-3) | 名古屋大賞典(Jpn3) | 2 | |
2013年 6月26日 (不) |
1 | 8 | ホッコータルマエ | 牡4 | 3 | 幸英明 | 57 | 西浦勝一(J) | 2:03.0 | 36.7 | 5-5-4-3 | 501(+12) | かしわ記念(Jpn1) | 1 |
2 | 11 | ニホンピロアワーズ | 牡6 | 1 | 酒井学 | 57 | 大橋勇樹(J) | 1 | 36.9 | 2-2-2-2 | 532(-6) | 平安S(G3) | 1 | |
3 | 3 | ワンダーアキュート | 牡7 | 4 | 武豊 | 57 | 佐藤正雄(J) | 1.1/2 | 37.3 | 1-1-1-1 | 514(-4) | フェブラリーS(G1) | 3 | |
2012年 6月27日 (良) |
1 | 7 | ゴルトブリッツ | 牡5 | 2 | 川田将雅 | 57 | 吉田直弘(J) | 2:03.0 | 36.3 | 3-3-3-3 | 506(-8) | アンタレスS(G3) | 1 |
2 | 13 | エスポワールシチー | 牡7 | 1 | 佐藤哲三 | 57 | 安達昭夫(J) | 3.1/2 | 37.1 | 2-2-2-1 | 502(+7) | かしわ記念(Jpn1) | 1 | |
3 | 8 | テスタマッタ | 牡6 | 3 | 岩田康誠 | 57 | 村山明(J) | クビ | 36.9 | 6-5-6-4 | 506(+2) | かしわ記念(Jpn1) | 3 | |
2011年 6月29日 (良) |
1 | 6 | スマートファルコン | 牡6 | 1 | 武豊 | 57 | 小崎憲(J) | 2:01.1 | 36.0 | 1-1-1-1 | 507(+7) | ダイオライト記念(Jpn2) | 1 |
2 | 11 | エスポワールシチー | 牡6 | 2 | 佐藤哲三 | 57 | 安達昭夫(J) | 9 | 37.6 | 3-3-2-2 | 500(+2) | かしわ記念(Jpn1) | 3 | |
3 | 1 | バーディバーディ | 牡4 | 3 | 松岡正海 | 57 | 池江泰寿(J) | 1.1/4 | 37.4 | 4-4-4-3 | 490(+6) | オアシスS(OP) | 3 | |
2010年 6月30日 (稍) |
1 | 4 | フリオーソ | 牡6 | 5 | 戸崎圭太 | 57 | 川島正行(船) | 2:03.4 | 37.8 | 3-2-2-2 | 505(+2) | かしわ記念(Jpn1) | 2 |
2 | 14 | カネヒキリ | 牡8 | 4 | 横山典弘 | 57 | 角居勝彦(J) | 2.1/2 | 38.2 | 7-7-5-4 | 533(+10) | 09年かしわ記念(Jpn1) | 2 | |
3 | 5 | ボンネビルレコード | 牡8 | 9 | 的場文男 | 57 | 庄子連兵(大) | アタマ | 38.0 | 9-9-8-7 | 483(-5) | 大井記念 | 2 | |
2009年 6月24日 (不) |
1 | 4 | ヴァーミリアン | 牡7 | 1 | 武豊 | 57 | 石坂正(J) | 2:03.6 | 36.1 | 3-3-1-1 | 515(-7) | フェブラリーS(G1) | 6 |
2 | 3 | フリオーソ | 牡5 | 2 | 戸崎圭太 | 57 | 川島正行(船) | 3 | 36.6 | 2-2-1-1 | 511(+2) | かしわ記念(Jpn1) | 5 | |
3 | 5 | ボンネビルレコード | 牡7 | 4 | 的場文男 | 57 | 堀井雅廣(J) | 5 | 37.4 | 4-4-6-4 | 491(+1) | かしわ記念(Jpn1) | 4 | |
2008年 6月25日 (稍) |
1 | 1 | フリオーソ | 牡4 | 1 | 戸崎圭太 | 57 | 川島正行(船) | 2:04.7 | 37.6 | 1-1-1-1 | 507(+3) | ダイオライト記念(Jpn2) | 1 |
2 | 6 | ボンネビルレコード | 牡6 | 3 | 的場文男 | 57 | 堀井雅廣(J) | 1.1/2 | 36.9 | 9-9-9-6 | 496(+5) | かしわ記念(Jpn1) | 1 | |
3 | 14 | コウエイノホシ | 牡5 | 4 | 坂井英光 | 57 | 長谷川三郎(川) | 1/2 | 37.2 | 8-8-6-5 | 491(-1) | 大井記念 | 1 |