42年振りの三冠馬を目指す愛バリードイルのキャメロット

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42年振りの三冠馬を目指す愛バリードイルのキャメロットが、16日、愛ダブリンのレパーズタウン競馬場で公開調教を行った。キャメロットにとっては1年前の7月にデビューした思い出の競馬場、7月にキラーニー競馬場でメイドンを勝ち上がった同期のシャモニークスと愛セントレジャーを目指すフェイムアンドグローリー、3頭の調教は、シャモニークスを先頭に、フェイムアンドグローリーの5馬身後方から進み、鮮やかな追い込みを見せてファンと関係者を満足させた。

不良の愛ダービーを使い、心配された疲れなど微塵も感じさせない出来は、9月15日、英ドンカスター競馬場で行われる本番のセントレジャーが今から楽しみになって来た。5戦5勝、G1・4勝、モンジュー産駒の3歳の牡馬は、世界の最も古いクラシックで史上16頭目の三冠馬を目指す。

そして12戦12勝、G1・8勝のフランケルが、距離を2ハロン88ヤード延ばすヨーク競馬場のインターナショナルSが明日22日に迫っている。G1・2勝馬のナサニエルが来月の愛チャンピオンSに回った為、出走頭数は9頭。フランケル陣営は、ガリレオ産駒の4歳の牡馬フランケルの他、今季は3回ペースメーカー役を務めているサドラーズウェルズ産駒の5歳の牡馬ブレットトレインと昨年の勝馬でG1・4勝、オブザーヴァトリー産駒の7歳の牡馬トゥワイスオーヴァーの3頭で臨む。

これに対してバリードイルも3頭出し。ガリレオ産駒の4歳の牡馬ロビンフッドとG3勝馬でデーンヒルダンサー産駒の7歳の牡馬ウインザーキャッスル、2頭をペースメーカー役に使い、G1・4勝馬でモンジュー産駒の5歳の牡馬セントニコラスアビーで勝負に出て来た。特にG1・3勝は得意の左廻りで挙げている点、鋭い追い込みが通用するか見ものである。

フランキー・デットーリ騎乗のゴドルフィン馬ファーは、マイルの前走サセックスSで6馬身差が付いたが、今度は得意の距離で差が詰められるか見てみたい。ピヴォタル産駒の4歳の牡馬ファーは、まだハンデキャップ戦しか勝ったことがないが、ここ3戦はG1を使って、3着、2着、2着と安定している。

昨年のG1ガネー賞勝馬プラントゥールはデーンヒルダンサー産駒の5歳の牡馬。プリンスオブウェールズS7着以来となるが、今季は未勝利なだけに大きなことは言えない。G2・2勝馬スリプートラは前哨戦のG2ヨークSを勝っているが、プリンスオブウェールズSではファーに先着を許しているだけに力は落ちる。

人気は、フランケルが1/7という圧倒的1番人気、2番人気セントニコラスアビーは5/1、3番人気はファー12/1で続いている。2段ロケットを飛ばすバリードイルだが、ロビンフッドではペースを作れないような気がするし、俄作りのウインザーキャッスルでは心もとない。やはり、ブレットトレインが先手を取ってフランケルが文句なしに13連勝に向かって驀進して行くように思えてならない。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。