ピンゾロ、それこそ(1)を三つ重ねた…

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日曜小倉6R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.10.0

ピンゾロ(牡2、アドマイヤムーン・栗東、領家厩舎)

※ピンゾロ。それこそ①を三つ重ねた・・!!

初めての競馬、初陣。枠も白い1番枠。そして結果も1着。これをしてピンゾロと言う。
この暗示を前夜、某所でお会いした領家師に聞いた。《そうなるといいけどね~・・・》だったが、内心では自信タップリの表情でもあった。
逃げたミニを外から差してとちょっとひやひやものの勝ち方ではあったが、とりあえず1番人気の支持に応えて初陣を突破したピンゾロ。これからどう成長していくのかであろう・・。

前のレースを終えて検量室脇で取材をして、パドックは見る時間もなかった。馬場に出て行く各馬を眺めていたら、ピンゾロが眼の前を通って行く。見ると、両前脚にソエをビッシリと焼いた後が大きく見える。担当の厩務員さんは、先ほどのインパラトールの藤井さんの奥さん。この人も領家厩舎のベテランで、数多くの走る馬を担当している名物厩務員さんである。昨夏は函館で大活躍したから御存知の方も多いはず。

そのピンゾロはゲートがあまり速くない。速かったのがメイショウヌナカワ。ポンと出たが、すぐに外メイショウラムダも出て行く。内からダッシュ良く出てきたのがミニ。そのミニが先手を取って行った。後でPVを見ると、メイショウの2頭はすぐに外へ逃げ気味となってしまっていた様子。その開いた内へミニがすっと出て先手となった模様だ。
一番内から出たピンゾロだが、少しずつ外へと出して前を追走する。この行動を浜中Jに聞くと《内目が馬場が悪いので、ソエの事を考えて外めに進路を取ったた》そうだ。
2ハロンを過ぎたあたりでは前の3頭の後ろだが、一番外目にいるぐらいだった。3コーナーのカーヴを廻って行くが、どうもメイショウラムダの雰囲気が悪い。外へ外へと逃げ気味な様子だ。すぐ前を行くメイショウヌナカワも外へ少し逃げ気味となっているのも見える。
4コーナーが近づいていくと、逃げたミニは内ラチ沿い。2番手メイショウヌナカワと3番手メイショウラムダは、もうかなり外へと流れ出している。その開いたところへピンゾロが入って来て、前を追う形となってカーウを廻って来た。

カーヴを小さく廻って来たミニと、外へ少し膨れ気味なメイショウヌナカワの外を通って来たピンゾロとの差はけっこうあった。そしてそこを通り抜けてきたピンゾロ自身が、今度は内へもたれ気味。鞍上の浜中Jが右ステッキで矯正しながらの追い出しとなった。
その間にどんどんと逃げて一目散にゴールを目指すミニ。何とかゴール30メートルぐらいで差したピンゾロ。最後は半馬身の差をつけてゴールした。
3着にはマッハジールが馬の中を割ってきて確保。メイショウヌナカワが4着。メイショウラムダはあれだけ外へ逃げられては競馬にならずであった。

前半3ハロンが33.5と決して遅くないミニの逃げっぷり。最後は差されたが、悪くない内容だ。内枠から外へ出す前半と、4コーナーから内へと少しもたれ気味な時もあったが、真っ直ぐに前を向いてからはキッチリと末脚を伸ばしての勝利だったピンゾロ。味な競馬っぷりが目立ったレースでもあった・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。