【22戦22勝】ブラックキャヴィアの今後は…[和田栄司コラム]

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22戦22勝、無敗の牝馬ブラックキャヴィアが、豪ヴィクトリア州コーフィールドの厩舎に戻って来た。ピーター・ムーディー調教師は、彼女が競走馬としてのキャリアを続けて行けるかどうかについて、今月末までに結論を出さなければならない。

「皆、彼女のレースを再び観たいと思っている。オーストラリア人の全てが彼女のレースを観たいと願っている。オーナーとは金銭的な問題は無く、全く絶望的とは思っていない。彼女をレースに戻す為、強制的に出走させる訳ではない。彼女は今週から軽い運動を始め、今の状態には満足している」とピーター・ムーディー調教師は語る。

ブラックキャヴィアは22のレース、全てを勝った。内、G1レースは12。しかし、ロイヤルアスコットのG1ダイアモンドジュビリーSでは、世界中の視聴者に本来の彼女の才能を見せることが出来なかった。8日(土)のレーシングヴィクトリアの授賞式典のスピーチで、ムーディー調教師は、ベストの状態では無く、出走取り消しも検討していたことを認めた。

「前日の夜、私は妻に聞いた。彼女をスクラッチすべきかどうかを」と調教師。妻は「あなたはもう21回も正しい結論を出して来たのだから、自分で結論を出して下さい。ですが出走して結果が違っても、彼女を責めないで下さい」と応えた。そして「一日の終わりに私自身確信が持てた。彼女が仕事をこなせるかどうか、十分な状態かどうか、有難いことに彼女は良かった。私は言い訳を望んではいなかった。レースの前にそんなことを考えるのは馬鹿げているから」とムーディー調教師。

ロイヤルアスコットで、ブラックキャヴィアは残り1ハロンで抜け出し、半ハロンで2馬身のリードがあった。しかし、ルーク・ノーレン騎手がゴールを間違えたような印象で、ムーンライトクラウドにアタマ差まで詰め寄られた。全くチグハグな競馬だったが、ムーディー調教師は「スクランブル」と言う表現をしている。それが彼女の異変だったとは、ムーディー調教師のスピーチでやっと理解出来た。

ピーター・ムーディー調教師は、今オーストラリアの大きなレースの中から、彼女に合った競走を探し始めている。「彼女が軽い運動から始めて本来の姿に戻れるなら、11月から調教を行い秋に備えることが出来ます。今は彼女の回復に満足しています」と話した。東部州のツアーには、メルボルン、シドニー、ブリスベーンが含まれる。いずれもこれまでに彼女が勝って来た競馬場である。

「ライトニング、TJスミス、ウイリアムリード、考えられるアデレードのレースにはBTCカップも含まれる。彼女の為の多くのオプションは秋に向けて膨らむ」とムーディー調教師は語った。2013年の復活を是非とも期待したい。尚、ブラックキャヴィアは昨シーズンに9戦9勝した。間違いなくそれは2年連続の年度代表馬にふさわしい活躍である。2011/2012シーズンの年度代表馬は、16日に発表される。

海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。