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-セントウルS-平林雅芳の目
2012/9/12(水)
日曜阪神11R
セントウルS(G2)
芝1200m
勝ちタイム 1.07.3
エピセアローム(牝3、ダイワメジャー・栗東・石坂厩舎)
届いたエピセアローム。強豪相手に差し切りに!!
直線半ばでマジンプロスパー、カレンチャン、ロードカナロアと人気上位馬3頭が横に並ぶ。その後ろにエピセアロームが前が開くのを待っていた。ロードカナロアの外へ進路を見出した武豊J。ステッキでうながして狭い処に入って行く。外から上がって来ていたアンシェルブルーが迫って来てタイトな隙間。そこを何とか出て来て前を行くロードカナロアにジワジワと近づいて行くエピセアローム。『ロードカナロアだ、ロードカナロアだ!』と場内アナウンスが叫ぶ。その声を消すように覆い被さって行ったゴール前。僅かに少しでも一番前に出たのを確認して、慌てて急いで検量室へと階段を飛び降りる様に下りて行った・・・。
前のレースをパスしてパドックに居残り、入ってくる処からセントウルS出走馬を観た。やがて廻りに喧騒も戻る。レース観戦を終えた川田重幸氏も隣りのいつもの席に帰って来た。お互いに観た馬の感想を口にしている仲である。サンカルロがいつもならもっと馬体を良く見せるのに、今日はそんな感じにない。ヘニーハウンドは、《この前の小倉戦の方が良く見えた・・・》とか。そしてカレンチャン。川田氏に《この数字は?》と聞くと《過去にない数字だ》と言う。《しかし見た目には全然太くは見えないな~・・》と意見は一致だ。そしてお互いに《エピセアロームが実にいい》と、ここも意見を同じくする。ここに来て落ち着きさえ出てきて、ドッシリ感がある。しかし相手も強烈な馬ばかり。ここで善戦してくれないとこの先は行けないと感じる。『いいね~』とパドックを後にする。返し馬をタップリと見て、ますます何かやってくれそうな予感さえしてきた・・・。
大外アンシェルブルーがユックリとゲートに入った。目立つほどに出が悪い馬はいなかった。どうしてもエピセアロームを観ている。
スタートが決まった。マジンプロスパーが頭ひとつ早いゲートの出だ。押して押してロードカナロアが行く。マジンプロスパーも押しているが、その2頭の間からカレンチャンも同じく押して出てきた。内をチラっと見た岩田J。カレンチャンが出てきたのを観た様子だ。カレンチャンが先頭、と思った瞬間に内からマジンプロスパーがまだ押して先頭を奪う気迫だ。
1ハロンを過ぎて、マジンプロスパーがクビ前に出てカレンチャン。1馬身下げてロードカナロア。その後にエーシンヴァーゴウ。そしてエピセアロームが一番内のラチ沿いにいた。2ハロンを通過する時には前の2頭は半馬身差に変わったが後続ロードカナロアとの差も3馬身近いものとなる。ロードカナロア、エーシンヴァーゴウ、そしてエピセアロームと半馬身ずつの間隔で続く。後ろの馬達を見る余裕がない。これだけ前に主力馬がいると視線は前になる。
4コーナーが近づく、ロードカナロアが絶好の位置に見える。しかしその真後ろのエピセアロームも、これまた抜群の手応えで続く。
直線に入って来た。当然にロードカナロアが前との間隔を詰めに行く。エーシンヴァーゴウとの間が開いた。そこを狙おうとエピセアロームが少しずつ外へ出て来ている。すぐには綺麗に開かない。
残り300の処でロードカナロアが前の2頭の外へ並んで通過した。エーシンヴァーゴウの内へ馬体を並ばせたエピセアローム。まだ完全に進路は確保していない。今度はマジンプロスパーが脱落気味。カレンチャンとロードカナロアが並ぶ。
残り1ハロンを切った。ロードカナロアとエーシンヴァーゴウとの間にスペースが出来た様子だ。武豊Jのステッキが飛んで促して入って行く。しかし外からアンシェルブルーがいい脚で来ている。
残り100を過ぎる。カレンチャンを振り切りロードカナロアが先頭となった。やっと前のスペースが出来たエピセアローム。少しずつだが前に進んでいる。武豊Jが手綱で押しだした。『差せっ!』の声が届いたのかロードカナロアをゴール寸前で交した様に見えた・・。
検量室前は、まだ馬も引き上げて来ていないひそやかな時間。少ししてから馬が1頭、2頭と帰って来た。エピセアロームと武豊Jが帰って来た。思わず親指を上に向けてOKのサインを示す。すると『?』のそぶりでこちらを見た。《本当に勝ったの?》と半信半疑な様だが、これはポーズだろうと思い、ハイタッチを促す。ちゃんと返してくれたからには判っていたはずだ。岩田Jも傍を通って行くが、馬上から思わず『太いわ~』の声を残して行った。
勝ち時計は1.07.3と思ったよりも速くない。12.0~10.3~10.9~11.0~11.2~11.9が全部のラップ。前半3ハロン33.2は、この馬場にこのメンバーなら速くはない流れ。ただ主力の3頭がレースを造る形で前々でレースを進めた。開幕週を意識したものであろうし、展開や斤量とかイロイロなファクターがあってのこのポジションとなったのだろうと推測する。絶好の位置を確保できて脚を貯められたエピセアロームが、52キロの斤量もプラスされて直線での伸びとなったもの。ただ3着に大外アンシェルブルーが突っ込んで来ているのだから、あまり枠順うんぬんも言えない様だ。
何せ、エピセアロームは、同厩舎のドナウブルーもそうだったが、以前と違う体つきの馬となってきているのに感心するばかりだ。充実して来ているのを感じる馬体だ。そして即、答を出してくるのも凄い。3歳馬があまり活躍できていないこのレースで、古豪を相手にこの結果。何か、道が続いている様に感じるものだった。そして嬉しい重賞勝利。これで流れが変わる事を切に願うばかり・・だ。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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