コレクターアイテムが早めに抜け出す!

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土曜阪神5R
2歳新馬・牝
芝外1600m
勝ちタイム1.37.2
コレクターアイテム(牝2、ハーツクライ・栗東・須貝厩舎)

コレクターアイテムが早めに抜け出す!

岩田Jのグローブがスローな逃げを展開。前半1000メートル通過が1.03.2のゆったりした流れ。それをマークする先行馬集団の5頭目に付けていたコレクターアイテムが、直線残り1ハロンで早めに抜け出す。後方から追いこんで来たウインプリメーラが2着に突っ込んで来る。この後ろにいた1番人気グローバルハートは、直線で反応せず7着と敗退。上がり3ハロンが34.0と、切れ味要求の新馬戦となった・・・。

パドックで先頭で入って来たグローバルハート。廻りを観ている様子で頭が高い。観客の方も気になる様で、他の馬がおとなしく周回するのに何か気を遣っている。そして馬場入場後、歩いて残り1ハロンあたりまで行くのだが、その途中で何とオシッコまでしてしまう。ボロをする馬はけっこういるのだが、小便はあまり見かけない。武豊Jもその事を言っていて《歩きながらオシッコするんだよ~。そんな馬は今までいない~》であった。緊張感からなのか、何とも頼りない1番人気馬の精神面を観てしまっていた。

そしてゲートオープン。スタート良く出て行ったのがエーシンシアー。続いてクリノアルパマーヨ。グローブがすぐに順位を上げて3番手。外からリヤナンシーも上がり、コレクターアイテムが好位5番手につけた。ウインプリメーラがそこから少し開いた6番手。そしてグローバルハートがゲート・オープンの時は互角だったのだが、この位置に下がっている。
向こう正面を過ぎて、3コーナーでは今度はグローブが前に出て行く。しかし流れはユッタリ。4コーナーが近づくと前5頭から少し開いた位置にウインプリメーラ。その後ろがグローバルハートと変わらずの順位。むしろ前より離された格好だ。

直線に入ってきて、外へ出して追い上げて来たウインプリメーラ、その後ろのグローバルハートだが、一向に前との差が縮まらない。横に広がる先行馬。一気にコレクターアイテムが先頭となってゴールを目指して行く。内から外へ出したシンジュボシ。ようやくウインプリメーラのエンジンがかかり、コレクターアイテムを追いかける。しかし1馬身ないぐらいで先んじられてしまった。グローバルハートはなかなか詰められず7着まで。それでもコンマ5の差だが大きな着差だ。最後の3ハロンが11.7~10.8~11.5のラップである。ゴールから2ハロン前の10秒台で一気に離されてしまう図式。高速馬場ならでの数字である。

コレクタアーイテムが勝つ位置にいての競馬をしただけ。それが出来るのがまずは全てだろう。
やはりグローバルハートは《スタンドを物見して前に進まない感じ・・》と武豊J。若駒にありがちな幼さを出してしまっていた様子。でも真っ直ぐな走りを見せていたし、《乗り味は抜群》だけに初戦はダメだったが、走ってくるはずである。まだ、たかが1戦ではないか・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。