将来性豊かな新馬が続々…山田乗男の2歳馬ジャッジ

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先 週 の 2 歳 戦

今開催最注目の新馬戦と言われていたのが、阪神芝1800mの新馬戦。エリート揃いのノーザンFでも指折りの評判馬と言われるアドマイヤキンカクとカレンバッドボーイが対決ということで楽しみな一戦となった。

しかし、結果は一騎打ちどころか、お互い勝利も掴めず。特にアドマイヤキンカクは、いい位置につけていながら、全く伸びる気配もなく、見せ場ないまま終わってしまった。

カレンバッドボーイのほうは2番手につけて、最後は勝ち馬に交わされたものの少差の2着。初戦は走らない傾向が強い橋口厩舎だけに、これを使っての変わり身に期待したい。

勝ったダンツクロノスは、1週前にポリトラックで好時計を出し、直前は上がりのかかる坂路を12秒4でフィニッシュしていたように、仕上がり抜群。ただ初戦だけの馬というわけではなく、この先も十分楽しめる資質の持ち主だ。

先週は、他にも将来が楽しみな馬が続々現れた。阪神の牝馬限定マイル新馬では、コレクターアイテムが余裕を持って勝利。地味な調教が多い須貝厩舎では珍しく、坂路で52秒台を連発。この馬もダンツクロノス同様、上がりのかかった坂路で12秒台フィニッシュし、素質をアピールしていた。同厩舎の牝馬にはローブティサージュという期待馬がいるが、それに劣らない素質を感じさせる。

中山では、マンボネフューが楽勝。北海道でデビュー予定だったが、一頓挫あってここまで延びていた。一度仕上げていたことも大きく、他馬を子ども扱いした。祖母は歴史的名牝ミエスクで、叔父は名種牡馬キングマンボ。マンボネフュー(キングマンボの甥っ子)の名も、ここから来ているのだろう。2歳馬にアクシデントが続出していた国枝厩舎だが、ここから一気に流れを変えたい。

オープンの野路菊Sは、良血ラブリーデイが2連勝。首差まで迫られたが、最後まで危なげなかった。派手さはないが、これからも安定した成績を残してくれそうだ。


今 週 の 2 歳 馬 情 報

オープン特別は、1400mのききょうS。同じ阪神芝1400m戦の未勝利戦を好タイムで勝ったワキノブレイブが1歩リードか。

楽しみは北海道戦から休養し、この開催を目標にしていた馬。ローガンサファイアは、初戦が好内容。函館2歳Sの大敗は、馬体減が響いたか。立て直して、再度期待したい。アウトシャインはロードカナロアの半妹。初勝利に3戦かかったが、2戦目は大きく外に寄れるなど、幼い部分が多かった。前走は高速馬場とはいえ、1500m1分30秒0の好時計。これを余裕を持って出したように、素質は高い。

マジェスティハーツ
(牡2、栗東・松永昌厩舎)
父:ハーツクライ
母:エアラホーヤ
母父:ボストンハーバー

母のエアラホーヤは4戦1勝だが、新馬勝ち。祖母のテンザンストームは、13戦11勝のタイキシャトルに土をつけた馬である。

先週の坂路で54秒2-12秒7の好時計。そのまま当週の阪神芝1800m戦でデビューするはずだったが、騎乗依頼した武豊騎手がカレンバッドボーイで同じレースに出走予定。そちらに乗る可能性が高かったので、1週伸ばして改めて武豊騎手で臨む。

同厩のウインバリアシオンと同じハーツクライ産駒で、松永昌厩舎の2歳馬の中では、現状一番と言ってもいいほどの期待だ。

新馬期待度 ★★★★★
将来性 ★★★☆☆



山田乗男
主なPOG実績として過去にビワハヤヒデ、ナリタブライアン、ディープインパクト、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルド所有の経歴を持つ。現在、某有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。