デインドリームの凱旋門賞出走は悲観的…[和田栄司コラム]

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第91回凱旋門賞まであと1週間に迫った29日、スノーフェアリーが前脚の故障により回避を伝えた。長い傷害から8月にドーヴィル競馬場のジャンロマネ賞で復帰して、続くアイリッシュチャンピオンSを快勝、G1連勝中のスノーフェアリーは凱旋門賞を取れるチャンスだっただけに残念な気持ちで一杯だった。

翌30日、カラ競馬場で行なわれた2歳馬の重賞競走を全勝したエイダン・オブライエン調教師は、キャメロットが凱旋門賞に出走した場合、ジョセフ・オブライエン騎手が56キロの斤量では乗れないことを口にした。凱旋門賞にバリードイルがどの馬を送るかは、今日2日(日本時間の2日夕方)か明日3日に発表になる。

1日、マイケル・スタウト厩舎のシームーンが凱旋門賞参戦に動いた。キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSで1番人気に推されなから5着に敗れたシームーンは、当初ウッドバイン競馬場で行なわれるG1カナディアン国際Sに目標を置いたが、8月末に負傷したライアン・ムーア騎手と一緒に凱旋門賞で復帰することが決まった。エイダン・オブライエン調教師の考えでは、ジョセフ・オブライエン騎手に替わる騎手としてムーア騎手の名前も浮かんでいたのではないかと思われるが、それもなくなった。

同日、今度は凱旋門賞連覇を狙うデインドリームが凱旋門賞に出られるかどうか怪しくなった、と伝えられる。ドイツのデインドリームは、現在ドイツで最大のトレーニングセンターのあるケルン競馬場の馬房にいる。そのケルン競馬場で1頭、馬伝染性貧血(EIA)馬が出た。ケルン競馬場のゼネラルマネージャーはプレス・アソシエーション・スポーツに「これは悪夢だ」と伝えた。

血液感染馬の陽性検査の後、ドイツの競馬場は3ヶ月間閉鎖され、ケルンの全ての馬は競馬場に入ることも出ることも出来なくなる。ピーター・シールゲン厩舎のデインドリームも例外ではない。シールゲン調教師は「これは災害です。デインドリームは特別な獣医の命令で検疫を行い、凱旋門賞に行く準備すら出来ない」と話す。

「デインドリームは病気の感染はしていない。しかし、全ての馬が数日間で血液感染馬のテストを受けなければならない」と続けた。共同オーナー吉田照哉氏のレーシングマネージャー、パトリック・バルベ氏は「凱旋門賞にはとても悲観的にならざるを得ない。デインドリームは、状態も良く感染もしていない。感染している馬はデインドリームの向こう側にいる。凱旋門賞はあと数日で行われるので、彼女を凱旋門賞で走らせることが出来るかは悲観的です」とコメントした。

英ブックメーカーはこれを受けて、凱旋門賞の前売り人気からデインドリームの名前も外した。これによって日本の三冠馬オルフェーヴルが1番人気に押し出された。いろんな意味でオルフェーヴルに追い風が吹いて来たが、クリストフ・スミヨン騎手の腕前を信じてオルフェーヴルを応援したいものである。尚、クラブ馬の凱旋門賞出走で、ディープインパクトに次ぐ日本人客がロンシャン競馬場に集うと聞く。

海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。