ナイスミーチュー、ダート重賞初挑戦を勝利で飾る!…平林雅芳コラム

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トピックス


土曜阪神11R
シリウスS(G3)
ダ2000m
勝ちタイム2.03.3

ナイスミーチュー(牡5、キングカメハメハ・栗東・橋口厩舎)

ナイスミーチュー、ダート重賞初挑戦を勝利で飾る!!

直線で先に抜け出したヤマニンキングリー。実にいいタイミングだっただけに《昨年に続いて連覇達成か!》と思えたのだが、その後ろからジワジワ接近してきていたナイスミーチューがキッチリと捕えて勝利を挙げた。今年の2月にダート戦で久々の2勝目を挙げた馬である。ついにここまで登りつめて、重賞初制覇の快挙であった。
1番人気グレープブランデーが、何とかゴール寸前で3着に上がった。上位人気馬が安泰な結果を納めたものではあるが、とてもこんな結末になるとは思えない道中の流れであった。

4コーナーの奥の芝からのスタート。その芝のところで先手を取りそうな勢いで、大外グラッツィアが出てくる。中からフサイチセブン、内からエーシンジーラインがステッキをかなり入れて先手主張だ。しか完全に先頭に立つまでに1ハロン以上を要した。その後は勢いがついて11.3~11.9と、かなり速い入りとなる。しかし2コーナーを廻るまでには、もう13秒台へと落としていく。ここらでグラッツィアがかなり行きたがる様で、鞍上岩田Jがかなり突っ立って抑えている。エーシンジーライン先頭で2番手グラッツィア。3番手が内にメイショウタメトモ、外がフサイチセブン。この間にタガノロックオンがいる。そして真後ろの内にナイスミーチュー、外がヤマニンキングリーで、直後が1番人気グレープブランデーと人気馬が好位グループを形成していたが、あまりに遅い流れを嫌ってか、マイネルアワグラスが順位を上げてきた。また流れが動き出した様子である。

向こう正面を過ぎて3コーナーに入る前に、グラッツィアがエーシンジーラインを交して先頭へ出て行く。フサイチセブンも積極的で2番手に上がる勢いだ。3コーナーを過ぎて行くあたりで下がり気味なのが、エーシンジーラインとメイショウタメトモだ。4コーナーの中間点では完全にグラッツィア、フサイチセブンとなり、マイネルアワグラスが3番手に上がる。しかしその後ろにヤマニンキングリーがいい感じで待っている。4コーナーが近づく、前の2頭が並ぶ。しかし後続もドッと詰めて行く。ヤマニンキングリーが外から3番手に押し上げてきてカーヴを廻った。

直線入り口では、グレープブランデーがヤマニンキングリーの後ろに上がって来ているが、ステッキがかなり入って苦しい手応えだ。その内に持ったままのナイスミーチューがいた。
まだ追い出しを待っている幸四郎Jのヤマニンキングリー。残り300メートルの薄青色のハロン棒を通過してゴーサインを出した。それを追う様にナイスミーチューが出てきた。

先頭となってゴールを目指すヤマニンキングリー。瞬間に1馬身は抜けたかと思えた時に、ナイスミーチューがジワっと差を詰めて来た。幸四郎Jが右ステッキ、小牧Jが左ステッキでの追い合いとなる。外の小牧Jが小さな水車ムチで前へと出るナイスミーチュー。ヤマニンキングリーとの差は最後は半馬身であった。
3着には、それこそゴール寸前でフサイチセブンを交したグレープブランデーが上がった。クラブトゥギャザーがその2頭の間に接近して入線。

ナイスミーチューは芝の重賞、ラジオNIKKEIやセントライト記念に挑戦した過去である。兄フライングアップルとか芝向きの血筋である。しかし今年2月にダート転向初戦を約2年ぶりの勝利で飾り、その後も昇級戦をそれぞれ2戦目の挑戦で勝ち上がり、今回はオープンクラスで初めての戦い。それをいきなりの快挙である。54キロの斤量ももちろん利いたのだろう。
しかし好位の内でジッとして、最後は外へ出してからの末脚を発揮と、絵に描いた様な競馬っぷり。まさに新天地開発の様である。
これで橋口師も15年連続の重賞勝利だそうで、実に嬉しい勝利であった・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)

競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。