デインドリーム、凱旋門賞出走回避[和田栄司コラム]

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1日、独ケルン競馬場で発見された馬伝染性貧血(EIA)騒動の結果、2日の朝に連覇を狙うデインドリーム陣営は凱旋門賞回避を決断した。これを追うように、今度は英ジョン・ゴスデン厩舎の4歳の牡馬ナサニエルが凱旋門賞を回避することを決めた。2日朝に熱発していることが分かり、血液検査の結果、正常でないことが認められたからだ。

注目の愛バリードイルが凱旋門賞の出走メンバーを公表した。G1・4勝のキャメロットとセントニコラスアビー、G1パリ大賞典勝馬のインペリアルモナーク、残りの2頭はペースメーカー役のロビンフッドとアーネストヘミングウェイである。56キロの斤量では乗れないジョセフ・オブライエン騎手はセントニコラスアビーに乗ることになるが、キャメロットのジョッキーは未だ決まっていない。

登録メンバーを見てみよう。59.5キロの斤量を背負う古馬、ビートホロー産駒の4歳の牡馬シームーンは、1番人気に推されたキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS5着以来78日振りのレースとなる。8月末に負傷したライアン・ムーア騎手も復帰、G2・2勝馬だが力は侮れない。

モンジュー産駒の5歳の牡馬セントニコラスアビーは、今年コロネーションカップの連覇を達成したが、キングジョージ/ジャドモントインターナショナルS/アイリッシュチャンピオンSはいずれも3着と決め手を欠いた。昨年の5着馬、去年を上回れるかが焦点になろう。

スリックリー産駒の4歳の牡馬ミオンドルは、今年サンクルー大賞典とベルリン大賞、2つのG1を加えてG1・3勝馬となった。昨年のパリ大賞典勝馬で、凱旋門賞では6着。使い過ぎのローテーションから今年は1つ減らして5戦で臨んで来た。前哨戦のG2フォワ賞ではオルフェーヴルの2着、臨戦態勢は好ましいが外からの追い込み一辺倒だけに壺に嵌るかが問題。

チェコから参戦するガリレオ産駒の5歳の牡馬ミカイルグリンカは、独バーデンバーデン競馬場でG3スパルカッセン=フィナンツグルッペ賞を勝って来た。春先はドバイでG2ドバイシティーオブゴールドを勝ったが、格的には見劣る。ガリレオ産駒の4歳の牡馬ロビンフッドはバリードイルのペースメーカー。テンが速いだけに、これが2段ロケットの1番手か。

ダラカニ産駒の4歳の牡馬リライアブルマンは、昨年の仏ダービー馬で凱旋門賞は15着だった。キングジョージ4着の後、9月21日メゾンラフィット競馬場で行なわれたG3ラクープドメゾンラフィットを2着して臨む。

ステイゴールド産駒の4歳の牡馬オルフェーヴルは日本の三冠馬。前哨戦のフォワ賞を勝って目下ブックメーカーの1番人気に推されている。帯同馬として仏国に渡ったジャングルポケット産駒の8歳の牡馬アヴェンティーノも出走可能となった。相次ぐ有力馬の離脱でフルゲートに満たないツキも味方した。

58キロの斤量となる古牝馬。シンダー産駒の4歳の牝馬シャリタは、昨年の2着馬。ヨークシャーオークスとヴェルメイユ賞、牝馬のG1を連勝して駒を進めて来た。アガ・カーン殿下のエース格だが、問題は馬場。昨年のようなレコード決着の馬場だと真価を発揮できるが、渋った馬場では能力が半減する。重予想の馬場が気になるところだ。

ランド産駒の4歳の牝馬アヤランダは、コンディション競走勝ちしかなく今季は未勝利。ポリグロート産駒の4歳の牝馬ソレミアは、5月サンクルー競馬場のG2コリーダ賞でシャリタをハナ差捕えて初の重賞勝ちを収めた。前哨戦のG1ヴェルメイユ賞は混戦の2着争いの中、アタマ差3着に踏ん張っている。

56キロの3歳牡馬。キングズベスト産駒の3歳の牡馬ケサンプールもアガ・カーン殿下の1頭。G2グレフィーユ賞は2番手から早めに抜け出して勝ったが、本番の仏ダービーは中団から200m残して先頭に立ったものの1馬身差4着。前哨戦のG2ニエル賞は先行したもののしんがり6着に終わっている。

モンジュー産駒の3歳の牡馬キャメロットは、2000ギニー、ダービー、愛ダービーを制して、三冠に挑戦したが脚を余しての4分の3差2着。オブライエン調教師が「もう1戦考えている」の言葉通り、凱旋門賞に出走して来た。G1・4勝、6戦5勝、2着1回の成績は国際レーティング137が示すようにトップの地位にいる。誰が騎乗することになるかも注目だ。

モンズン産駒の3歳の牡馬マスターストロークは、ミオンドルと同じアンドレ・ファーブル厩舎の1頭だが、こちらはゴドルフィン馬。7月ヴィシー競馬場で準重賞を勝ち、8月ドーヴィル競馬場のG2ドーヴィル大賞典を連勝して来た。6戦4勝、2着2回の成績が示すように底を見せていない強みがある。

ガリレオ産駒の3歳の牡馬アーネストヘミングウェイはメイドンを10馬身差で勝ったものの、G2ダンテSは1番人気に推されながら先行してしんがりの7着。以来143日振りのレースでは、バリードイルのペースメーカー役としか考えられない。同じバリードイルのガリレオ産駒の3歳の牡馬インペリアルモナークは、パリ大賞典勝馬。以来85日振りのレースとなるが、前哨戦を使えなかった点が気になる。

54.5キロの3歳牝馬は1頭だけ。モンズン産駒の3歳牝馬イエローアンドグリーンは、6月のG2マルレ賞が4戦目の初勝利だった。前哨戦のヴェルメイユ賞でも最後方から伸びたが3馬身半差の4着に終わっている。

このところのパリは寒くて天候不順が続いている。2日パリのアンギャン競馬場の馬場コンディションはトレススープルと非常に重たい馬場になっている。どう転んでもボン(良)表示の馬場は望めそうもなく、予報ではスープル(重)馬場になりそうである。

海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。