メイショウカンパク、10度めの挑戦で重賞初勝利!!

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月曜阪神11R
京都大賞典(G2)
芝外2400m
勝ちタイム 2.23.4

メイショウカンパク(牡5、グラスワンダー・栗東・荒川厩舎)

メイショウカンパク、10度めの挑戦で重賞初勝利!!

3コーナーの坂から仕掛けて行ったオウケンブルースリ。4コーナーでは先に仕掛けたギュスターヴクライに並びかける勝負に出た。馬場の内と真ん中に別れて追い合う2頭。さらに後方から追い上げて来たローズキングダムフミノイマージン、メイショウカンパクの3頭が加わって5頭が凌ぎを削る。オウケンブルースリが外へ馬体を並べに来て窮屈になったのがローズキングダム。進路を内へと替える。オウケンブルースリとメイショウカンパクが馬体を接しての追い合いとなったが、外メイショウカンパクが首差前に出てゴールを迎えた・・。

イロイロとこのレースもあった様だ。まずはスタートでマカニビスティーが躓いて出た。態勢が遅れる。好天の淀で馬場も絶好。けっこういいスピードで流れる。レックスパレードの逃げでレースは進む。マルカボルトの内へ入ったグラスゴッドで2コーナーに入る。そこらあたりで4番手コスモタピュタ、その後ろヒラボクビクトリーの後ろの内にいたギュスターヴクライが、内ラチへぶつかりそうなアクシデント発生。これで火が点いたのか、ギュスターヴクライが内から前へと上がって行き加減。その少し後ろではローズキングダムがかなりいい感じでいる。直後にオウケンブルースリ、内にフォゲッタブルが並び、フミノイマージン、メイショウカンパクと後方グループを形成だ。

前2頭がやや後ろを離して坂に向かって行く。3番手にギュスターヴクライが内から上がって行く。外からオウケンブルースリが順位を上げてきて、5番手で坂の下りへと入る。もう前の2頭とは離れていない。オウケンブルースリの追い上げは止まらずどんどんと前へ行く。4コーナーを廻る時にはレックスパレードの先頭を交してギュスターヴクライ、マルカボルト、その外にオウケンブルースリと3頭が雁行する形で廻った。3列目のローズキングダム、その外フミノイマージン。4列目がフォゲッタブルとメイショウカンパクが並ぶ。もう前とほとんど差がない位置だ。4コーナーを廻る時に、ローズキングダムがやや窮屈で顔を横にするシーンが見られた。フミノイマージンを外に押しやる形で外へ出して来た。さらにその外へメイショウカンパクが取り付いて生垣を通り過ぎる。

ギュスターヴクライが、岩田Jの左ムチで内ラチ沿いの方へと導かれて行く。馬場の真ん中をオウケンブルースリが通る。まだ300もある処でゴールまでは長い。その前2頭を追う表に外の併せ馬が3頭が接近して行く。そしてオウケンブルースリがやや外へ流れながら追う為にローズキングダムの進路がなくなり、小牧Jが内へと進路を替えて行く。中のフミノイマージンより外メイショウカンパクの伸びがいい。内へ進路を取ったフォゲッタブルもけっこうないい伸びを見せる。しかし勢いは一番メイショウカンパクがいい。オウケンブルースリが差仕返し気味にはなるが、池添Jの手応えが余裕十分に見える。大きなクビ差で重賞初制覇のゴールだった。

フミノイマージンにしてみれば、4コーナーで内からローズキングダムに流されたのと、外からのメイショウカンパクが来ていて2頭の馬の間になったのが痛かったか。いつも伸びて来ている時は外に馬がいないシーンを見る。ローズキングダムは4コーナーの窮屈さと、残り1ハロンを切っての進路のなさが痛い。3着ギュスターヴクライは2コーナーで内ラチへぶつかる事件が痛い。もっとも、勝ったメイショウカンパクは、前走のオールカマーで4コーナー手前でかなり窮屈になって鞍上が立ち上がりそうになっていたシーンを観た。あれがなければもっと前に取り付けていただろうし、違った結果が出ていたはず。

馬が負ける時には必ず敗因があるもの。この三日間競馬では、池添Jが土曜に続いて重賞制覇。三日間で3つの重賞に乗ったのが5人。もちろん抜けて最高の結果を出したものであった。そして記念すべき800勝をも重賞制覇で達成。何か持っているジョッキーである・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。