ダートならこの父、ブルーボンボヤージが差す!!

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日曜京都3R
2歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.56.2

ブルーボンボヤージ(牝2、メダグリアドーロ・栗東・本田厩舎)

ダートならこの父、ブルーボンボヤージが差す!!

好調な本田厩舎。今週のケイコで遅れて脚色が見劣ったブルーボンボヤージだが、ダートでの実戦となると違った。ハーデスの逃げで始まったダート新馬戦。1000メートルを1.03.6とマズマズのペースで逃げたハーデス。綺麗に逃げ切りと思えた直線半ばだが、敢然と差してきたのがただ1頭。ブルーボンボヤージ。3着馬には7馬身と大きく水を開けた2頭。追う強みのブルーボンボヤージが、最後は2馬身近い差をつけてのデビュー勝ちだった・・。

あんまり数はいないが、メダグリアドーロの子供はダートが巧い。父もウォーエンブレムの影に隠れたものの、3冠すべてに出走。ドバイでも、勝てないまでも堅実な足取りを残した馬だそうだ。おしなべてダートでそつなく走る子供達である。
そんな意味で観ていたデビュー戦だったが、ゲートはモッサリ。ゲートを出てすぐに太宰Jはステッキを入れているぐらいだった。最初の1ハロンは12.7と,、この距離のわりにはみんな出して行く。けっこう行く態勢を示したものだが、1コーナーを廻った時には外からハーデスが先手、2番手カシュクールと落ち着いた。サチノザベストシゲルアンドロメダと続くが、このシゲルアンドロメダがどうにも落ち着かない。やや行きたがるそぶりをスタート直後から見せていたもの。

向こう正面に入って2番手カシュクールが動いて前のバーデスに並びかけに行って、ペースが12秒台になったあたりでやっと折り合えた感じだった。
この遅い流れで動いたのがブルーボンボヤージ。2コーナーを廻る時にはドンジリだったのが、ジンワリと進出して3コーナーに入るまでに5番手、先頭から5馬身ぐらいまでに上がる。1000メートル通過が1.03.6と完全なる先行馬ペース。この流れを読んでの行動だ。
3コーナーを過ぎてもそんなにペースは上がっていない。ブルーボンボヤージはそのまま順位を上げて、4コーナーに入る時にはハーデス、カシュクールの外へまで来ていた。

余力を残して先行していたハーデス。直線に入る時には横をチラリと見ている。まんまとペースを造った感があるはずだ。実際について来ていたカシュクールは、この後7馬身も離れるのであるから。しかしただ1頭ブルーボンボヤージだけは違っていた。太宰Jの左ステッキに呼応してしつこく伸びてくる。残り1ハロンのあたりでは、まだ盛り返そうとしているハーデス。しかしゴールが近づくにつれ段々と差が出てしまい、2着と屈したハーデスであった。

ブルーボンボヤージは芝で追いポリトラックで追う、この2週間。時計は当然に出ている。しかしCWでの時計がそんなに速くないだけに人気を集めなかったのか。1頭除外があって10頭立てとなっての9番人気である。父のダート適性からは信じられない支持であろう。まだまだダート戦なら注目していい馬であると思える。2着ハーデスもすぐに勝ち上がろう・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。