血が騒ぐ!キズナが直線でアッサリ差し切った

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日曜京都5R
芝外1800m
勝ちタイム1.51.6

キズナ(牡2、ディープインパクト・栗東・佐々木晶厩舎)

血が騒ぐ!キズナが直線でアッサリ差し切った

7頭立ての小頭数競馬。しかしキズナの圧倒的人気かと思えたが、肉薄した支持を集めたのがリジェネレーション。4コーナー手前では7頭が3列と固まって直線へ入ってきた。決め脚勝負の決着だったが、逃げたキングレジェンドを綺麗に差し切ったのがキズナ。最後の2、3完歩は流していたぐらいと完勝であった。際どい2着争いは、ゴール寸前にリジェネレーションがハナ差交わして確保。3連単が570円と新馬戦ながら実に堅い決着となった・・・。

小頭数競馬ほど難しいものはないかも知れないと、常々思う。どの馬にもチャンスが出てくるからである。多頭数の方が意外と力通りになるケースを良く見知っている。ここも当然にスローな流れになる。当然に決め手勝負。その戦いの場の直線まで、いかにロスのない競馬が出来るのかにかかる。
キズナの佐藤哲Jは、スタートして直ぐに内へ入れる様に決意していた様子だ。内のリジェネレーションを見ながら進路を内へと取っている。2ハロンを過ぎてキングレジェンドが枠なりに先手を取って行く。ダイコウキ2番手。ミスズブライアンズが3番手だが、そこから2馬身もないぐらいの5番手の内目。ラチ沿いである。
3ハロン通過が38.3と本当にユッタリだ。キズナが4番手。後ろにいたリジェネレーションも順位を上げてキズナの直ぐ横へと上げる。坂を登っていくあたりでは、最後方のサトノフェニックスまで5馬身と差はない。前3頭が1馬身半ぐらいの間で行く。坂の途中の残り800を過ぎたあたりからペースはやっと12秒台へと上がる。前が3頭が並びかげんとなる。その後ろの列がキズナが内で外リジェネレーションだ。ここでの位置、内と外の差がゴールで大きく影響している。

4コーナーを廻って直線へと入ってくる。キングレジェンドがもう一度前へと出て後続を離しにかかる。ダイコウキがそれを追う。外へ流れるミスズブライアンス。ダイコウキとの間がけっこう開くが、そこに入ってこないキズナの佐藤哲J。進路を替えたくないのだろう。リジェネレーションはミズスブライアンズの外へと進路を取る。ダイコウキの真後ろから外へ出たのが残り100を過ぎたあたりか。
右ステッキが最初2発。そして前の2頭を抜く時に2発入れた佐藤哲Jとキズナだが、抜け出た後はもう流し気味の仕草だ。リジェネレーションが追いこんできたのが、キングレジェンドがゴールへ入ろうとした瞬間。キズナからは2馬身の水を開けられていた。上がり3ハロンの勝負となって11.8~11.3~11.1である。この中でキズナ自身のラップは最後の1ハロンも関与していないはず。無駄な動きをしないでいかに勝つかと思える様な佐藤哲Jの騎乗ぶりであった。

姉ファレノプシスを指針として、これからキズナのスタートである。2着リジェレネーションの意味は、JRA-VANから紐解くと《復活・再生》とある。この2頭のテーマはこれからの日本を意味する・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。