ノーステッキでサトノネネが抜け出す!!

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土曜京都5R
2歳新馬・牝
芝1600m
勝ちタイム1.35.6

サトノネネ(牝2、ディープインパクト・栗東・池江厩舎)

ノーステッキでサトノネネが抜け出す!!

3頭のディープインパクトの娘たちがデビューとなった。その中で1番人気に支持されたサトノネネ。1番枠で道中もジッと内ラチ沿いで我慢をさせて、残り1ハロンから開いた最内を抜け出てきた。先に抜け出した同じディープインパクトの子供ウリウリを内から抜き去り、そのままゴールまでの追い合いをステッキを使わずに手綱をシゴクだけの動作で終えた。最後の2ハロンが11.2~11.5の切れ味勝負を制したものだが凄い切れ味を発揮した。これは楽しみな馬である・・。

外のウリウリがポンと好発をした。内からサマリーズが外を見ながら出て行く。中からオルヴィエートも出て来てサマリーズと並んで先行して行く。最初の1ハロンが13.2ともうスローな入りだ。ピンナJ騎乗のサマリーズが主導権を握って行く。半馬身差でオルヴィエートが続き、外にウリウリ。内からサトノネネ、サマーレイラと出て来て2番手グループとなる。あまりに遅いので、オルヴィエートの佐藤哲Jが行きかけようとするが、再びピンナJが主張。この3ハロンめが速くなって11.8で後ろを少し離した。それでいて37.0の前半3ハロンなのだからいかに遅かったが歴然。また落ち着いて坂を下って行く。先頭から最後方までが6馬身ぐらいで、完全に上がり勝負となった馬群。4コーナー手前ではウリウリが少し前に出て外へ並び加減となる。後ろでもミライエが順位を上げてくる。まだほとんどの馬が持ったままの中で、セトノフラッパーだけが少し手が動き出していた。

カーヴを廻ってくるが、セトノフラッパーと外のミライエが押しながら仕掛けてきた。直線へと向いた時にウリウリは前の馬2頭を射程圏に入れた。サトノネネはまだ内で出どころを探している感じだ。先に追い出したのがウリウリ。浜中Jのステッキが飛ぶ。そして先頭となって行く。
逃げたサマリーズの内が開いて、そこへサトノネネがスッと入る。ウリウリが先に追い出したのだが、サトノネネもすぐにトップスピードに入ってきている。むしろ勢いはサトノネネにある。
1馬身は出たかと思った処へ、今度はウリウリも追いついてくる。ジワジワと詰めていくが、サトノネネの方が出たままゴールを迎える。3着にはサマリーズをセトノフラッパーが抜いて上がっていた。ミライエが5着だった。

後半の4ハロンが、押しなべて11秒台の上がり勝負となったが、そんな切れ味勝負の中でサトノネネの瞬間的なスピード、切れが違っていた感じだった。それもステッキを一度も振るわずである。
ディープインパクトの子供の中でも452キロと馬格もまずまず。初戦を無事に突破して次なるステージと上がるネネ様だ・・。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。