3キロ減も利いたか、ハドソンシチーが逃げ切った

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日曜京都4R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.23.2

ハドソンシチー(牡2、マンハッタンカフェ・栗東・佐々木晶厩舎)

3キロ減も利いたか、ハドソンシチーが逃げ切った

《パドックで、ここなら5着ぐらいには来れるかも知れないと思ったよ~》と報道陣にいつもの大きな声で話す佐々木晶師。時計が全てを物語る、そんな顔ぶれでの新馬戦を制した驚きと喜びの言葉だろう。レースは一緒に先行したシゲルスコピウスが10着に敗退。ハドソンシチーが直線でも脚を伸ばしての快勝。数字的には35.7で前半を行って後半が35.3と平均ペースの内容。しかし、終い脚を生かした鞍上水口Jの会心のレースでもあっただろう・・。

好発を切ったのは武豊Jキチ。しかしすぐに後続に呑みこまれてしまい、後がなかった。外からハドソンシチーが出て行く。シゲルスコピウスにセルリアンプラウドとが続く。結局はシゲルスコピウスの先手となり、2番手に半馬身差でハドソンシチーとなる。ディープインパクト産駒のリオグランデと1番人気エーシンレンジャーが次のグループを形成する。一旦下がったセルリアンプラウドが内から追い上げて2番手グループの先頭となる。
3コーナーを廻っても淡々と流れる。集団の一番後ろにサダムコーテイがいい手応えで追走する。さらに馬群は4コーナーへ近づく。一気に前が固まってサダムコーテイが思わず前と接近して手綱を絞る内田Jである。
先頭のシゲルスコピウスの外に馬体を並べたハドソンシチー。やや外へ張り気味だが許容範囲か。その後ろのリオグランデの手応えもいい。しかしカーヴを巧く廻れていない感じだ。
残り300を待たずして追い出したハドソンシチー。先頭に出て行く。2番手にエーシンレンジャーが上がって前を追う。後ろでは一旦外へ進路を取ったサダムコーテイが、外が開かないので再び中を選んで追ってくる。2馬身ぐらい抜け出たハドソンシチーに追うエーシンレンジャー。だが差が詰まらない。むしろサダムコーテイの脚色がいい。ハドソンシチーが勝利。2着にゴール寸前でサダムコーテイが上がった。

水口Jのムチは2+3+3発の入れ方であった。残り30メートルぐらいは手綱を押すだけ。11.9~11.6~11.8がレースの上がり3ハロンのラップである。ほとんど差はないハドソンシチーの道中の位置であった。1.23.2と、昨日からの2歳の1400芝では2秒近くも遅い。でも上がり数字だけをみれば悪くないもの。
ハドソンシチーのケイコ時計は、坂路でも55秒を切ったことがないぐらい。それでも実戦ではこの結果であるから実戦型だ。この後がどんな馬に成長していくのか、案外、師をもっと驚かせる馬になるのかも知れない・・。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。