道中は内、セオリーどおりにトウシンモンステラが差す!

トピックス


日曜京都5R
2歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.03.7

トウシンモンステラ(牡2、キングカメハメハ・栗東・村山厩舎)

道中は内、セオリーどおりにトウシンモンステラが差す!

ウオッカの弟が人気を集める。馬場入りしてからのキャンターも姉を思わす様な大きなフットワークの走り。すっと2番手につけてスローな流れにも対応する。しかし最後のカーヴの廻り方があまり上手くない。外へ逃げ気味ながらも何とか先頭で直線へと入ってきた。しかしその直後でじっとしていたトウシンモンステラが敢然と追って出てきて叩き合いとなった。最後の最後に外トウシンモンステラの伸びが優ったもの。

秋華賞とまったく同じ舞台設定。しかし牝馬はただの1頭もいない組み合わせ。ゲートの出はそんなでもなかったが、前へと出たのが1番人気トウケイムーン。内からテーオークリスエスも速い。タニノタキシードもダッシュ利かせて前へと出てきた。外にシンネン、内にトウシンモンステラで最初のカーヴを廻って行く。もう流れはスローになっている。ややトウケイムーンとタニノタキシードのコーナーリングが巧くない様子だ。
2コーナーを廻って行くが、先頭トウケイムーンは鞍上岩田Jがガッチリと手綱を絞っている。かなり遅くしている様だ。最後尾は内田Jレニンフェア。12馬身ぐらいの位置か。
向こう正面の真ん中あたりでそのレニンフェアが動く。ジワっと位置を上げて行く。その前にピンナJブロードソードが中団から前へと順位をあげて行く。4番手に取りついた時に、3コーナーのカーブへと入って行く。レニンフェアがその後ろ。前はシンネンがタニノタキシードの外へと少し上がる。2番手タニノタキシードは前のトウケイムーンを促す様でもあり、後ろからくるシンネン、ブロードソードが前に出るのを嫌う様に出ても行く。
4コーナーのカーヴを、ほぼ前は4頭が並んで入って行く。その後ろの列では最内にテーオークリスエス。そしてトウシンモンステラがジトっと乗って待っている。

最後のカーブもあまりうまく廻れていないタニノタキシード。四位Jの右手綱が内へと引っ張られている。体も右に傾けながらのコーナーリングだ。左に持ったステッキで外へと流れない様に矯正している様にも見える。
残り200を切って、内のトウケイムーンを見限って先頭に立つタニノタキシード。外シンネンとの間が開いて、トウシンモンステラが抜け出て、前を行くタニノタキシードを追う。同じ瞬間にトウケイムーンの横を抜けたテーオークリスエスも前を追う。
タニノタキシードをトライアングルの頂点にした追い合いが始まる。外のトウケイモンステラがあの川田Jの独特の追い方、腰が上下する追い方で馬を促して前進して行くトウシンモンステラの勢いがいい。内のテーオークリスエスは離されていく。
前2頭の追い合いは外トウシンモンステラがクビ差出てゴールだった。最後の2ハロンが10.9~11.8である。そこを乗り切ってくるトウシンモンステラの切れ味である。

セレクト・セール4700万の馬である。レースの流れに上手く乗って脚を貯めての瞬発力。敗れたがタニノタキシードも荒削りなレース内容ながらのクビ差負けであり、十分評価は出来る。そしてこの新馬戦は今週の3場で行われた新馬戦でいちばん単勝売り上げが多かった。それだけ注目された一戦であった事の証明だ。ウオッカの弟が出た事だろうが、勝ち馬はそんな中でなかなかの存在感を示していた・・。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。