綺麗に逃げ切る、テイエムダイパワー!!

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土曜京都5R
2歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.04.2

テイエムダイパワー(牡2、アドマイヤジャパン・栗東・木原厩舎)

綺麗に逃げ切る、テイエムダイパワー!!

アドマイヤジャパンを思い出すのに時間がかかった。そうだ、ディープインパクトの3冠のかかった菊花賞で、残り1ハロンで先頭に立ったのがアドマイヤジャパン。それを怒涛の寄りで勝ったのがディープインパクトだった。あの時に引き上げてきた横山典Jが《俺の人生こんなものか~》と嘆いたのも思い出した・・・。

暑いぐらいの日差し。スタンド前からのスタート。一番速かったのはヒルノドンカルロ。内のライジングゴールドも出がいい。最内からテイエムダイパワーが押して押して先頭に立ち主導権を握る。この枠を引いたら、行けたら楽。2番手にヒルノドンカルロ、3番手プロミネントロールで最初のカーヴへ。4頭目の内にライジングゴールドが収まって、さらに二つめのカーヴへと入って行く。もうペースは遅くなりつつある。
向こう正面に入ったあたりで、内のライジングゴールドが少し間隔を詰めにかかる。坂を上がって行く時には、2番手ヒルノドンカルロとは1馬身ぐらいのリードとなったテイエムダイパワー。気持ちいい逃げを展開だ。そして緩やかな坂を下って行く。後続組が外を追い上げて行くが、先行馬はラチ沿いを楽な手応えで最終カーヴを迎えた。

カーヴを廻る時に、2番手ヒルノドンカルロがやや肩ムチを入れながらの追走となる。
残り300を通過。テイエムダイパワーの鞍上太宰Jが、左ステッキを入れる。ゴーサインだ。1馬身から2馬身と開いていくが、ヒルノドンカルロの内からライジングゴールドが伸びだす。そして2頭馬体を並ばせて前を追う。
前では太宰Jの左ステッキが飛ぶ。中のライジングゴールドがグイと伸びかけたが、テイエムダイパワーが何とか凌ぎきってクビ差先んじてゴール。ヒルノドンカルロが少し遅れての3着。この3頭の後ろはかなり開いて、レコンダイトが上がって来ていた。

最後の2ハロンが11.5~11.4と完全に上がりの勝負に持ち込んだ太宰Jとテイエムダイパワー。低い姿勢でのフォームはなかなかのもの。上位3頭のレースとなったが、それを守りきったのにも値打ちであろう。
やや前から離されたレコンダイトではあるが、坂路でもまだそんなに目立ったタイムが出ていなかった。まだ仕上げ途上の感じだけに、次走でどれだけの変わり身を見せるに注目だ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。