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ブリーダーズカップ[和田栄司コラム]
2012/10/30(火)
ブリーダーズカップ、3日の第9レースに行われる3歳以上による芝のマイル&ハーフ、BCターフに日本からゼンノロブロイ産駒の5歳の牡馬トレイルブレイザーが出走する。トレイルブレイザーは前哨戦としてマイルのG2アローヨセコマイルを使い、5頭立ての4馬身差4番手から逃げるオブヴィアスリーを追って、半馬身差2着して駒を進めて来た。ゲート番号は大外12番枠からの発走となる。
ジャイアンツコーズウェイ産駒の3歳の牡馬コジートはステークス勝馬。G1ジャマイカHでは中団から伸びきれず4着も、力は相当落ちると考えて良い。イーヴンザスコア産駒の3歳の牡馬ドゥラハンは前哨戦としてジャマイカHを使って5着。勝ったのがオールウェザーコースの3戦3勝に対し、芝が4戦、2着2回、3着1回では強気になれない。
ダイナフォーマー産駒の5歳のセン馬キンダーガーデンキッドは、連闘でG3シカモアSを勝って臨んで来たが格下の感は否めない。スパニッシュステップス産駒の5歳のセン馬リトルマイクは、9ハロンのG1ターフクラシックと10ハロンのG1アーリントンミリオンを先行して勝っているが、前哨戦のG1ターフクラシック招待S5着が示すようにマイル&ハーフは長過ぎる。
イングリッシュチャンネル産駒の3歳の牡馬オプティマイザーは、8月サラトガのアローワンスと前走デラウェアパークのG3ケントSを連勝して来たが力が如何にも劣る。ダイナフォーマー産駒の4歳の牡馬ポイントオブエントリーが米国の代表格。4月キーンランドでアローワンスとG2エルクホーンSを連勝した後一息入れ、7月ベルモントパークのG1マンノウォーS、8月サラトガのG1ソードダンサーS、前走ベルモントパークのG1ジョーハーシュターフクラシック招待Sを3連勝して来た。
フランスから挑戦するシンダー産駒の4歳の牝馬シャリタは、今年ヨークシャーオークスとヴェルメイユ賞を連勝したが、前走の凱旋門賞は不良の馬場で持ち味を殺され9着と敗因がはっきりしている。前々競馬から良馬場条件に一番怖い存在となるだろう。昨年のジャパンカップでシャリタは7着、トレイルブレイザーの方が4着で先着しているが、完成度は高くゲートも5番枠と恵まれた。
ヴァルロイヤル産駒の4歳のセン馬スリムシェイディーは、前哨戦のG2ターフ選手権Sを逃げ切って来た。サンタアニタパークのマイル&ハーフはダウンヒルからのスタート、ダートコースを横切ってスタンド前から大逃げを打つと残り目も十分警戒しなければならない。11番枠からのスタートで、同型のリトルマイク(7番枠)やトレジャービーチ(4番枠)を警戒してハナに立てるかがポイントになる。
愛バリードイルのディフェンディングチャンピオン、モンジュー産駒の5歳の牡馬セントニコラスアビーは、僚馬トレジャービーチとどんな作戦で来るか興味津々。今年はコロネーションカップの連覇でG1・4勝馬となったが、前走の凱旋門賞11着はあまりにもレース内容が悪過ぎた。今年8戦目になるローテーションも気になるところ。ジャドモントインターナショナルでフランケルの3着がピークか、愛チャンピオンS3着から調子が下降気味である。
愛バリードイルのガリレオ産駒の4歳の牡馬トレジャービーチは、8月に米国に入り、アーリントンミリオン6着、前走ターフクラシック招待S2着で臨んで来た。アーリントンミリオンでは追い込みに回っての敗退、ターフクラシック招待Sではバックストレッチからハナを奪ったが、ポイントオブエントリーに軽く交わされてしまった。4番枠と恵まれ捨て身のペースメーカー役に徹するバリードイルの作戦も注意が必要だ。
ヘイローズイメージ産駒の4歳の片金馬(リジディング)ターボコンプレッサーは、7月モンマスパークのG1ユナイテッドネイションズSをペース駆けに持ち込んで逃げ切っている。前哨戦のターフ選手権Sは、1番人気に推されたものの前々から流れ込んでの2着と期待を裏切った。2番枠と恵まれたが、よほどのことがないとここでは通用しない。
以上12頭がBCターフのコンテンダーになるが、スリムシャーディーが大逃げを打ったとしても、シャリタとポエトオブエントリーが前々から抜け出して来る公算が高い。3~4コーナー中間から捲ってくるトレイルブレイザーがこれを捕えられるかが焦点になろう。セントニコラスアビーはトレジャービーチを目標にレース運びをすることになるが、大きな期待はかけたくない。
オルフェーヴルの凱旋門賞は多くのサポーターがロンシャン競馬場に押し寄せたが、トレイルブレイザーのBCターフには限られた数のサポーターしか応援に行かないようだ。昨年暮れのG1香港ヴァーズで、トレイルブレイザーは後方のまま直線追い込んだものの6着。脚を余して負けただけに、武豊騎手なら見せ場は十分作ってくれるだろう。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
ジャイアンツコーズウェイ産駒の3歳の牡馬コジートはステークス勝馬。G1ジャマイカHでは中団から伸びきれず4着も、力は相当落ちると考えて良い。イーヴンザスコア産駒の3歳の牡馬ドゥラハンは前哨戦としてジャマイカHを使って5着。勝ったのがオールウェザーコースの3戦3勝に対し、芝が4戦、2着2回、3着1回では強気になれない。
ダイナフォーマー産駒の5歳のセン馬キンダーガーデンキッドは、連闘でG3シカモアSを勝って臨んで来たが格下の感は否めない。スパニッシュステップス産駒の5歳のセン馬リトルマイクは、9ハロンのG1ターフクラシックと10ハロンのG1アーリントンミリオンを先行して勝っているが、前哨戦のG1ターフクラシック招待S5着が示すようにマイル&ハーフは長過ぎる。
イングリッシュチャンネル産駒の3歳の牡馬オプティマイザーは、8月サラトガのアローワンスと前走デラウェアパークのG3ケントSを連勝して来たが力が如何にも劣る。ダイナフォーマー産駒の4歳の牡馬ポイントオブエントリーが米国の代表格。4月キーンランドでアローワンスとG2エルクホーンSを連勝した後一息入れ、7月ベルモントパークのG1マンノウォーS、8月サラトガのG1ソードダンサーS、前走ベルモントパークのG1ジョーハーシュターフクラシック招待Sを3連勝して来た。
フランスから挑戦するシンダー産駒の4歳の牝馬シャリタは、今年ヨークシャーオークスとヴェルメイユ賞を連勝したが、前走の凱旋門賞は不良の馬場で持ち味を殺され9着と敗因がはっきりしている。前々競馬から良馬場条件に一番怖い存在となるだろう。昨年のジャパンカップでシャリタは7着、トレイルブレイザーの方が4着で先着しているが、完成度は高くゲートも5番枠と恵まれた。
ヴァルロイヤル産駒の4歳のセン馬スリムシェイディーは、前哨戦のG2ターフ選手権Sを逃げ切って来た。サンタアニタパークのマイル&ハーフはダウンヒルからのスタート、ダートコースを横切ってスタンド前から大逃げを打つと残り目も十分警戒しなければならない。11番枠からのスタートで、同型のリトルマイク(7番枠)やトレジャービーチ(4番枠)を警戒してハナに立てるかがポイントになる。
愛バリードイルのディフェンディングチャンピオン、モンジュー産駒の5歳の牡馬セントニコラスアビーは、僚馬トレジャービーチとどんな作戦で来るか興味津々。今年はコロネーションカップの連覇でG1・4勝馬となったが、前走の凱旋門賞11着はあまりにもレース内容が悪過ぎた。今年8戦目になるローテーションも気になるところ。ジャドモントインターナショナルでフランケルの3着がピークか、愛チャンピオンS3着から調子が下降気味である。
愛バリードイルのガリレオ産駒の4歳の牡馬トレジャービーチは、8月に米国に入り、アーリントンミリオン6着、前走ターフクラシック招待S2着で臨んで来た。アーリントンミリオンでは追い込みに回っての敗退、ターフクラシック招待Sではバックストレッチからハナを奪ったが、ポイントオブエントリーに軽く交わされてしまった。4番枠と恵まれ捨て身のペースメーカー役に徹するバリードイルの作戦も注意が必要だ。
ヘイローズイメージ産駒の4歳の片金馬(リジディング)ターボコンプレッサーは、7月モンマスパークのG1ユナイテッドネイションズSをペース駆けに持ち込んで逃げ切っている。前哨戦のターフ選手権Sは、1番人気に推されたものの前々から流れ込んでの2着と期待を裏切った。2番枠と恵まれたが、よほどのことがないとここでは通用しない。
以上12頭がBCターフのコンテンダーになるが、スリムシャーディーが大逃げを打ったとしても、シャリタとポエトオブエントリーが前々から抜け出して来る公算が高い。3~4コーナー中間から捲ってくるトレイルブレイザーがこれを捕えられるかが焦点になろう。セントニコラスアビーはトレジャービーチを目標にレース運びをすることになるが、大きな期待はかけたくない。
オルフェーヴルの凱旋門賞は多くのサポーターがロンシャン競馬場に押し寄せたが、トレイルブレイザーのBCターフには限られた数のサポーターしか応援に行かないようだ。昨年暮れのG1香港ヴァーズで、トレイルブレイザーは後方のまま直線追い込んだものの6着。脚を余して負けただけに、武豊騎手なら見せ場は十分作ってくれるだろう。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
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