これは強い!鞍上福永Jが何もせずゴール、オツウが楽勝!!

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土曜京都5R
2歳新馬・牝
芝1600m
勝ちタイム1.35.3

オツウ(牝2、ハーツクライ・栗東・須貝厩舎)

これは強い!鞍上福永Jが何もせずゴール、オツウが楽勝!!

かなり走るとは聞いていたオツウ。しかしその走るの意味が違う。次元が違うという勝ち方を見せてくれた。前半は中団ぐらい。坂の下りで少しは順位を上げていったが、それでも18頭の真ん中より少し前。4コーナーを廻る時には、外目をもう6頭目ぐらいまで来ていた。そして直線、何もしていないのに前の馬との差がどんどんなくなっていった。残り1ハロンからは先頭に立って行く勢いとなる。福永Jが手綱をビクとも動かさずに、そのままゴール。《馬なり》と言う業界用語がピッタリだった。それでいて2馬身半の差をつけていた。スケールの違う馬。牝馬では頂点まで行きそうな予感をさせる馬だろう・・。

牝馬限定戦はいつも満杯だ。18頭のフルゲート。内廻りだけにスタートも肝心な材料。内の方で2頭ばかり出が今一つだった。その中に2番人気のアムールポエジーがいた。ブービーの位置で最初の1ハロンを迎えた。1番人気オツウは五分のスタート。行きたい馬を行かせて、ジンワリと行こうの気持ちか。
2ハロンを23.9とゆったりとした流れで進む。逃げたのがビーマイラブピュアアイズがその後を行く。3番人気カレンバッドガールが3番手グループ。
3コーナーの坂を前2頭が馬体を併せて下っていくが、ペースは落ちついて12.3が続く。後ろの方でアムールポエジーも少しは順位を上げていた。オツウは前から8頭目ぐらいの外目だ。

4コーナーが近づくと、18頭はもっと固まってくる。カーヴに入る時にはカレンバッドボーイが前の2頭に並びかけていく。ペースが上がってきた。オツウもスーッと上がりつつある。アムールポエジーは内のポジションから中へと進路を移そうとしていた。その前のバアゼルザウバーが同じ動きをする。オツウはあっと言う間に前を行くカレンバッドガールの後ろへ取り付いてきた。残り300を過ぎた時点でカレンバッドガールは先頭となったはずである。しかしもうそのすぐ左後ろにはオツウがいた。
残り200を迎えようとした時には、オツウはカレンバッドガールの外を涼しい顔をして通過。この間のラップは11.3なのである。どの馬もステッキを入れて追っている時に、オツウの鞍上福永Jのステッキはゼッケン8番の処の腹帯にささったままで、一度も抜かれずにいた。

抜け出したオツウ。福永Jは手綱を動かさないで、最後の3完歩ぐらいを通過していった。それでいて11.6をマーク。カレンバッドガール2着。バアゼルザウバーが3着。その後ろのアムールポエジーは5着までであった。
サンデーサイレンスの特徴である顔面の流星がVにも見えるオツウ。綺麗な顔をしていそうだ。後日、福永Jに過去のどの牝馬に近いか聞いてみたいものだ。この日には同じハーツクライの子コレクターアイテム新設重賞アルテミスSをレコード勝ちした須貝厩舎。来年もまた忙しい年になりそうである・・。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。