サダムパテックが待望のG1勝利!武豊Jの騎乗が冴える!!

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日曜京都11R
マイルチャンピオンS(G1)
芝外1600m
勝ちタイム 1.32.9

サダムパテック(牡4、フジキセキ・栗東・西園厩舎)

サダムパテックが待望のG1勝利!武豊Jの騎乗が冴える!!

前日の雨に打たれて風邪を引いてしまい、残念ながら日曜は競馬場へは行けず。テレビ観戦だが声が出ないので、手が痛くなる程に叩いて応援してしまった。馬が引き上げてくる時に、G1だけは誰よりも早く握手をさせて貰っていたのだが、今回はそれも出来ず。馬場が思いのほか乾いてくれ、時計が30秒を切るまでに回復するとは。
①番枠の天命を受けた枠順を最大に生かしての騎乗。直線半ばで抜けてくる時のゴチャつき。後で電話で聞くと、むしろ被害者だよと言っていた。ここらが実際とテレビ等で見るのとは大きな違いがある。まぁ、何よりも嬉しい待望のG1勝利だ。
今まで、このマイルチャンピオンSと朝日杯2歳FSのふたつのG1を勝っていないのは誰しもが知っている。これで後ひとつ。年内に何とか達成なんて快挙があるかも知れない。それにしても、嬉しい勝利でありました・・。

火曜の朝に、坂路でも調教スタンドでもお祝いの言葉を沢山いただきました。本当に嬉しい事です。勝負が終われば同じ競馬人。勝者を称える精神は有難い事です。西園厩舎へもご挨拶に行ってきました。西園調教師は不在でしたが、厩舎の皆さんから祝福の言葉をいただき、感激でした。サダムパテックも馬房でじっとしていて元気な様子。次なる夢は、香港マイルCへまずは出走が確定して欲しい処です。
グリーンチャンネルと民放を観ても、肝心の直線300メートルあたりの左右の動きが判りません。JRAのパトロールビデオでジックリと見たのですが、内の小さな動きが、外へいく毎に大きくなっていく様子が判ります。なるほど、なるほど、だから誰も制裁なしのジャッジになったのかが判った気持ちでした。でも、グランプリボスはあの大きな不利があってクビ差まで来ていたのですから、恐ろしい力を持っているのだと、改めて相手の強さを確認した次第でした・・。

レースを振り返りましょう。シルポートの逃げは誰しもが思う処でありました。それも大逃げをと。ここらから違っていました。意外にも貯め逃げと言う型の先行で進めました。2番手にコスモセンサーとの読みも、ガルボとの前後の位置だけに想定内だったでしょう。サダムパテックをは6、7頭目の位置。その直ぐ後ろをグランプリボスがいましたが、少しだけ掛かっているのかと思える感じでした。3F35.0と、最初の入りは遅いのですが、1000メートル通過では昨年を0.4秒も上回っていたのにはビックリ。それは数字だけの印象で、今年の馬場は実にしっかりしていて、乾いてきていれば、この数字でそんなに速いとは思えないものだと言えるでしょう。

サダムパテック、グランプリボス、ドナウブルーの1、2、3着馬が坂の下りでは同じ列に位置していました。シルポートの脚色は軽快に続き、直線も最内を選んでいきます。真後ろにいたコスモセンサーが少し外へ出して、2番手を進んでいたエイシンアポロンとの間に入ります。リアルインパクトの内にいたサダムパテックが、開いていたスペースが狭くなりながらも確保していきます。ここを突破しなければ勝負にはならないと誰しもが思う処だったポイントです。あそこで引いていたら前が塞がってしまう訳で、そんな選択はないはず。そしてPVで見ると、ドミノ崩しみたいに横へその影響が出ていきました。その動きの前にいたのがドナウブルー。後ろにいたグランプリボスは、かなりの被害を受けていました。でもあの不利がありながら、あの脚を使って来るグランプリボス。地力は相当なものです。

シルポートが粘って4着。リアルインパクトも良く踏ん張って5着。内を衝ける馬場状態に回復したのが、まずは勝因。そして何よりも、枠順どおりのレースを心掛けた武豊Jの手腕。サダムパテックも、あそこがもっとスムーズだったらもっと弾けていたのではと思えます。
何よりもサダムパテックに乗せていただきましたオーナー様、西園調教師に感謝いたします。本当に嬉しい勝利となりました・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。