接戦をものにする切れ、さすがディープ産駒 ハッピーモーメントだ!!

トピックス


日曜京都5R
2歳新馬
芝外1800m
勝ちタイム1.51.3

ハッピーモーメント(牡2、ディープインパクト・栗東・角居厩舎)

接戦をものにする切れ、さすがディープ産駒 ハッピーモーメントだ!!

最後の最後にグイと出た。そんな感じのゴール前の接戦を制したのはハッピーモーメント。1週前のCWで79秒台の数字を出していたので、心配は馬場状態だけの1番人気ハッピーモーメント。しかし着差はアタマ差の辛勝でもあり、ゴール前数メートルの時にはとてものポジションと進路の取り方。よく差し切ったものと思えるほど。それだけ持てる能力がかなりあると思えるハッピーモーメントのデビュー戦であった・・。

2コーナーの引き込み線で、スタンドからはまったく見えない場所にあるゲート。映像の力は大きい。各馬がそんなに差のないスタート。そんな中からギョウショウが出て行った。サマニトップレディレッドルーラーの青い帽子が2番手。その後をカレングラスジョー、ハッピーモーメントはちょうど真ん中ぐらいの位置で前半3ハロンを通過。
3コーナーあたりでは、先頭のギョウショウは4馬身ぐらい後続を離していく。カレングラスジョーが前との差を詰めていく。後ろにいたピュクシスがハッピーモーメントを交して前に出ていく。
そして4コーナーを迎える。まだペースが速くなる前の動きであったが、ハッピーモーメントの位置が悪くなっていた。おまけにカーヴに入るあたりで前がつかえる様な感じで、ムーアJが手綱を絞る所作まで。

直線に入ってきて先頭はまだギョウショウだが、2番手カレングラスジョーが一気に仕掛けて先頭に立っていく。その外へミッキータイガーに、さらにその外へピュクシスが伸び出す。4コーナーで『間』を造ってしまったハッピーモーメントは、前にいるピンク帽のミッキータイガーとピュクシスの外へと体を向ける。出してから伸び出すが、どうも真っ直ぐに伸びている感じがしない。少しずつ外へ逃げ気味な様子。その間に、前はカレンブラックジョーがいよいよゴールが近くなっている。その内をレッドルーラーが脚を伸ばしてくる。
そしてミッキータイガーとピュクシスも伸びる。後もう少しでゴールという時に、カレンブラックジョーの伸びよりもピュクシス。そしてさらに外ハッピーモーメントの伸びが優って、アタマ差先んじてゴールに入った。

ムーアJの談話に『うまく乗れなかった』と自分のミスを恥じるものを出していた。逆にビデオを何度見ても凄い勝利と思えるもの。ここらがディープインパクト産駒の持てる資質か。最後の2ハロン、11.4~11.5である。その最後の最後を抜いてしまう切れ味。

全国リーディングを引っ張る角居厩舎。9頭2歳馬をおろして6頭が勝ち上がっている。これも凄い数字である・・。お見事!


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。