【3回中京】パッシオーネ…小平奈由木の注目新馬レポート

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注目の新馬【3回中京】
パッシオーネ
(牝2、栗東・吉田厩舎)
父:ゼンノロブロイ
母:カーリーパッション
母父:トニービン

父はゼンノロブロイ。初年度からサンテミリオン(オークス)、トレイルブレイザー(アルゼンチン共和国杯)などを輩出し、着々と勝ち鞍を伸ばしている。サンデーサイレンスの後継ながら、パワーやスタミナにも優れた産駒が多く、大レース向きの底力に富む。

母系は超名門。母カーリーパッション(その父トニービン)は1勝のみに終わったが、同馬の半兄にフラムドパシオン(5勝、UAEダービー3着)がいる。祖母ダイナカール(オークス)の産駒にはエアグルーヴ(天皇賞・秋、オークス、アドマイヤグルーヴやルーラーシップの母)、カーリーエンジェル(オレハマッテルゼの母)ら。馬主を対象に出資を募る社台オーナーズにて総額1800万円で募集された。

ノーザンファーム早来での基礎固めを経て、7月5日、NFしがらきへ。8月24日に栗東に移動すると、9月14日、2度目のチャレンジでゲート試験に合格した。スピード調教に移行したものの、まだ心身に弱さが感じられたため、10月5日、いったん牧場に戻って態勢を整え直す。その効果があり、11月1日の帰厩後はスムーズにペースアップされた。先週のウッドコースではラストまでしっかりと伸び、併走馬に先着。非凡な才能を垣間見せている。

12月1日(土)、中京の芝1400mでデビュー。鞍上は浜中俊騎手を確保している。


小平 奈由木(こだいら なゆき)
早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。
清水成駿氏の公式サイト「SUPER SELECTION」に毎週連載中の「トレセン尋ね人」や、月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判になっている。