【香港マイル】香港年度代表馬に日本馬2頭が挑む

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セレクション発表時は12頭だったが、翌日英国のレッドジャズが加わって13頭立てに変わった。

レーティングトップの124は、2シーズン連続で香港年度代表馬になったピンズ産駒の6歳セン馬アンビシャスドラゴン。三冠シリーズのスチュワーズカップ(芝1600m)とゴールドカップ(芝2000m)を制し、最終戦のチャンピオンズ&チャッターカップ(芝2400m)は2着に終わったものの、評価は年度代表馬に直結した。ドバイ遠征で7着、チャンピオンズマイルで4着。今季は初戦の香港G2シャティントロフィーをトップハンデを課せられながらも快勝したが、前走G2ジョッキークラブマイルでは1馬身半差を付けられ2着。

レーティング120は、ザール産駒の5歳の牡馬エクステンション。G1チャンピオンズマイルを2年連続で勝ったが、昨年の香港マイルは3着。今季は初戦となった前走ジョッキークラブマイルが、中団の後ろから最後は伸びたものの5着。叩かれての変わり身に期待がかかる。

レーティング119は、ハゾネット産駒の5歳セン馬グロリアスデイズ。安田記念で11着と大敗したが、前走ジョッキークラブマイルでは初ブリンカーの効果が出て1馬身半差の完勝、強いという印象を受けた。通算成績は、11戦6勝、2着4回。安田記念は特殊な馬場でもあり、それを度外視すればブリンカー効果で本格化したと考えて良さそうだ。

レーティング118は、バイロン産駒の4歳セン馬ゴードンロードバイロン。今季は既に12戦もしているが、本格化は近3走。8月ヨーク競馬場のシティーオブヨークS(芝7F)で初準重賞勝ち、9月ヘイドック競馬場のG1スプリントカップ(芝6F)に挑戦して4分の3馬身差2着、10月はフランスに遠征してG1ラフォレ賞(芝1400m)まで上り詰めたが、1400m以上の距離は未経験。

同じレーティングとなるフジキセキ産駒の4歳牡馬サダムパテックは、G1マイルチャンピオンシップを勝って臨む。レーティング117のサクラバクシンオー産駒の4歳牡馬グランプリボスは、安田記念とマイルチャンピオンシップの2着馬。3歳時はG1NHKマイルを勝ち、ロイヤルアスコットのG1セントジェームズパレスSであのフランケルと戦った馬、あの頃を思い出して欲しいものだ。

同じレーティング117は、フットステップスインザサンド産駒の5歳の牡馬ピュアチャンピオン。アイルランド時代はG3ソロナウェイS勝ちもあり、香港に移籍後はハッピーヴァレー競馬場で香港G3ジャニュアリーカップ(芝1800m)も勝っている。メンバーを見渡したところ、逃げ馬不在の様相。今季初戦のシャティントロフィーで逃げたように、ここも逃げるかも知れない。前走ジョッキークラブマイルは前々から粘って3着。

レーティング116は、メディシアン産駒の4歳牝馬になる仏国シユーマ。今季は8走、初戦の一般戦の後はなかなか勝ち切れなく、英国遠征した9月のG1サンチャリオットS(芝1M)を2番手から残りハーフハロンで先頭に立ち初重賞制覇、カナダ遠征となった10月のG1イーピーテイラーS(芝10F)も前々5番手から1ハロン残して先頭に立ち、G1連勝を飾った。フランソワーズ・ドゥーメン調教師は、かつて香港で活躍したジムアンドトニックを思い浮かべている。

レーティング115は、バラシア産駒の5歳の牡馬になる仏国ドンボスコ。既に今季は11戦して、2戦目の2月カンヌ競馬場で準重賞(芝2000m)を勝ち、8月ドーヴィル競馬場のG3ゴントービロン賞(芝2000m)と前走1日サンクルー競馬場のG3パース賞(芝1600m)を勝っている。

同じレーティングでキングマンボ産駒の4歳牡馬になる英国マスターオブハウンズ。今季は春先のドバイで5戦、G1ジェベルハッタ(芝1800m)を逃げ切り勝ちした。5ヶ月の休養の後、9月トルコに遠征してG2トプカピトロフィー(芝1600m)を2番手から制し、前走10月のG1チャンピオンS(芝10F)はフランケルの5着に終わっている。

レーティング113は、トレードフェア産駒の4歳のセン馬になる香港パッキングウィズ。G3伊2000ギニー勝馬で、イタリア時代は4勝して香港に移籍した。今季は初戦のクラス2(芝1600m)と2戦目の香港G3ササレディーズパース(芝1800m)を連勝、前走G2ジョッキークラブカップでは、直線最後方になりながらも見せ場十分の半馬身差4着した。

レーティング112は、ヨハネスブルグ産駒の5歳牡馬になる英国レッドジャズ。2010年にはG2チャレンジSを勝ったが、今季はここまで8戦して5月ヘイドック競馬場で準重賞スプリングトロフィーカップ(芝7F)を逃げ切りしただけ。10月のG2チャレンジS(芝7F)でも先行してクビ差2着に粘ったが、前走3日の準重賞ベンマーシャルS(芝1M)は前々競馬から2ハロン残して先頭に立ったものの3馬身差2着に終わっている。

レーティング111は、リダウツチョイス産駒の6歳セン馬になる地元のパッキングオーケー。今季は初戦の香港G3ナショナルデーカップ(芝1400m)で2度目のG3勝ちを飾ったが、前走ジョッキークラブマイルでは6着に終わっている。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。