【香港スプリント】カレンチャン&ロードカナロア安田厩舎2騎が世界へ

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セレクション発表メンバーから、26日、シンガポールのミスタービッグが回避を決め、代わりに地元のキャプテンスウィートが加わって14頭立ては変わりない。

レーティング118でトップに3頭が並んだ。ファルタート産駒の6歳セン馬リトルブリッジは、ロイヤルアスコットのG1キングズスタンドS(芝5F)の勝馬。今季は、スプリンターズSに遠征して10着、前走のG2ジョッキークラブスプリント(芝1200m)でも後方のまま動けず9着に終わっている。

ディフェンディングチャンピオンのドバウィ産駒の5歳セン馬ラッキーナイン。こちらはスプリンターズSであの展開から5着に入り、前走ジョッキークラブスプリントではセンターから200m残して抜け出す余裕すら感じさせる印象を与えた。キャスパー・ファウンズ調教師は、85パーセントの力しか出さないよう騎手に伝えたとコメントしたが、それが本当なら連覇も間違いないだろう。

ダルチブラーマ産駒の4歳の牡馬になるシンガポールのスーパーイージーは、デビューからシンガポールG1シンガポールギニーを含む重賞6連勝、12連勝を飾った。残念ながら10月のシンガポールG1クランジマイルはベターライフに差し切られて2着に敗れたが、マイル以下の距離では負けていない。前走は初めて香港に遠征、右廻りのジョッキークラブスプリントで6着。右廻り対策が出来たかがカギになる。

レーティング117は、クーレン産駒の9歳セン馬、昨年2着に入り大穴馬券の立役者となった地元のジョイアンドファン。香港G1チェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)を勝った後は、ドバイに遠征してG1アルクォーツスプリント(芝1000m)3着、英国遠征のロイヤルアスコットではキングズスタンドSで16着。今回はそれ以来の出走だが、調教は軽いメニューになっている。同じレーティングになるキングカメハメハ産駒の4歳の牡馬ロードカナロア、スプリンターズSの勝馬である。

レーティング116も2頭。エンコスタデラゴ産駒の5歳牡馬アドマイレーションは、4月に香港G2チェアマンズトロフィーを勝った。今季は3戦、香港G3ナショナルデーカップ(芝1400m)5着、香港G2シャティントロフィー(芝1600m)7着の後、前走ジョッキークラブスプリントは内から伸びて3着。

シンガポールのアトーは、ロイヤルアカデミー産駒の5歳牡馬。5月のG1クリスフライヤー国際スプリント勝馬で、シンガポールG3サースフィーS(芝1400m)を勝っての参戦。シンガポール馬は、右廻り対策が大事だが、4歳馬ならともかく5歳馬以上になるとなかなか順応出来ない傾向。

レーティング115は、ファストネットロック産駒の4歳牝馬になる豪州シーサイレン。秋はドゥーンベン競馬場でBTCカップ(芝1200m)とドゥーンベン10000(芝1350m)を勝ち、春はムーニーヴァレー競馬場でマニカトS(芝1200m)、G1・3勝を飾った。10日フレミントン競馬場のG1パティナックファームクラシック(芝1200m)を2着して臨む。

レーティング113は、日本のクロフネ産駒になる5歳牝馬カレンチャン。昨年はスプリンターズSを勝って臨み5着。今年は3月の高松宮記念でG1・2勝目。今年のスプリンターズSは同厩ロードカナロアの4分の3馬身差2着して臨む。

レーティング112は地元香港の2頭。シャマダル産駒の6歳セン馬リーディングシティーはクラス1勝馬、前走ジョッキークラブスプリントは7着。ミスタービッグの回避で先行馬不在となったが、先行はこの馬か。デインヒルダンサー産駒の5歳セン馬タイムアフタータイムは、クラス2までの勝鞍しかないが、前走ジョッキークラブスプリントでは後方から追い込んでラッキーナインのアタマ差2着と潜在能力の高さを見せた。

レーティング111は、ファストネットロック産駒の5歳セン馬キャプテンスウィート。5月に香港G3シャティンヴァーズ(芝1200m)を勝ったが、今季は香港G3シャティンスプリントトロフィー(芝1000m)2着、香港G2プレミアボウル(芝1200m)10着、そして前走ジョッキークラブスプリントは8着に終わっている。

レーティング109は、ゴールドキーパー産駒の7歳セン馬セリーズチェリー。今季に入りクラス1(芝1200m)で短頭差2着の後、香港G2プレミアボウルで初重賞制覇、好調子をキープして前走ジョッキークラブスプリントでも外を伸びて4着している。

レーティング108は、ピッコロ産駒の6歳セン馬フライングブルー。昨年4月に香港G2チェアマンズトロフィー(芝1600m)を勝ったが、スプリント実績は無い。昨年は香港マイルでハイペースの逃げを打ったが、ここで先行するのは難しいだろう。今季は既に4戦、ジョッキークラブスプリントでは中団の後ろから追い込んで5着。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。