黒光りの精悍なラストインパクト、楽に初戦をクリア…平林雅芳の目

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日曜京都5R
2歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.03.2

ラストインパクト(牡2、ディープインパクト・栗東・松田博厩舎)

黒光りの精悍なラストインパクト、楽に初戦をクリア

JCで東京競馬場に来ているのでTV観戦。まずはパドックで馬体をとジックリ観る。一目瞭然、他の馬と雰囲気が違う。メモに《イキイキ》と書いた。残念ながら1番人気トゥザレジェンドは毛艶とか雰囲気があまり良くは見えない。実際に観ていたらどうだったのか。しかし見立ての通り、ラストインパクトの鞍だった。トゥザレジェンドは馬の中から抜けてこなかった。芦毛のサンライズシルバーが2着で、猛追したサンライズウェイの脚が際立っていた。しかし勝ち馬は何もせずにゴールまで流しての勝利。担当もあの山口さん・・・だ。

午前中最後のレースで2000芝の新馬戦が府中であった。これを制したのがキラウエアなどを兄に持つ、ディープインパクト産駒のカミノタサハラ。514キロと、この父にしては大きく出ている。その後の京都新馬戦だったが、ここにも500キロのキョウワシコウに勝ったラストインパクトも大台近い498キロであった。
温かそうな日差しの中でのゲートイン。トゥザレジェンドの毛艶が今度は光って見える。先ほど見てた印象とエラク違っていいな~なんて、やや自戒気味に思う。

中からシルクの勝負服ラストインパクトがいいスタート。外からヤマイチパートナーが押し上げて行く。内からトミケンホッパスもいい出方である。最初のカーヴに入った。ここで内のトミケンホッパスがコーナーワークで前へ。普通ここらで外は控えてジンワリ、ユッタリの流れになっていくのだが、ここでは違った。両者譲らずで並んで先行する。決して速くはないのだが、かと言って遅くもない。そんな流れで2頭が前を行く。そこから4馬身ぐらい後ろにタイセイホーネットが内で、外にラストインパクトの2頭が並走する。また3馬身ぐらい後ろをトゥザレジェンドとサンライズシルバーが並んで行く。
そんな向こう正面過ぎに動きが出る。前の2頭がややペースを落としたのを受けて、内トゥザレジェンドが前へと出ていこうと動きだしたすぐ後に、外にいたサンライズシルバーが前へと出て行く。後ろからもトゥザルミナスが順位を上げていく。
坂の下りで、再び前2頭はややペースアップ。しかし後続も前との間隔を詰めて最終コーナーへと向かう。絶好の手応えがラストインパクト。逆にトゥザレジェンドはやや手が動き出してきていた。

カーヴを廻って直線へ向かう。先行している2頭、トミケンホッパスにヤマイチパートナーもまだ余力十分。その外へラストインパクトだが、外のサンライズシルバーがもう仕掛けて前へ前へと出たがる。その真後ろではトゥザレジェンドだが、もうひとつ反応が悪い。
追い出したラストインパクト。その傍のサンライズシルバーと後続が一瞬のうちに離れてしまった。ラストインパクトは手綱をシャクるだけで馬が前と進んでいく。それも後ろとの差を少しずつながら広げて。サンライズシルバーは良く見ると内へもたれている様子。そこを何とか矯正しながら追っている。何とか粘れるかという処へ、トゥザレジェンドのまだ後ろにいたサンライズウェイがなかなかいい脚で2着争いに加わっていった。トゥザレジェンドも少し脚を使ったゴール前だが、やっとと言った感じであった。

11.5~11.9の最後の2ハロン。数字的には少し物足りないところだが、そこをほとんど強め程度で勝ち上がったラストインパクトの鞍だった・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。