混戦からナンヨーユナが抜け出る

トピックス


土曜京都6R
3歳新馬・牝
芝1600m
勝ちタイム1.36.9

ナンヨーユナ(牝3、ジャングルポケット・栗東・松田国厩舎)

混戦からナンヨーユナが抜け出る

ゆっくりした流れで進むのはいつもの事、ここもかなりの馬が好位でジッとしていく流れ。ごった返す馬込みの外を追走していたナンヨーユナ。4角先頭から前へと出たヤマニンシェリルが抜け出したタイミングも良く、勝利かと思えたものだが、直線残り1ハロン過ぎから末脚で優り、最後は1馬身4分の3の差をつけていた。相変わらず新馬勝ちの確率の高い鞍上福永J。キッチリと結果を出すのには驚きだ・・。

パドックは極力出かけて観る事にしている。まずは馬の雰囲気。当然に毛艶。今の時期は一番見栄えの悪い時期でもある。そして返し馬を観て自分なりにメッコをつける。レースもその馬をポイントとして観ておく。この仕事がけっこう楽しい。何と言っても皆、初陣である。ラーストチカが毛艶が冴えない。

そしてゲート・オープン。ややノイの出が悪いが後はほぼ互角。そしてジンワリとしたペースで進みだす。1番人気のレネットグルーヴはけっこういいスタートを切った様だが、出た後で内へ切れ込む格好で、立て直す間に位置が中団となった模様だ。それでも前からはそう離れていない位置。内目にいる。
前半の3ハロンが36.1とかなり遅い流れ。馬群はかなり緻密だ。
坂を下っていくあたりで、前から4番手に上がったのがヤマリンシェリル。レネットグルーヴは内ラチ沿いの前から3番目。順番では9頭目ぐらいで、少し前にナンヨーユメがいる。
馬群はますますひと塊となって4コーナーへと近づく。前の列にはラーストチカの外のヤマニンシェリルがいい。その後ろで福永Jのナンヨーユメも、持ったままだ。と言うか大概の馬の手応えがいい。

ステッキが入るラーストチカの外を、ヤマニンシェリルが勢いが違う感じで前へと出て直線へ入ってきた。
残り300のオレンジ棒を過ぎ追い出すヤマニンシェリル。絶妙のタイミングと思えたのだが、1頭だけ上廻る馬がいた。やや頭の高い走りながら、福永Jの左ムチに呼応して伸び出す。
PVで福永Jのステッキを数えてみた。計6発を小刻みに使いわける。ヤマニンシェリルを交す時に最後の1発が入って利いた様子で、グンと加速した。
3着にはレネットグルーヴが、4着には最内をシンコープリンセスが伸びてきていた。

福永Jの新馬勝ち上がり率を調べた事がある。かなりの高い率を納めている。かなりの素質馬に乗っているのもあろう、しかしそれを引き出す術もある様だ・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。