-日経新春杯-平林雅芳の目

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日曜京都11R
日経新春杯(G2)
芝2400m
勝ちタイム 2.25.0

カポーティスター(牡4、ハーツクライ・栗東・矢作厩舎)

迷わず内へ、カポーティスターが鋭く伸びて重賞制覇だ!!

準オープンからの挑戦馬が7頭。ハンデ戦だけに正直どの馬でもチャンスがありそうな一戦であった。ホッコーガンバの逃げで4コーナーまで来たが、その後ろの内ラチ沿いの馬ばかりが上位独占。いつものパターンである。枠順も①②③の馬番が点灯するほどにイン有利、先行有利な流れとなった。
重賞三度目の挑戦となったカポーティスターだったが、52キロの軽量も生きて直線で矢の様な伸び。1番人気のムスカテールは終始この馬の後ろ。その差と斤量の差で伸び具合が違っていた。矢作厩舎がなかなか好調である・・。

スタート前はけっこうテラスに人が出てきていた。それでも金杯時に比べるとまだまだ隙間が見える。若いカップルが多いのはいい事だ。
トウカイパラダイスが2番手。白い帽子の2頭がすぐ続く。しかし大外からトップゾーンが上がってくる。返し馬から凄い気合い乗りで《大丈夫?》と思えるほどだった。2番手で収まる。オールザットジャズも前へと出してきて、好位の4番手でカポーティスターと並んで1コーナーを廻る。
メイショウカンパクは、ムスカテールの真後ろのインを。カフナは中団の外目で内にメイショウウズシオと並ぶ。ダコールは後方3番手で廻った。2コーナーを廻るあたりでは流れも落ち着いた様で、けっこうな縦長になる。先頭を行くのが国分優J。2番手が国分恭J。普通なら平均ペースに落としてだろうが、3番手トウカイパラダイスがけっこう前にプレッシャーをかける様に前がかりである。
向こう正面でもペースダウンした感じではなく、平均に流れている形だ。
3コーナーを廻って坂を下りだしたが、まだ動きはない。残り800を過ぎて残り600にかかるあたりで後続組がドッと動きだした。ダコールが動きだして馬群の外を中団より前へと出る。それにカフナもあわせる様に動き出す。

最終の4コーナーを廻る時には、前は国分兄弟が並ぶ。その後ろをトウカイパラダイスとオールザットジャズが2列目。その直ぐ後ろをカフナ、ダコールが一気に上がってきて直線へと向かう。すぐ後ろにメイショウウズシオの姿も見える。
真っ直ぐに全馬が見えだす。コーナーリングで内の馬が再び前へと出る。ポカッと開いた外廻りから内廻りの空間を過ぎて、内ラチが迫ってくる。
先頭のホッコーガンバの内へカポーティスターが入っていく。外へ出したトウカイパラダイスが先頭に踊り出ようかの残り1ハロン。しかし内のカポーティスターの伸び脚がいい。外ではカフナが伸びてきている。
カポーティスターの後ろを、同じ進路を通ってムスカテールが、それこそラチに沿って迫ってきている。
カポーティスターが先頭。2番手トウカイパラダイスかと思えたところを、ムスカテールがグングン伸び前に迫っていく。カフナの伸びを上廻って、カルドブレッサがもの凄い脚で猛追してくる。中をエキストラエンドが忍びよっている。
完全にカポーティスターが先頭。勝利を確信した高倉Jが、まだゴールに入っていないのにスタンドへ向けて勝利のガッツポーズ。追っていた左ステッキを大きく上へと掲げる。

メイショウカンパクが外へ出して伸びては来ていたが、ジワジワとしたもの。やはり前のインが有利な流れもあっただろうし、ハンデ面も苦しかったか。
一度も13秒台のないラップ。12.5が一番遅いラップである。平均に淡々と流れていたので好位の2,3,4番手の内で脚を貯めていた馬の上位独占となった。枠順もあろうし、前々で競馬できる優位さもあっただろう。

このカポーティスターには、神戸新聞杯時にお願いして乗せて貰った馬である。府中で勝った時の脚とか凄くいいものを持っている馬。今回は秋からリフレッシュ放牧に出されて、ケイコでもオセアニアボスを問題にしないぐらいに動きが良かった。そして52キロの軽量も生きたはず。
この前々のイン有利な流れで決着した中で注目の脚を使ったのがカルドブレッサだ。他が動いた時にも動かず、直線だけで来た脚はなかなか。どこかで面白い仕事をしそうな馬である。
4歳馬2頭がチャレンジした今年の日経新春杯。それも格上挑戦の2頭である。どうやら新旧交代は早まってくるのかも知れない。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。