-エルフィンS-平林雅芳の目

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トピックス


土曜京都10R
エルフィンS
芝外1600m
勝ちタイム 1.35.4

トーセンソレイユ(牝3、ネオユニヴァース・栗東・池江厩舎)

偉大すぎる一族、妹、トーセンソレイユが桜へと進む!!

ディープインパクトの妹、トーセンソレイユが新馬勝ちに続いてここも勝って桜戦線へ名乗りをあげた。
ハイマウンテンが1頭だけ離して逃げたが、流れはゆったり。後ろから数えた方が早いぐらいの位置にいたトーセンソレイユが、直線に入った時もとても前には届かないだろうと思える距離があった。それがどうだ!残り1ハロン過ぎて馬の中に進路を見出して、傍にいる馬を弾き飛ばして頭まで突き抜ける切れ味で2勝目、桜の出走権を掴んだ。
凄い切れ味は、まさにこの一族ならではのもの。桜の秘密兵器(もうならないか?)になりそうだ・・。

ビュイックJに過怠金50,000円。これがこのレースを示すいいポイントだろう。直線で外へ出していたら間に合わないと思える位置にいたトーセンソレイユ。すぐに馬群の中を選択。内へ少し切れ込んで突き抜けていった。その時にセトノフラッパーのすぐ傍を通過していった。接触まではしてないだろうが、かなり狭い処ではあった。川田Jが手綱を引いて立ち上がる。しかし審議はつかず。これが新しいルールの端的例だろう。降着には至らないとの判断であった。

まだあった。2着が長~い写真判定。以前は3着までが確定していなかったら、写真撮影やら表彰式は始まらなかったと思う。それが今回はその電光掲示板がまだ2,3着が《写》が点灯している間に全てが進んでいたと思う。場内のファンは『これだけ長かったら同着や~』の声が聞こえていたほど・・。

何せ、トーセンソレイユは首さしからうなじ、そして背中のラインがとってもいい。まるでディープインパクトを思い出させるというか、ゾクっとくるラインである。《走る!》と感じるものである。
でもレースではやきもきしていた。直線入り口での全体の流れと自身の位置からも《とても届くわけはないわな~》と呆れていたぐらいであった。《何という乗り方をするんや~》と心の中では非難をしていたぐらいだった。それがどうだ!ゴールではもう突き抜けて、半馬身の差までつけていたのである。
レースの上がり3Fが35.1を1秒半も上廻る33.5をマーク。この切れ味はさすがのものであった・・。

レースを振り返る。ゲートはウインプリメーラがいちばんの出。しばらくしてハイマウンテン、グッドレインボーと出てきて、その2頭が先行してウインプリメーラが3番手で1ハロンを過ぎる。2番手グッドレインボーとの差が開き始めたのが3ハロンあたり。
ここで3馬身ぐらい離す逃げを打つハイマウンテン。それでも3ハロン36.3とまったく速くない。2番手グループが5頭、そこから2馬身ぐらい離れて中団。その3番目ぐらいにトーセンソレイユがいた。ウリウリが1頭だけドンジリを追走だ。

3コーナーを過ぎ4コーナーが近づいても、ハイマウンテンと後続の差は変わらずで直線まで来る。けっこう外へ進路を取ったハイマウンテン。後続が扇形に広がる。
残り1ハロンも先頭で通過のハイマウンテン。しかし一気に差がなくなってきた。ウインプリメーラがグッドレインボーが来る。大外をウリウリも一気に加速して迫る。
その内をトーセンソレイユが伸び出す。そしてハイマウンテンとグッドレインボーの間を抜けていちばん前まで出て、ゴールでは手綱の動きを止めていたビュイックJとトーセンソレイユ。
2着は内のグッドレインボーかウインプリメーラかまったく判らない。内かディープサウスが4着、ウリウリ5着でハイマウンテンも粘って差のない6着だった。

そして審議ランプは点かず。後でビデオで見ると、トーセンソレイユはちゃんと届いているのだから何事も感じないのだが、ライブで観ている時にはトーセンソレイユの位置と、直線でウリウリの外へ出すだろうと推測していただけに、とても間に合うとは思えなかった。それがゴールでは半馬身差でちゃんと姿勢までまとめている。まるで《瞬間ワープか飛んだ!》と思えたものだった。

この一族に姫が出て、桜の香りを届けるかも知れない。そんな新たな夢が広がった瞬間でもあった・・・。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。