アルマクトゥームCR3にトレイルブレイザーが参戦

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9日、UAEドバイのメイダン競馬場で行なわれるG1アルマクトゥームチャレンジラウンド3(AW2000m)の登録馬が出ました。フルゲート16頭に21頭が登録していますが、重複登録をしている馬も10頭いますから、フルゲート内には収まりそうです。

日本からゼンノロブロイ産駒の6歳の牡馬トレイルブレイザーが参戦します。京都記念とアルゼンチン共和国杯、2つのG2勝ちがあるトレイルブレイザーは16日にドバイ入り、メイダン競馬場のタペタ馬場をこのレースで試運転、馬場適正を見た上で本番のドバイゴールドカップ、あるいはドバイシーマクラシックを使う予定にしています。

トレイルブレイザーのレーティングは119、これより上位のレーティングを取っている馬が4頭います。メンバー中126でレーティングトップは昨年のDWC勝馬モンテロッソ。ドバウィ産駒の6歳の牡馬モンテロッソは、昨年と同じローテーション(昨年4着)で臨みます。昨年7月のG1エクリプスS8着以来、中244日での初戦、ゴドルフィンも様子見といったところでしょうか。競走成績は16戦7勝、2着2回、3着1回。

ゴドルフィンは他に、伊G1ローマ賞勝馬のハンターズライト、仏G2コンセイユドパリ賞勝馬で昨年3着のプリンスビショップ、仏G2ギョームドラーノ賞勝馬サンバウドリノにもう2頭、コンディション競走3勝のカジアーノと米G3シャムS勝馬アウトオブバウンズを登録しています。ドバウィ産駒の5歳の牡馬ハンターズライトは、前走G2ラウンド2(AW1900m)で半マイル53秒4のスローペースを3番手から直線残り200mで抜け出し3馬身4分の1差で勝ちました。

ハンターズライトのレーティングは117、115のプリンスビショップはこのレースを先行して3着、115のサンバウドリノは8番手から伸びたものの4着でした。ドバイカーニバル24勝でトップを走るゴドルフィンは、今季のメイダン競馬場で初戦に2着した後3連勝中のカジアーノ(レーティング113)と米G3勝馬アウトオブバウンズ(レーティング110)を加えました。既にタペタ馬場で3戦、連闘で使ってくるとは思えませんが、個人的にはカジアーノが今季のダークホースだと思っています。

アメリカ勢はデール・ローマンズ厩舎の2頭、ドゥラハンとリトルマイクが登録しています。2頭共レーティングは123、G3ブルジナハール(AW1600m)とのダブル登録ですが、当然使ってくるでしょう。ドゥラハンは14戦3勝、その勝ち鞍全てがオールウェザーで挙げたG1レースです。タペタ馬場は初めてになりますが、その追い込みは注目に値するでしょう。対照的に先行馬のリトルマイクは、9ハロンから12ハロンの芝でターフクラシック、アーリントンミリオン、BCターフを勝ちました。米国勢は要注意です。

今季から南アフリカのマイク・デ・コック調教師に替わったG2ハードウィックS勝馬アウェイトザドーン、メイダン競馬場の初戦のG2ラウンド2は後方のまま9着に終わりましたが、前走のハンデ戦(芝2000m)は60キロを背負いながら後続に2馬身4分の3、レコードタイムの2分01秒54で勝っています。こちらはG2ドバイシティーオブゴールド(芝2410m)とのダブル登録、やはり芝のレースを使うのが自然です。

レーティング115のサイドグランスは、G1ジェベルハッタとG3ブルジナハールの重複登録。ダイオメドSとソブリンSのG3・2勝馬、G1ジェベルハッタに向かう公算が大きいでしょう。今季からデ・コック厩舎に移った愛ダービーとセクレタリアトS、G1・2勝のトレジャービーチもレーティングは115、オールウェザーは初挑戦になります。

クールモアのダディーロングレッグズも今季からデ・コック厩舎に移りました。UAEダービーとロイヤルロッジSのG2・2勝馬でレーティングは113、こちらはG3ブルジナハールとのダブル登録です。昨年のG2ラウンド2勝馬メンディップのレーティングは同じく113、今年のラウンド2は5着でした。

昨年の7着馬ハーセクのレーティングは112、今季は1600mを3回使われているようにダブル登録のG3ブルジナハールに回る公算が大きいと思われます。レーティング111のサーファーはG2ラウンド2の2着馬、2番手から残り600mで先頭に立ちましたがハンターズライトとの力の差は歴然でした。サーファーもG3ブルジナハールとのダブル登録です。

仏G3ダフニス賞勝馬ソービーューティフルのレーティングは108、G1ジェベルハッタとG3ブルジナハールにも重複登録しています。コンディション競走勝馬アンブライドルドオーシャンは前走のハンデ戦(AW1600m)を勝って来ました。レーティングは105、G3ブルジナハールとのダブル登録です。

スペインのコンディション競走5勝馬プランテイジネットのレーティングは105、1900mのハンデ戦を4着、8着、2着の後、前走のハンデ戦(AW2000m)を追い込み勝ちしています。使って来れば連闘になりますが、G2ドバイシティーオブゴールドにもダブル登録しています。

同じ105のレーティングでもう2頭、トレブルジグはジェベルアリ競馬場のダート競馬で準重賞とG3ジェベルアリマイルを連勝しましたが、メイダン競馬場のタペタ馬場では11着、5着とスピードに対応出来ません。G1ジェベルハッタとG2ドバイシティーオブゴールドとの重複登録です。ジャマーは2戦目のハンデ戦で2着していますが、グループ競走では力が足りません。

牝馬の登録は無く、全馬57キロでの出走。1着賞金24万米ドル、総賞金40万米ドルのG1レースです。

海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。