一転、二転の残り1ハロン フルーキーが最後に抜け出す!!

トピックス


土曜阪神6R
3歳新馬
芝外1600m
勝ちタイム1.37.5

フルーキー(牡3、リダヴチョイス・栗東・角居厩舎)

一転、二転の残り1ハロン フルーキーが最後に抜け出す!!

直線でも一転、二転して勝ち馬が判らない感じだったが、最後にはフルーキーが抜け出した。《偶然に、まぐれ当たりの…》なんて意味の馬名だそうだ。
逃げた馬達が1.02.0と遅いペースで行っていただけに、外を廻る馬では来れないと見ていた。ところが、4角でステッキを入れて残り300メートルまでは手応えがもうひとつだったフルーキーが、半ばではもう伸び脚がシッカリしたものとなって、最後はステッキを1発だけ入れて、強め程度の感じで勝ったものだった…。

パドックでは、少し馬っ気を出していたフルーキー。人気のナリタロックは、汗が少し目立ってもいた…。しかしパドックではどの馬がいいとも判りづらい面々であった…。
スタートで、巨体馬のビービーダンクが遅れた。スーッと出ていったのがリミックスアルバム。楽にスピードに乗っていく。ティティベンケイが内から来て並んでいくが、頭を少し振っている。我慢させて並んでの先行。内のナリタロックもすぐに好位で納める。3番手を進んでいたノードブライティアが、頭を上げて折り合いを欠いている。遅いのか…。

3ハロン手前で単独先行となったリミックスアルバム。2番手にナリタロックが上がって、ノードブライティアを並んで追走だ。3ハロン36.7で通過だ。この時点でフルーキーは後ろから2番目。ビービーダンクの半馬身前だ。その後も大きな変化はなく、残り600まで来る。そして後続組が馬群の外をグーンと順位を上げてきた。
カーヴを廻って直線に入ってきた。柵の切れ目を過ぎるあたりでは、ナリタロックが、リミックスアルバムに並んできた。その馬体の後ろに内へ入ったトウカイバイタルがいる。馬群のいちばん外にリスヴェリアートが来ている。その後ろに隠れる様にフルーキーがいた。

内廻りとの空間を過ぎてまた内にラチが出現してきた時には、リスヴェリアートが外からいい伸びを見せだしてくる。
残り300、このタイミングで、ナリタロックが追い出して先頭に立った。1ハロンで先頭、しかし直ぐにトウカイバイタルが、いや今度はリスヴェリアートだ。いやいや、フルーキーだ!!
内の馬達をのみ込む様に、シッカリとした伸び脚で差を広げだす。最後に右ムチを1発入れ、その後で後続を確認する様にチラっと観てのゴールイン。
トウカイバイタルが2着、3着リスヴェリアート。ナリタロックは4着だった。 押しなべて内有利の傾向にある中で、外から脚を伸ばして勝ったのはこの馬が初めてな様に思える。

馬名は《偶然に…。まぐれ当たりの…》だそうだが、そんな事もなく、なかなか強い競馬だったと思う。これで内有利、イン有利なコースが絶対だと思っていたイメージが崩れてしまうのか…と。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。