ティアーモ《愛してます!》と逃げ切った!!

トピックス


日曜阪神4R
3歳新馬・牝
芝外1800m
勝ちタイム1.50.7

ティアーモ(牝3、父キングカメハメハ・栗東・藤岡健厩舎)

ティアーモ、《愛してます!》と逃げ切った!!


数字では、1000メートルを1.02.3とユッタリに行けているかの様なティアーモの逃げだが、実際には2番手マコトビジャーチが、半馬身差にピタっとプレッシャーをかけて来ていた。4コーナーを廻る時も、相手の手応えが良く見えたもの。
頭は高いながらも、仕掛けて先頭をキープしていたティアーモ。残り1ハロンから、ラチにピタっと馬体を寄せて追い出す。外へ出したアサクサティアラゴールドテーラーが怒涛のごとく追い上げてきたが、クビ差先んじてゴールに入ったティアーモ。《愛しているよ~…》と叫んでいるかの様だった…。

スタートで一番人気のアニマトゥールが出遅れた。真ん中のシャッツタマモエクレールと3頭が置かれる。外めのマコトビジャーチの出が良かった。内から押してティアーモが前へと出て行く。ロードの勝負服である。やや気合を入れながら先行する感じだ。
1ハロンを13秒台をカツカツ切る様な楽な入りが出来た。内枠の馬が追走していたが、外からマコトビジャーチが2番手に上がって2ハロンを通過。1番人気アニマトゥールは馬群の中団まで上がって来ている。

3ハロンを通過する時には、1馬身のリードを保つティアーモ。2番手マコトビジャーチ。3番手最内のゴッデスオース。その後が押して上がってきたスマートエンデバービックリマーチャン。アクササティアラ、アドマイヤマリリンと続く。
800を過ぎるあたりで、今度はマコトビジャーチがさらに前へと進み、ティアーモに半馬身差まで詰めていく。むしろ行きっぷりはマコトビジャーチの方である。中団の馬群の中でゴールドテーラーの手応えが今一つ。押して押している。馬込みを嫌がっているのか…。

4コーナーを廻ってくる時には、外をアニマトゥールが上がってきているが、何か手前を替えていないのか、斜めな感じである。
先頭をキープしてきたティアーモ。時々、気合を入れる藤岡佑Jの仕草である。
内ラチが接近してきた直線の残り400。そして残り300のオレンジ棒が近づいてきたら、ゴーサインを出したティアーモ。頭は本当に高く見えるが、前へと進む。マコトビジャーチの外へアドマイヤマリリンが。その外へアニマトゥールが脚を伸ばしてきている。

残り1ハロン。何とかティアーモが先頭をキープ。しかし、むしろ今度は2番手グループの伸びが、そうみられない。内から外へ出したアサクサティアラ。その横をゴールドテーラーの2頭の伸びがいい。
ステッキを入れる度に、馬体が上へと反応している感じのティアーモ。何とか逃げ切れそうだ・・と思っている処へ、アサクサティアラとゴールドテーラーが猛然と追いこんできた。グングンと差が詰まってくる。しかし、何とか残した!残った!!ティアーモが逃げ切ってゴール。クビ差残しての勝利であった。
2着はアサクサティアラでその差がクビ。さらにクビ差でゴールドテーラーが3着。そして1馬身あいてアニマトゥール、アドマイヤマリリンと続いた…。

火曜朝に調教スタンドで藤岡健師と話をする事が出来た。頭の高さを言うと《ええ、物見をしちゃってましたね~》と言う。なるほど・・、だから頭を高くしていたのか…と納得である。《だから貯めが出来ていたのでしょう・・》とも続けてくれた。
ちゃんと馬には走るフォームにさえも理由があるのですね、と教えて貰った感じでありました…。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。