トピックスTopics
ドバイ、スーパーサタデーはゴドルフィンが大活躍
2013/3/12(火)
UAEドバイのメイダン競馬場を舞台に9日行われたスーパーサタデーは、ホスト国ドバイのゴドルフィンが4頭の勝馬を送る大活躍で、カーニバルの好調をそのまま反映した結果になった。
ドバイワールドカップ公認のトライアルレースとも言えるG1アルマクトゥームチャレンジラウンド3(AW2000m)は、ゴドルフィンのハンターズライトが2月7日に行われたG2ラウンド2(AW1900m)の快勝に続いて、今季の同距離の最速2分03秒65のタイムで、ゴドルフィンの記念のG1・200勝目を飾った。
レースは、ゴドルフィンのサンバウドリノが出走を取り消して12頭立。1枠に入ったBCターフなど芝のG1・3勝馬の米リトルマイクが飛び出したが、先行する意思はなかったようで抑える。そこへ、トレイルブレイザー、ハンターズライト、サーファー、ダディーロングレッグスも前に行き、1コーナーを廻ってダディーロングレッグスが馬群を率いる形になった。
2番手は内でリトルマイク、トレイルブレイザーも果敢に外から体を併せて併走、4番手に外からサーファー、内でハンターズライトが併走する。昨年の勝馬モンテロッソはその後ろの6番手、大外12番枠を引いたカジアーノ(この日はゴドルフィンの服色ではなく個人のシルク)は中団狙いに切り替えたものの後方11番手まで下がった。
フラクションは 25.7-49.9 これでもこの距離のペースとしては速い。更に3コーナーでリトルマイクがラチ沿いから先頭に立ってペースを上げる。トレイルブレイザーも外から2番手で追走、4コーナーでは外からサーファーも追い上げ、直線に向いた。対照的にトレイルブレイザーは手応えがなくなり、代わって内ラチ沿いからゴドルフィンの赤い帽子を付けたプリンスビショップが上がって来る。
直線残り400m、先頭はサーファーに代わった、粘るリトルマイクの内からはプリンスビショップ、4番手は外からハンターズライト、内ラチ沿いからカジアーノも追い上げている。残り300m、今度はプリンスビショップが先頭に出たが、ハンターズライトが残り200mで抜け出して優勝した。カジアーノはリトルマイクとサーファーの間を割ろうとしたが、進路が絶たれて外に出さざるを得なかった。
それでも体制を立て直して外から2馬身4分の3差2着に追い込み、クビ差でプリンスビショップが3着してスルール調教師のワンツースリー、その後ろにクビ差でサーファーが続いたが、リトルマイクは8着、モンテロッソは9着、トレイルブレイザーは10着に終わった。リトルマイクとモンテロッソの2頭には速いペースとなって末を欠く結果になったが、DWCデーの芝のレースで本来の持ち味を発揮して貰いたいものだ。
シルヴェスター・デ・ソウサ騎手で勝ったハンターズライトは、DWCを逃げ切ったドバイミレニアムの第2仔ドバウィ産駒の5歳の牡馬、昨年はヘイドックのG3、トルコのヴェリフェンディ競馬場でG2を勝ち、ロンシャンのG2ドラール賞でシリュスデゼーグルの2着した後、イタリアのカパネッレ競馬場でG1ローマ賞を勝っていた。R2とR3を勝って目下重賞3連勝、通算成績は17戦9勝、2着2回、3着2回となった。
ゴドルフィンのレーシングマネージャーのサイモン・クリスフォード氏は「ハンターズライトは素敵な馬です。彼は我々の199回目のG1を昨年11月のローマ賞で勝ちました。今夜は偉大なパフォーマンスだった。彼は今、30日のDWCを見ています」と、またモンテロッソについては「今夜の彼はとてもみすぼらしかった。願わくばもっと多くの競走が必要です」とウェッブサイトで綴っている。
この日のゴドルフィンは、UAE三冠第2レッグの準重賞アルバスタキア(AW1900m)をキャリア1戦のシークレットナンバーが勝ち、G3ブルジナハール(AW1600m)では昨年のG2ゴドルフィンマイル勝馬アフリカンストーリーが順当勝ち、最後のG1ジェベルハッタ(芝1800m)はサージャーが重賞3連勝で初のG1優勝、ゴドルフィン201勝目のG1優勝を飾った。
G1ドバイシーマクラシック(芝2410m)の前哨戦G2ドバイシティーオブゴールド(芝2410m)は 31.49-58.78-1:24.06 という超スローペースとなり、直線残り450mで先頭に立ったゴドルフィンのキャヴァリーマン、これを追うアウェイトザドーン、更にジャッカルベリーの3頭による追い比べに変わったが、ライアン・ムーア騎乗のジャッカルベリーがアウェイトザドーンに半馬身差を付けて優勝した。ジェンティルドンナにとってもスローペース対策が必要である。
2月28日のハンデ戦(AW1200m)9着に続いて、中1週でG3マハブアルシマール(AW1200m)に挑戦したファリダットは、中団5番手争いを3頭の外で争ったが、直線に入ると手応えがなくなり9着に失速した。どう見てもタペタ馬場が合っていないような印象を受けた。
ブルジナハールに回った米ドゥラハンは11着と期待を裏切る結果になった。タペタの馬場は初めてとなるが、ポリトラックのオールウェザーでは3戦3勝、全てがG1レースである。スタートで挟まれて最後方になり、直ぐラチ沿いから中団まで押し上げて3コーナーで5番手まで上がったがここまで、後はガス欠状態で後退11着に終わった。
米国2騎はキーラン・ファロン騎手が手綱を取ったが、本来の騎乗スタイルではなかった。本番では乗り慣れたジョッキーに変わるだけに、引き続き注目して行きたいものである。尚、DWCデーに組まれるG1ドバイゴールデンシャヒーン(AW1200m)に、日本のタイセイレジェンドが招待され、陣営は招待を受諾している。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
ドバイワールドカップ公認のトライアルレースとも言えるG1アルマクトゥームチャレンジラウンド3(AW2000m)は、ゴドルフィンのハンターズライトが2月7日に行われたG2ラウンド2(AW1900m)の快勝に続いて、今季の同距離の最速2分03秒65のタイムで、ゴドルフィンの記念のG1・200勝目を飾った。
レースは、ゴドルフィンのサンバウドリノが出走を取り消して12頭立。1枠に入ったBCターフなど芝のG1・3勝馬の米リトルマイクが飛び出したが、先行する意思はなかったようで抑える。そこへ、トレイルブレイザー、ハンターズライト、サーファー、ダディーロングレッグスも前に行き、1コーナーを廻ってダディーロングレッグスが馬群を率いる形になった。
2番手は内でリトルマイク、トレイルブレイザーも果敢に外から体を併せて併走、4番手に外からサーファー、内でハンターズライトが併走する。昨年の勝馬モンテロッソはその後ろの6番手、大外12番枠を引いたカジアーノ(この日はゴドルフィンの服色ではなく個人のシルク)は中団狙いに切り替えたものの後方11番手まで下がった。
フラクションは 25.7-49.9 これでもこの距離のペースとしては速い。更に3コーナーでリトルマイクがラチ沿いから先頭に立ってペースを上げる。トレイルブレイザーも外から2番手で追走、4コーナーでは外からサーファーも追い上げ、直線に向いた。対照的にトレイルブレイザーは手応えがなくなり、代わって内ラチ沿いからゴドルフィンの赤い帽子を付けたプリンスビショップが上がって来る。
直線残り400m、先頭はサーファーに代わった、粘るリトルマイクの内からはプリンスビショップ、4番手は外からハンターズライト、内ラチ沿いからカジアーノも追い上げている。残り300m、今度はプリンスビショップが先頭に出たが、ハンターズライトが残り200mで抜け出して優勝した。カジアーノはリトルマイクとサーファーの間を割ろうとしたが、進路が絶たれて外に出さざるを得なかった。
それでも体制を立て直して外から2馬身4分の3差2着に追い込み、クビ差でプリンスビショップが3着してスルール調教師のワンツースリー、その後ろにクビ差でサーファーが続いたが、リトルマイクは8着、モンテロッソは9着、トレイルブレイザーは10着に終わった。リトルマイクとモンテロッソの2頭には速いペースとなって末を欠く結果になったが、DWCデーの芝のレースで本来の持ち味を発揮して貰いたいものだ。
シルヴェスター・デ・ソウサ騎手で勝ったハンターズライトは、DWCを逃げ切ったドバイミレニアムの第2仔ドバウィ産駒の5歳の牡馬、昨年はヘイドックのG3、トルコのヴェリフェンディ競馬場でG2を勝ち、ロンシャンのG2ドラール賞でシリュスデゼーグルの2着した後、イタリアのカパネッレ競馬場でG1ローマ賞を勝っていた。R2とR3を勝って目下重賞3連勝、通算成績は17戦9勝、2着2回、3着2回となった。
ゴドルフィンのレーシングマネージャーのサイモン・クリスフォード氏は「ハンターズライトは素敵な馬です。彼は我々の199回目のG1を昨年11月のローマ賞で勝ちました。今夜は偉大なパフォーマンスだった。彼は今、30日のDWCを見ています」と、またモンテロッソについては「今夜の彼はとてもみすぼらしかった。願わくばもっと多くの競走が必要です」とウェッブサイトで綴っている。
この日のゴドルフィンは、UAE三冠第2レッグの準重賞アルバスタキア(AW1900m)をキャリア1戦のシークレットナンバーが勝ち、G3ブルジナハール(AW1600m)では昨年のG2ゴドルフィンマイル勝馬アフリカンストーリーが順当勝ち、最後のG1ジェベルハッタ(芝1800m)はサージャーが重賞3連勝で初のG1優勝、ゴドルフィン201勝目のG1優勝を飾った。
G1ドバイシーマクラシック(芝2410m)の前哨戦G2ドバイシティーオブゴールド(芝2410m)は 31.49-58.78-1:24.06 という超スローペースとなり、直線残り450mで先頭に立ったゴドルフィンのキャヴァリーマン、これを追うアウェイトザドーン、更にジャッカルベリーの3頭による追い比べに変わったが、ライアン・ムーア騎乗のジャッカルベリーがアウェイトザドーンに半馬身差を付けて優勝した。ジェンティルドンナにとってもスローペース対策が必要である。
2月28日のハンデ戦(AW1200m)9着に続いて、中1週でG3マハブアルシマール(AW1200m)に挑戦したファリダットは、中団5番手争いを3頭の外で争ったが、直線に入ると手応えがなくなり9着に失速した。どう見てもタペタ馬場が合っていないような印象を受けた。
ブルジナハールに回った米ドゥラハンは11着と期待を裏切る結果になった。タペタの馬場は初めてとなるが、ポリトラックのオールウェザーでは3戦3勝、全てがG1レースである。スタートで挟まれて最後方になり、直ぐラチ沿いから中団まで押し上げて3コーナーで5番手まで上がったがここまで、後はガス欠状態で後退11着に終わった。
米国2騎はキーラン・ファロン騎手が手綱を取ったが、本来の騎乗スタイルではなかった。本番では乗り慣れたジョッキーに変わるだけに、引き続き注目して行きたいものである。尚、DWCデーに組まれるG1ドバイゴールデンシャヒーン(AW1200m)に、日本のタイセイレジェンドが招待され、陣営は招待を受諾している。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
- すべて
- 攻略レポート
- レース
- トピックス
- インタビュー
- 2024/10/6(日) 【毎日王冠】クラシックの雪辱果たした!シックスペンスが差し切り優勝
- 2024/10/6(日) 【京都大賞典】6歳にして掴んだ栄光!シュヴァリエローズが重賞初制覇
- 2024/10/6(日) 【秋華賞】出走馬格付けバトル!G1馬2頭を差し置いてトップに立った将来の名牝候補
- 2024/10/6(日) 【毎日王冠】土曜は重賞ワンツー!最新傾向から急浮上した「馬券率100%」の2頭
- 2024/10/5(土) 【京都大賞典】1日3勝の固め打ち!土曜京都の「最新トレンド」から浮上した逆転候補
- 2024/10/5(土) 【サウジアラビアRC】魅せた豪脚!アルテヴェローチェが前をまとめて差し切り勝ち!
- 2024/10/4(金) 引退競走馬のリトレーニング【高田潤コラム】
- 2024/10/4(金) "スペシャルゲスト"として母校へ帰還!OB・OGたちとの再会【永島まなみコラム】