さすが良血馬、ラストグルーヴが初陣を飾る

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土曜阪神6R
3歳新馬
芝外1800m
勝ちタイム1.49.9

ラストグルーヴ(牝3、ディープインパクト・栗東・藤原英厩舎)

さすが良血馬、ラストグルーヴが初陣を飾る

昨年夏から始まった2010年生まれの新馬戦。3歳となった今年の芝での戦いもこれで終わり。その最後を飾ったのが、エアグルーヴの子供ラストグルーヴ。直線では、同じディープインパクトを父とするスリーベラミとの切れ味勝負をも制しての初戦勝ち。桜花賞は間に合わない時間だが、オークスは十分に行ける。ファンも1番人気に支持した様に、スターホースを待っているのだ…。

このレースを物語るのが最後3ハロンのラップ。11.6~11.4~11.9と切れ味勝負の一戦となったものだが、最後の1ハロンがほぼラストグルーヴがマークしたもの。最後の2完歩は流し気味だったのだから、凄い切れをマークしているのを証明している。
1頭取り消しがあって15頭、しかしそのうち牡馬はたった1頭。後は牝馬と珍しい組み合わせ。C.デムーロJ騎乗のナイスキャッチが先手、好発の外国産馬ハクサンナチュラルが2番手。ラストグルーヴも6番手ぐらいにつけて前半3ハロンを迎える。36.9とゆったりの入りだ。ラストグルーヴを観る形でモモイロアゲハ、スリーベラミと縦に続く。3コーナーを過ぎてスリーベラミが前と少しあがる。

4コーナーに入るあたりでは、前は3頭が並び加減。3番手だったビットビエントが先頭グループに加わる。後続馬もすぐ後ろまで迫ってきて、4コーナーを廻る。ラストグルーヴの内へモモイロアゲハが入る。スリーベラミはラストグルーヴの外へと上がる。ベストビエントが先頭となっているが、内でナイスキャッチも粘っている。
残り1ハロンを過ぎるあたりで、スリーベラミを外に連れたラストグルーヴが、前を上廻る脚色で迫って行く。スリーベラミと並んでいた時は左ステッキだったラストグルーヴの福永Jだが、前を捕えて先頭に立った時には右に持ち替えて1,2発促して残り100を通過。後はもう流し気味でゴールを過ぎて行った。

母に似てけっこう大きなストライドである。母はデビュー戦の札幌での体重が460キロの体だった。ラストグルーヴもそう変わらない456キロ。
全姉のグルヴェイグが成し遂げれなかったオークス制覇。是非ともやって欲しいものだ。夢が今日からスタートした、そんな感慨であった・・。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。