カレンブラックヒルが先頭も、最後はグランプリボスが出た!…平林雅芳の目

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13年4月21日(日)
3回京都2日目11R マイラーズC(G2)(芝1600m)


グランプリボス
(牡5、栗東・矢作厩舎)
父:サクラバクシンオー
母:ロージーミスト
母父:サンデーサイレンス

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1番人気のカレンブラックヒルが残り1ハロンから先頭に立つ。そのまま押し切ると思えた勢いとタイミングだった。外をグランプリボス、中からダノンシャーク。大外からサンレイレーザーの姿が見えだしてはきていた。しかし勢いもしっかり、さあ、もう少しでゴールという処で急に伸びを欠きだすカレンブラックヒル。
グランプリボスが最後までしっかりと伸びて勝ち、2着もその外からサンレイレーザー。ダノンシャークにも交されたカレンブラックヒル。最後のさいごに58キロの斤量が応えたであろうか。
それにしてもグランプリボス。ステッキは残り1ハロン過ぎまで。後はもう手綱を押すだけで伸びていき、最後は流し気味でのフィニッシュ。やはりG1馬の貫録であった…。

シルポートの逃げと思っていたのだが、何と押して押して先手を取ったのがタイキパーシヴァル。シルポートが2番手の思いもしなかった展開で進む。オースミスパークが3番手、向こう正面から3コーナーへと入るあたりでは、内目をクラレントがやや掛かり気味に上がる。スタートでアオって位置が後ろだったのだが、いつの間にかこの位置にまで上がってきていた。少し前にはカレンブラックヒルが順位を上げる動きをしていた。グランプリボスでちょうど真ん中、坂を下って行く。前半3ハロンは34.1だから、予想外の入りながらそう速くない入りではある。

坂を下って残り600を過ぎる。引っ張りきれないぐらいの手応えのシルポートがそろそろ前に並びかける。マジンプロスパーがその隣り。カレンブラックヒルがその二列目。すぐ後ろをダノンシャークがマーク。直後の列が内からクラレント、オセアニアボス、サンレイレーザー、グランプリボス。もう馬群はかなり密集してきた。
4角を廻って直線へと入ってきた。ここでシルポートが先頭。その外へ出したカレンブラックヒル。ダノンシャークがその内へ入ろうとする。残り300を過ぎた。もう各馬が追い始める。

シルポートを交して先頭となったカレンブラックヒル。外をグランプリボスの勢いもいい。進路が開いたダノンシャークも伸び出す。秋山Jの左ムチに応えて伸びるカレンブラックヒル。外のグランプリボスが2番手か。と、思えた途端にカレンブラックヒルは進むのを止めたみたいに伸びなくなる。グランプリボスが、浜中Jの綺麗なままのフォームでゴールへと入った。

その後を追う様にサンレイレーザーが入りダノンシャーク、カレンブラックヒルと同タイムでのゴール。2番人気クラレントは最後は前も空いたのに伸びきれず。やはりあのスタートから道中で脚を使ってしまったのが響いたのか。シルポートは、やはり先頭で自分でレースを造れないとモロイのか、3連覇はならず。
しかし流れは1200が1.09.4。1400通過が1.20.9だが、開幕週だけにそんなに速いとは思えない。最後の2ハロンが11.5~11.7と止まっていないラップだ。いわゆる淀みのない流れとなって決め脚勝負となった。

グランプリボスがいい形で今年の緒戦を飾った。2歳と3歳時にG1を勝ったが4歳時は2着どまり。今年はさらに力強くなった感じで、次なるステージが楽しみ。またカレンブラックヒルも1キロの差は大きかったはず。この布陣にまだ今年スタートラインについてない馬もいる。サダムパテックが初陣も迎えてはいない。これからますます面白くなる古馬マイル路線なのである。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。