【JDD】父子制覇クリソライトが新ダート王へ名乗り!

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7月10日(水)、大井競馬場で行われた交流Jpn1・第15回 ジャパンダートダービー(3歳、定量(重賞競走)、1着賞金:4500万円)は、道中外目の3番手を追走していた内田博幸騎手騎乗の1番人気・クリソライトが直線だけで後続を7馬身突き放しての圧勝。勝ちタイムは2.04.8(良)。

初コンビの内田博幸騎手を背に好位からレースを進めたクリソライト。道中は外目の4~5番手付近を追走し、4角では前を行く馬に並びかけて、先頭へ進出。直線に向いたところでスパートをかけると、みるみるうちに後続を引き離し、圧勝。次元の違いをみせつけるパフォーマンスで、3歳ダート王に輝いた。

「前はいつでも捉えられる、勢いがつけば止まらない、と思っていました。タメ過ぎても良くない馬。早めに動いて行こうと思いました。それでも、まさかこんなに着差がついているとはビックリしましたよ。今日は馬に勝たせてもらいました」と鞍上も驚くほどのワンサイドゲーム。

2着につけた着差は実に7馬身。そのレース振りも光ることながら、記録としても秀逸の結果だ。父のゴールドアリュールが2002年に記録したレース最大着差となる記録に並び、ジャパンダートダービー史上初の父子制覇の快挙をやってのけた。

「戦前までも強いレースをしていましたが、今後も十分、期待のできる馬。中央の砂でも、地方の砂でも関係ないでしょう。古馬と戦っても、この馬の強さをもっと引き出していきたいです」

そう語る内田博幸騎手にとっても、ジャパンダートダービー制覇は実に06年のフレンドシップ以来、7年振り。大井でのG1制覇も09年の東京大賞典以来のこと。地方時代に所属競馬場として、幾多のドラマを繰り広げたホームグラウンドだが、2011年5月には、大井での落馬で頸椎歯突起骨折。8ヶ月にも及ぶ長期療養を余儀なくされた地でもある。それでも、故郷への感謝の思いを忘れることはなかった。

「僕は15歳の時から、騎手を目指してきて、南関東、日本でトップを獲ることを目標にやってきました。大井がなければ、僕の騎手人生はありません。大井のファンはいつも暖かいですからね。地元に帰ってきて、大きなレースを勝つことができて嬉しいです」と汗を拭いながら、格別の勝利の美酒に酔いしれた。

「(8月4日の)レパードS(G3)も視野に入れていたけれど、今後は考え直さないと……」と音無秀孝調教師。そのレパードSという選択肢を含め、今後は検討されていくこととなるが、秋の最大目標は12月1日(日)のJCダート(G1)。父が成し得なかった秋のダート王の称号を目指し、クリソライトはさらなる輝きを発していく。

【音無秀孝調教師のコメント】
「レース前は初コース、ナイターなどを気にしていましたが、終わってみれば、心配することはなかったですね。前回は後ろからの競馬も、今日はしごいて4~5番手につけてくれましたからね。積極的な競馬が結果につながったと思います。
今回は全国区のレースで、全国の競馬ファンの方々に、この馬の強さをみていただくことができたと思います。父のゴールドアリュールのような馬になってほしいと思いますし、今後は状態を見つつ、JCダートを目標に検討していきたいです」