大外から一気、フラガラッハが連覇!…平林雅芳の目

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13年7月21日(日)3回中京8日目11R 第61回 中京記念(G3)(芝1600m)

フラガラッハ
(牡6、栗東・松永厩舎)
父:デュランダル
母:スキッフル
母父:トニービン


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返し馬がすんだ後、場内放送で『ベストターンアンド賞』の受賞馬の馬名が発表となった。《フラガラッハ》が選ばれた。廻りからも拍手であった。
その瞬間に勝ち馬が判った様な気がした。フラガラッハの返し馬のリズムカルな動き、何かイキイキとして2コーナーの方へと走っていった姿が印象的だったから。いつもはスタートで必ずと言っていい程に出が悪いフラガラッハが五分に出ていた。そして直線でも大外をグイグイ!と伸びていった…。

暑い、今日の名古屋はかなり暑い。湿気を含んだかの様な暑さだ。パドックで馬を見ているだけでグッタリとなりそうだ。そんな中でランリョウオーが馬っ気を出している。こんなランリョウオーは見た事がない。そしてわがファリダット。各馬が汗をかいているのに、この馬は何故か濡れた部分がいっこうに見られない。心なしか元気さもない。レースは1コーナー側の奥ポケットからのスタート。決して外枠は有利な形になっていないのだが外枠がいい。これは名古屋の芝全レースに言える事ではあるが・・。

格別スタートで安めを売った馬はいなかった。すぐにザラストロが後ろに下げる。ウインドジャズと並んで後ろからのレース。その前にフラガラッハがジワーっと下げた。ミッキードリームが一番真っ先に出た。しかしすぐに内目からドナウブルーに最内からワイズリーフレールジャックと並んで前へ出て行く。その中でドナウブルーが内田Jが手綱を絞って行かせない様にしている。4番手ミッキードリーム、その外にシャイニーホークだ。リルダヴァルと続く先行馬グループ、後ろのザラストロ、ウインドジャズの2頭以外の14頭が4、5馬身の処に固まって行く。

3コーナーのカーヴを廻って行く時にはフレールジャックが1頭で先頭、外目からシャイニーホークが上がってきて2番手となる。3コーナーと4コーナーの中間地点。だいぶ後方のザラストロも差を詰めてきている。ファリダットの隣りのフラガラッハがいい感じで進めているのが判る。
4コーナー手前で、フレールジャックが故障発生で馬群に吸収される。ドナウブルー、シャイニーホーク、ミッキードリームが押し出される様に先頭グループだ。

残り400、コーナーワークで最内をついたオセアニアボスが一瞬先頭に立った様子。しかし馬場の外目が良く伸びる。
残り1ハロン、ワイズリーか、いやその内からリルダヴァルだ!今度は外のミッキードリームか!と思った瞬間、さらに大外をフラガラッハがグイっと脚を伸ばしてきた!場内放送が『フラガラッハが連覇達成!』の声と一緒にゴールインだった。2着ミッキドーリーム、内でリルダヴァルが3着。もう一度伸びてきたかの様にドナウブルーが4着。1番人気ランリョウオーは内から伸びかけた時もあったが、最後は脚が止ったかの様な脚色であった。

嬉しいダブル受賞となったフラガラッハの担当厩務員さん。誇らしげに馬をひいておりました。これでフラガラッハは中京芝は2戦2勝。というか、このレースだけ走って連覇。実に相性のいいレースとなりました。大外枠をひいてゲートのタイミングがすぐとなるのもいいのでしょう。しかしここへピッタリと調子を合わせてくる仕上げの腕も立派。
暑い名古屋を熱くさせて、フラガラッハが連覇を飾りました…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。