フェルメッツァ、兄を上廻るデビュー勝ち!…平林雅芳の目

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13年7月20日(土)3回中京7日目5R 2歳新馬(芝1600m)

フェルメッツァ
(牡2、栗東・松永厩舎)
父:ディープインパクト
母:スキッフル
母父:トニービン


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中団の少し前に位置したフェルメッツァ。兄よりかなりの小ぶりな430キロでのデビュー戦。しかしそんな数字には感じさせない雰囲気の持ち主。直線で1番人気のレッドアルヴィスより先に動いて出て行っての勝利。そのレッドアルヴィスが半馬身差まで迫ってきたが、振り切ってのゴール。中京記念を明日に控えた土曜日、弟が兄が負けた初陣を綺麗に勝利で飾り、まずは第一歩を勝利で飾ったのだった…。

今週の新馬戦では、あちこちでディープインパクトの子供がデビューを迎える。このレースでもステファノスとフェルメッツァの牡牝の2頭が出てきた。ステファノスはレッドアルヴィスと人気を二分するほどの支持。それを追うのがフェルメッツァといった勢力図だ。

この3頭は道中も同じような位置でレースを進めた。途中から先手を取ったファーウエストだがペースはゆったりで、1000通過が1.02.5。その6,7番手をフェルメッツァ、その後ろの内目にステファノスで、レッドエルヴィスが少し後ろの外目を追走。しかし4コーナーを廻る時には団子状態で、殆どの馬にチャンスがある展開。残り400の処で4番手に上がったフェルメッツァが、前を行くマイネルアミークスの進路が定まるのを待ってからの追い出し。自身も少し内にもたれているのを矯正しながらの追い出し。すぐ後ろをレッドアルヴィスが伸びてきていたが追い比べ、切れ味比べで優って半馬身差で勝利した。

ステファノスは前の3頭から少し開いた4着。直線の残り400の時点ではレッドアルヴィスと同じような位置、内と外の差ぐらいの処にいたが伸びが違っていた感じだ。
最後の2ハロンが11.8~11.8の切れ味勝負。そこを制したフェルメッツァ。兄が日曜の中京記念の連覇へと向けての同じ週に先に勝ち名乗りをあげてと、縁起のいい勝利となった。
そうそう、武豊Jも今年の2歳馬の初勝利、それもディープインパクトの子供と何か縁を感じるもの。体は430キロと大きくないが、エンジンの良さそうな馬である。次走がはたしてどこになるのかも注目。メンバー構成的に悪くない新馬戦だったと言えるでしょう。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。