トレーニング・セール出身のベルルミエールが抜け出す!

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13年7月28日(日)2回小倉2日目5R 2歳新馬(芝1200m)

ベルルミエール
(牝2、栗東・田島厩舎)
父:スウェプトオーヴァーボード
母:フレンチビキニ
母父:サンデーサイレンス


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前を行く2頭が3ハロン通過33.4とけっこう飛ばす。先行集団が6頭ぐらいいる中でのいちばん後ろめを進むベルルミエール。3コーナー過ぎでは雨の馬達に置かれ気味となって、けっこう手が動いていたぐらい。それもそのはず、4ハロン通過45.0、1000メートルも56.6とかなりのハイペースであった。
そんな中で、決して綺麗な勝ち方ではなかったが、渋太さを見せつけての勝利。むしろ、いろんな事を経験できたデビュー戦といった感じの、ベルルミエールの初陣だった。

12.0~10.3~11.1~11.6~11.6~12.3がこのレースのラップ。3ハロン、4ハロンめと息の入らない流れとなっていて、最後が12.3とかなり時計を要した。レースを振り返るとゲートをいちばん早く出たのがテイエムセミヨン、いい感じで先頭と思えた1ハロン過ぎ、内からユウキファインがさらに前へと出た。内ラチ沿いの分で先へ出れている感じだ。テイエムセミヨンが2番手となるが引いた訳ではなく、つかず離れずの追走。時には半馬身、時にはクビ差までと前にプレッシャーをかける勢い。

その外にテイエムキュウコーも近づいて3ハロンを通過。テイエムキュウコーが一番手応えも良く、4コーナーに使づいていく。前から5頭めの外側にいたベルルミエ-ル、やや外へ逃げ気味なのか、鞍上の川島Jが左ステッキで矯正しながらカーヴへと迫っていく。
直線に入って3番手に上がっていたクリノプリムラの内から前へと抜け出していく。ステッキを小刻みに入れて、叱咤激励しながらゴールを目指す。

残り100では、もう完全に先頭に立ち勝利を確信した鞍上が、左拳で小さくガッツポーズ。2馬身半の着差は、もっともっと離していただろうと思えるものだ。だから最後の1ハロンの12.3は、止った数字ではなく追ってない時間でもあるはずだ。

トレーニング・セールで2000万近くした牝馬。今回の戦いぶりをみても、早熟といった感じの内容ではないだけに、まだまだ上積みは十分にあるはず。馬体も450キロとまずまずある方。これからが楽しみな牝馬であろう…。

そして小倉1週目の新馬戦が終ったが、九州産の新馬戦も一般戦の新馬戦も勝ち馬は牝馬。そしておしなべて2着馬との差が2馬身半。土曜のホウライアキコの1.07.8はかなり速い時計。でも2歳戦でまだまだレコードが出てしまいそうな馬場コンディションでもある。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。