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バクシンオーの子供、ベルカントが楽勝!…平林2歳観戦記
2013/8/6(火)
13年8月3日(土)2回小倉3日目5R 2歳新馬・牝(芝1200m)
ベルカント
(牝2、栗東・角田厩舎)
父:サクラバクシンオー
母:セレブラール
母父:ボストンハーバー
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1.5倍の圧倒的人気のベルカント。ゲートが開いた瞬間は一番前にいなくてほとんどの馬が前にいた。おおよそ想像もつかなかった位置、出遅れ気味のスタートとなった。どうなるかと思ったのだが、その後の二の脚が速く、内からスルスルと前へ出て行き、1ハロンまでに先頭を奪う。後はマイペースでスイスイ。それでも前半3ハロンを33.7のハイラップと、見た目以上の速さ。武豊Jは残り100の時点でオーロラビジョンで後ろを確認する程の余裕。それでも5馬身差をつけての初陣であった…。
2着に追い込んできたハッピーロングランの末脚が33.9と、メンバー中最速の脚である。それでも5馬身の差があった。だからいかにベルカントが千切ったのかが判るもの。それも4コーナーまではそんなに離していない行きっぷり。直線に入ってから何もしてないのに後続との差が開いていったもの。ラスト1ハロン過ぎてもまだ追わず。残り100を過ぎて、後続を確認して流してのゴール。まずはダメージのない初戦で終えた。角田師は《これで最後の小倉2歳Sへ行けます》と安堵の顔であった・・。
一番内で良かった~、そんな印象をビデオを観ながら思う。小倉の1200芝のゲートは2コーナーの引き込み線にある。スタートしてから10メートルもあるかの処まで、白い縄でその内側へ行かぬ様にロープが張ってある。その後は空間が向こう正面まで続く。そして内ラチへと引っつく様に接近していくのであろう。
随分とその空間を利用して一番前へと出ていったベルカント。もちろん二の脚が速いからでもある。それでもホウライアキコがレコードで勝った時が、最初の入りが12.3で次が10.7である。このベルカントが遅いスタートから刻んでいったラップが12.0~10.5と、ホウライアキコの時の2ハロンをも上廻る。
1000通過は両方とも56.4。違うのは、追い出しての最後の1ハロンの差。しかしベルカントも流していただけである。
注目したいのは2,3着馬。ハッピーロングランは出てからがモタモタしていてまったく行かない前半、4角手前ではステッキを入れながらの追走。だから外を廻る余裕もなかった道中。直線に入った時は前から8、9頭の内目。そこから思い切り外へ出しての追いだしだ。さらにステッキで促すといい切れ味。最後は流し気味でのゴールであった。
3着のアップカレントも、最初はあまりいい位置でなかったが、押して5番手ぐらいにつけていく。けっこうな速い流れを脚を使って行っている分もあるのか、直線ではやや外へ膨れ気味。それを矯正しながらの追い方。その差が最後に出たのかも知れない。
もっとも、勝ったベルカントでも4コーナーへ向っていくあたりで少し外へ膨れ気味になっているのを、鞍上が小さく矯正している。スタートのモロさと道中の速さ、そしてその外へ膨れ気味な分、最後はそう追ってないのを計算すると、ちょっと楽しみな馬の出現かも知れません。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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