先行有利な馬場、ハンターローズが2番手から伸びる!…平林2歳観戦記

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13年8月4日(日)2回小倉4日目5R 2歳新馬(芝1800m)

ハンターバローズ
(牡2、栗東・藤沢厩舎)
父:シンボリクリスエス
母:テンザンビーナス
母父:サンデーサイレンス


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逃げたカッサイが1000を1.04.8のスローで行く。その2番手を進んだハンターバローズが、直線1ハロンから終い脚を伸ばしての勝利。その割には上がり3ハロンが35.0とかかったのも功を奏した様だ。前が止まらない馬場コンディションも良かった…。

スタンド前のスタート。人気のエイシンエルヴィンレッドカイザーは出もあまり良くなかったし、出てからのダッシュ力もなく後方からとなる。二の脚で先手を取って行ったのがカッサイ。ハンターバローズもスタート自体は早くなかったが、すぐに2番手に取りつく。外からフミノスナイパーが3番手に上がり、ワクワクカンヲが4番手。外枠の馬が前へと出てきた。

1800の新馬戦だけにジワっとした流れ。最初のカーヴを廻るあたりで、もうペースは落ち着きだす。エイシンエルヴィンは後ろから4頭めの外、レッドカイザーはブービーの内目、かなりの密集して一団となっていく。新馬だけに無謀な動きはあまりなく、向こう正面でレッドカイザーが少し順位を上げようとした時に、すぐ前のフジノゴールドが外を同じ様に動いていった。それでも前に6頭がいるすぐ後ろぐらいまで。ペースはまだ一向に上がらない。そして馬群は3コーナーを過ぎていく。

少しだけペースは上がる。前の馬達が重なっていく。エイシンエルヴィンがステッキを入れながら前へと促すが、上がれてない。4角手前で前はカッサイ、ハンターバローズ、そしてフミノスナイパー、少し遅れてワクワクカンヲとなり、その後ろの列にプロクリス、エイシンエルヴィン、フジノゴールドと密集しだしてくる。

直線に入ってきた。カッサイの外、半馬身のところをハンターバローズがいい手応えである。少し後続との差が開いた、と言ってもまだ1馬身ぐらいの差。
残り200のハロン棒を通過。追い出したハンターバローズ。武豊Jの左ステッキが馬のお尻に入る。内カッサイと、間にプロクリスが入って前を伺いだす。交される脚色ではないが、ゴールまで何があるか判らない。固唾を飲んで見守る。外をワクワクカンヲとエイシンエルヴィンも急追してきた。クビ・アタマ・クビ・クビの差で5頭がなだれ込んだ。しかし先頭はハンターバローズだとしっかり確認できた。
最後の2ハロンが11.4~11.6と完全に上がりの競馬になった。逃げたカッサイのペースに乗れたハンターバローズが、巧く凌ぎきったレースでありました。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。