<インタビュー>厩舎初重賞勝利へフォーエバーマーク「一丸となって」

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函館SSで3着、アイビスSDで2着とサマースプリントシリーズの安定株・フォーエバーマークが再び函館へ矛先を向け、キーンランドC(G3)に挑む。美浦の新進気鋭の調教師である矢野英一厩舎において、出世株ともいえるスプリンターが、念願の厩舎初重賞勝利をもたらすことができるのか?シリーズを占う上でも、厩舎にとっても、重要な一戦となりそうだ。

●条件は問わないタイプ

-:それでは、矢野英一厩舎の田子広野調教助手にフォーエバーマークについてのコメントを頂きたいと思います。よろしくお願いします。

田子広野調教助手:よろしくお願いします。

-:2歳から3歳にかけて活躍して、古馬を相手にしてもコンスタントに活躍すると思いましたけれど、一時期不振に陥ったと思います。そこから復調気配をみせてきた要因は考えられますか。

田:去年の夏から函館で2連勝して、今年もまた春のオーシャンS辺りから動かして。

-:オーシャンSの敗退(10着)は休み明けでしょうか。

田:それもあったんでしょうね。それで、福島民友カップと函館スプリントSと。

-:去年とほぼ同じようなローテーションで行って、崩れていないということは、馬がしっかりしてきたと。

田:そうですね。

-:前走のアイビスサマーダッシュは、ハクサンムーン相手に真っ向勝負の2着でした。枠の差ですかね、あれは。

田:どうですかね。ジョッキーもスタート出て徐々に外に出してくれて。枠の差というか、勝った馬が強かったですよね。枠の差がなくてもどうだったかな、とは思う部分もあります。

-:もし、それを差し引きしなくても、相当馬は力をつけていますよね。

田:そうですね。3着以下をだいぶ離してくれていたので。頑張ってくれました。

-:2走前の函館スプリントSはマイペースで、緩いペースに持ち込んで、パドトロワに押し切られたじゃないですか。キーンランドカップはそのメンバーとの再戦になりますけど、手応えは。

田:函館の1200mは良い競馬をしていますからね。ここのところも3着、2着と、悔しい競馬が続いているので、なんとかここで勝ってほしいなと思っています。

-:賞金を加算したいのもあるし、タイトルを獲らせてあげたいですね。

田:タイトル獲らせてあげたいですね。うちの厩舎自身も重賞勝ちはまだなので。

-:では、厩舎一丸で臨むキーンランドカップなわけですね。この馬の理想とする条件は?展開だったり、ペースだったり、馬場だったり、コースの回りとか、その辺のベストな条件はなんでしょう。

田:直線競馬もよかったですからね。函館も走っていますしね。ポンと出て前々で競馬を運んでくれれば、粘るんですよ。流れで粘るというか。東京の1400mでも勝っていますし、坂がダメという訳ではないんですよね。

-:短いところで、自分のペースで行ければ、あまり問わないと。

田:そうですね。

-:今週末は天気が崩れるかもしれない、という話ですが、レースの際に天気の影響などは大丈夫な馬ですか。

田:そうですね。特に大丈夫だとは思います。いきなりカッとしたり、乗り難しいところはちょっとあるんですけれど、天気に関しては大丈夫だと思います。

-:カッとなるのはきっかけはなんですか。

田:周りの馬が暴れるというか、バタバタしたりすると。

-:それは牝馬特有の。

田:そうですね。やっぱり、スピードがあって力もある馬なので、コントロールが難しいところはあります。



●“4F”追いは矢野英一厩舎のスタイル

-:この前のアイビスサマーダッシュも、結局不利な内枠から外へ行く競馬でした。2走前の輸送のない函館と、新潟では馬体重は大きな差がなかったと思うんですけれど、調整はしやすいタイプですか。

田:そうなんでしょうね。

-:夏に調子を上げるタイプですか。

田:そうですね。前回もアイビスサマーダッシュを使った後、体の戻りも早かったので、やっぱり夏はいいのかもしれないですね。

-:追い切りは、コースで4F程度の調整が主体だと思うんですけれど、決して調教量が多いとは言いがたいのですが、この馬の調教のテーマとか、スタイルなどはありますか。

田:うちは、結構半マイルが多いですからね。4F。

-:厩舎全体としても、そのスタイルを確立していると。

田:そうですね。

-:それによって掛かる馬への負荷などは、どういったところがありますか。

田:半マイルでも終いをしっかり動かすし、終わってからもコーナーまで、ずっとちゃんと動かすので、時計は半マイルになっていますけれど、しっかり動かしているとは思うんですよね。

-:なるほど。ゴールでおしまい、じゃなくて。

田:終わってからもしっかり動かす調教なので。

-:結構馬には気を抜かさない調教をしているということですね。今回は調整場所がトレセンとは違う函館競馬場になるじゃないですか。キツい負荷を掛けづらいとは思うんですけれど、その辺の、滞在の環境というか、トレセンとの違いとか、少し変えているようなところはありますか。

田:いや、特にはないですね。いつものフォーエバーマークのやり方というか、スタイルで。角馬場調整を普段して、速いところを馬場で走ってという。去年もこっちにいましたし、函館スプリントSの時も1ヶ月くらいこっちにいたので、馬も場所はわかっていますし、慣れたものだと思います。

-:飼い食いなどは美浦と函館では変わってきますか。

田:いや、そんなに変わらないですね、この子は。

-:今日(8/16)はコースに出しますか。

田:今日は調教師から角馬場の調整の指示を受けています。明日少しコースで速いところをやって、日曜日に少し動かして、来週の追い切りです。

-:キーンランドカップは、厩舎一丸となってタイトル奪取を目指したいですね。

田:そうですね。なんとか取りたいですね。

-:あと10日余りになりましたけれど、調整の方を頑張ってください。ありがとうございました。