新馬戦を制したオールステイ(牡2、栗東･矢作厩舎)は、8月31日(土)に行われる札幌2歳S(G3)を予定している。

デビュー戦では、序盤からハナを主張すると、直線で後続に並びかけられるも、そこから突き放して快勝。今回と同じ函館･芝1800mだっただけに、コース経験は強み。叔父には今年の京都記念を制したトーセンラーがいる良血馬だ。

｢前走を勝ち切れたのは大きいね。父Cape Crossでどちらかと言うとヨーロッパ的な、日本のサンデー系の切れ味を考えたら、キレる感じではないと思ったので、少し強引でもジョッキーには前に行くように指示をしたんです。それと北海道の芝1800の新馬は速くなる事は無いからね｣と矢作芳人調教師は笑顔で振り返る。

28日はレースでも騎乗する吉田隼人騎手を背に函館のWコースで追い切り。3歳未勝利の併走馬を0.7秒差から追走すると、鞍上が手綱を緩めただけで、0.6秒突き放しての先着。マル外らしいパワフルな走りで、5F66.9-52.5-38.5-12.9秒をマークした。

その前走が状態が完調手前だったというオールステイ。師はこう語る。｢やはり上積みは結構大きい。函館に夕方入れして15日ギリギリで届かせた。実質14日で、その競馬で勝てたのだから、そういう意味では上積みは大きいと思います｣。

また、コース経験は一歩リードも、気になるのは当時と異なる重い馬場だろう。

｢パンパンの馬場でのスピード競馬では厳しいと思うので、時計のかかる馬場自体はむしろ良いと思いますね。ただし、トビが大きいので、これ以上雨が降ったらどうだろう。
先週、函館で勝ったバンデは典型的なヨーロッパ血統だから、ああいう馬場が向いたけれど、日本の芝にも合うと思って買ってきてるので、この馬はそこまでではないからね。それでも、もし、有力馬が苦にするのであれば、それほどうちのは苦にしないと思う。道悪に関してはわからないけれどね｣未知数ながらも、大荒れにならなければ、プラスといえそうだ。

｢この馬の魅力は馬体と血統。前走は相手が来た分だけ、また伸びた感じ。今回は先行脚質の馬が多そうだけれども、ハナに行くつもりでいます｣と積極的を示唆の今回。期せずして、週末は雨予報の札幌2歳S。持ち前のタフさを活かした競馬で上位を脅かす。