平林雅芳の2歳戦回顧

トピックス

日曜阪神1R
2歳未勝利
ダ1800m
勝ちタイム1.56.1


勝ち馬:セトノメジャー(牡2、栗東・浅見厩舎・古川騎手)

殆どの馬が初ダート。しかも未知数の距離1800m。
だが北海道帰りのゴールドアリュール産駒のセトノメジャーが並ばせない逃げ切り劇で勝ち名乗りをあげた。

12頭立ての外目の枠だったセトノメジャーだがスタートを切って行く気満々。
最初のカーブではもう先頭に立って主導権を握る。
結局そのまま後続を引き連れての逃げ。
ゴール前はそんなに追っていない完勝劇であった。
1000m通過が1.04.4とマイペースで影を踏ませぬ堂々の逃げ切り。
4コーナーで追い上げた後続が半馬身後ろまでが一番の接近であった。
2着は道中内2番手グループの外目を進んだウイントランザムが伸びて外から追い上げてきたメイショウエバモアを頭差退けて粘った。


日曜阪神2R
2歳未勝利
芝1400m
勝ちタイム1.22.6


勝ち馬:メイショウタフ(牡2、栗東・南井厩舎・和田騎手)

1Rに引き続き南井厩舎がここも1番人気に応えてメイシィウタフが2戦目で勝ちあがった。
リンドシェーバーの大型馬が2戦目でキッチリと絞れて待望の勝利をものにした。

最内枠のシゲルイエヤスが先手、2番枠のラブソネットがそれを追いかける形になって後続を離す流れ。
前半3Fを33.9、4Fを45.7だからかなり早い流れ。
3コーナー過ぎでは6馬身ぐらいもあっただろう。
4番手ぐらいの内ラチ沿いを追走していたメイショウタフが直線で止まり出した前の2頭の横に出して最後は少し外へフラつきながらも勝利。
2着には道中ブービーで戦団の一番後ろ(1頭離れた馬が居たので詳しくはブービー)ながら道中は内々を進んでたライブリフライトが直線で外からいい伸びを見せたが惜しくも2着。
3着は直線で前が狭くなって進路を3度ばかり変更せざるを得なかったアスカクリチャンが3着であった。
4着には早い流れを演出したラブソネットが離されたが粘っていた。


日曜阪神5R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.50.9


勝ち馬:サクラエルドール(牡2、栗東・友道厩舎・福永騎手)

ケイコでなかなかにいい時計を出している好仕上がりの一番人気のサクラエルドールが順当に力を発揮しての初陣を飾った。

ゲートが開いて一番先に前に出ていたサクラエルドール。
しばらく先頭であったが後続グループが徐々に前へ出てきて好位でのレースとなる。
前に4頭ほど置いてのポジションとなった。
終始その位置でレースをして4コーナーを廻り直線に入ってから外に出て、ラスト1ハロン手前あたりからの追い出し。
しっかりした足取りで真っ直ぐに伸びて着差以上の内容だった。
ステッキはその追い出す瞬間に1、2発入れた程度で最後は手綱を押しただけの勝利。

逃げたバンブーヴィーナスが1.03.8とゆったりしたペースを造っての上がり勝負。
勝ったサクラエルドールはメンバー中最速の上がりで勝ち上がった。
レースぶりの上手い馬と言えよう。
2着にはグランドチャペル。
サクラの前でレースしていたが4コーナー手前では鞍上の手が一番動いていたが渋とい感じの馬でそのまま伸びていた。

勝ったサクラエルドールはパドックでもゆったりとした歩きでありなかなかの好センスな馬体。
次が楽しみな内容で勝ち上がった。


日曜阪神8R
野路菊S
芝1800m
勝ちタイム1.47.2


勝ち馬:リルダヴァル(牡2、栗東・池江郎厩舎・武豊騎手)

ディープインパクトの姉の子供で新馬勝ちも圧勝だったリルダヴァルの2戦目はどんなレースぶりをしてくれるのか大勢のファンが見つめるなかでのものだった。
直線での走りはちょっとその気にさせる走りであった。
嬉しい馬が出てきた、そんな感じであった。

圧倒的人気のリルダヴァルだがゲートの出は良くない。
ゲートが開いた瞬間はブービーの位置。
だがそれからがすっと無理なく前に付いて行けている。
3コーナーではもう中団の真ん中。先頭からそう差のない位置でありしかも馬の中でのポジション。
デビュー戦でもそうだったが馬ごみもまったく問題にしない。
逃げた福永Jの造ったペースはゆったりで1000m通過が1.01.5。
1200m通過も1.13.7とかなり遅い。
そんなペースの中でもリルダヴァルはかかるそぶりも見せずに折り合いもバッチリ。
直線に向いて前がさっと開けたら後は真っ直ぐに伸びるだけ、そんなレースぶりであった。

直線半ばのラスト200mのハロン棒手前あたりでステッキを一度入れてゴーサインを出しただけ。
4コーナー手前にある後3Fのハロン棒からのラップは11.3~11.0~11.2。
そこをほとんど追う処なし。
ゴール前あたりで手前を替えたぐらいでまだ幼さがある走り。
引き上げてきた武豊Jが『凄い!』とひと言が全て物語っているだろう。
ちょっとワクワクする馬のようだ。

逃げた福永Jのタイセイワイルドが3着。
2番手を進んだコスモファントムが粘るタイセイワイルドを交わして2着。
リルダヴァルの上がり3Fの決め脚は33.2。
スローな流れだけに当然の数字ではあるがリルダヴァルはレースにうまく乗っていける馬の印象をデビュー戦以上に強く感じたレース後であった。
早くも次走がどこになるのか楽しみなである。


月曜阪神1R
2歳未勝利
芝1800m
勝ちタイム1.49.1


勝ち馬:ヒットジャポット(牡2、栗東・領家厩舎・武豊騎手)

北海道帰りの馬に新潟デビューの馬。
そして小倉で1800mを経験した馬らで14頭もの出走をみた朝一番のレース。
ヒットジャポットが好発から2番手を進み、直線先に抜け出して追いすがったラブリマステラの猛追をクビ差退けて初勝利をあげた。

真っ先にゲートを飛び出したヒットジャポットは、逃げたヤマニンシャスールの2番手。
1000m通過が1.01.2と平均ペースでの先行。
3コーナー過ぎには少し後ろを3馬身ぐらい離す逃げ。

しかし、直線に入りヒットジャポットがじわっと前に出てラスト1ハロンから抜け出す。
2着には3コーナーでは後ろから2頭目を進んでいたラブリマステラだったが4コーナー手前あたりで前に追いつく。
しかし、道中ステッキで矯正しながらのあがり方。
決していい感じで上がってきていた訳ではないが、直線残り1Fあたりではかなりの伸びをみせて一瞬は外から前に出ていたヒットジャポットを交しそうな勢い。
ただ、最後は馬自身が遊んでしまった様子でかわしきれず。

3着には、中団の馬の中で進めていたローザミスティカが、直線では少し前が狭くなり内へ切り替えてからの追い出し。
前が開いてからはいい伸びをみせていた。
1番人気のマコトヴォイジャーは道中好位の外目につけていたが追い出されてからジリジリとした伸びだった。

勝ったヒットジャポットは、この日は10キロ増という発表だったものの重め感はなかった。
前でレースが出きる優位さをフルに生かした勝ち方。
楽な手応えの割に、追い出してからそう鋭く伸びてないのが不満だが、待望の初勝利を挙げた。


月曜阪神3R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.22.3


勝ち馬:スズカベラミー(牝2、栗東・橋田厩舎・武豊騎手)

圧倒的な人気を集めたスズカベラミー。
スピードタップリと聞いていたが予想通りの逃げ切り劇であった。
一時は後続をかなり離しての逃げ。
終ってみれば4馬身だったがまったくの楽勝となった。

ロケットスタートというほどではなかったが、すっとゲートが開いたら一番前に居た、そんな感じのスタート。
そこから何にもせずに前へと出て行く。
もう1頭の人気馬タイガーバローズはゲートの出が悪く対照的なゲートの出であった。

スズカベラミーが3コーナー手前でもう後続と少し差が出てしまった。
2番手エンカレッジング、3番手リッカタキシードが続くが4馬身ぐらいはあろうかと思えるほど。
3コーナーを過ぎて後続が離れ、ここらで場内がドッとどよめく。
4コーナーも後ろの足音が聞こえないぐらいの差で回ってきて直線に入り、ラスト1ハロンでは後続馬に8馬身ぐらいもあっただろうか。

最後は4馬身とだいぶ縮まったが最後はほとんど追ってない感じで流し気味のゴール。
最後の1ハロンが13.0とかかっているので良く判ると思う。
前半3Fが34.3/4Fが46.0。そして5F通過が57.8。
1200m通過で1.09.3。
有り余るスピードに圧倒されたひとり旅のレースであった。

2着には、中団の外目に位置したペンネアラビアータが直線で大外から伸びてキープ。
3着には、前へ行って粘っていたクラシックアートが直線では外へ逃げ気味ながら何とかキープ。
4着に前が開かずで辛抱せざるを得なかったタガノシンシアがいい伸びを見せた。
タイガーバローズはゲートが悪かったが、早めに前にとりつき内の5番手ぐらいを進んだものの、4コーナー手前では鞍上の手が動く行きっぷりの悪さ。
最後も反応悪くて巻き返しならなかった。
ケイコの動きからはもう少しやれると思ったが・・。

スピードがあり過ぎるスズカベラミー。
サイレンススズカの再来かとレース後にはアチコチでそんな声が聞こえたが、それはちょっと過剰評価。
今後は距離などの課題をクリアしなければならない。この日の完勝に関しては楽しみな馬には間違いないが。


月曜阪神4R
2歳新馬
ダ1200m
勝ちタイム1.14.9


勝ち馬:クレイジードライブ(牡2、栗東・牧浦厩舎・武豊騎手)

あまり調教をやってないクレイジードライブが圧倒的人気になってちょっと心配したが、終ってみれば時計面で恵まれた感も幸先のいいスタートとなった。
牧浦厩舎は今年デビューの新人調教師。
地方交流ですでに初勝利をあげているがJRAの競馬場ではこれが初勝利。
そしてオーナーも初勝利となったようだ。

ゲートを出て外へクレイジードライブがよれたように見えた。
後でパトロールビデオで確認すると、隣のホープフルボーイが寄って外へ出たためにそれを避ける動きをしたようだ。

逃げたタイセイグリッターの2番手の外目を進んだクレイジードライブ。
前半3Fが36.6とゆったりとした流れである。
同じく前々で、クレイジードライブの内側を進んでいたテイエムジャパンが、4コーナーで逃げたタイセイグリッターの外に並びかけて前に出てラスト1ハロンから先頭。
それを追いかけるクライジードライブ。
ラスト1ハロン過ぎてから追い出したクレイジードライブだが、半馬身捕らえて前に出たところがゴールだった。

あまり調教の本数もやってないクレイジードライブであるが馬体は悪くないもの。
グランドスラム(父ゴーンウエスト)の血。
488キロとまだ余裕ある体。これからの馬であろう。まずは初陣を飾った事を素直に祝福したい。