記者が潜入!三浦皇成騎手共同会見

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スプリンターズステークスに出走予定のキンシャサノキセキに騎乗する三浦皇成騎手の公開インタビューに潜入しました。


キンシャサノキセキと初コンビを組みますが、これまでどのようなイメージを持っていましたか?

「普段からお世話になっている堀先生の厩舎の馬ですし、気にかけてずっと見ていました。
去年の北海道からずっと見ていて、折り合いに苦労したり、気持ちの面で凄く難しい馬なのかな、と。
ただ、気持ちをコントロール出来て上手くいけば終いも良い脚を使っていて、能力の高い馬だと思っていました」


実際に調教で乗ってみて、能力の高さは実感出来ましたか?

「あんまり調教で凄く動くという事はないと聞いていましたけど、
そう聞いていた以上の感触だったので、やっぱり能力は確かなのかな、と改めて感じました」


今朝の追い切りではどのような指示がありましたか?

「競馬をイメージした追い切りの指示でした。
やっぱり久々の競馬っていうのもありますし、今までも折り合いに課題があって気持ちの面が難しいので、
抜け出してからソラを使ったりだとか、いろいろそういうのを聞いたうえで調教に跨りました。
追い切りの内容も、僕がそういう特徴を把握出来るような内容にしてくださいました」


ポリトラックで3頭併せでしたが、折り合いはどうでしたか?

「やっぱり折り合いが難しいと言われるだけあって、そういう雰囲気はあったんですけど、
ここまで戦ってきているだけあって凄く賢い馬ですし、馬の後ろに入れたら折り合いも付きましたし、
折り合いの面に関しては申し分なかったんじゃないかな、と思います」


折り合いについての心配は無くなった、と。

「いや、調教と競馬は違いますけど、そういう雰囲気はある馬なんで、競馬は十分に気をつけて行きたいな、と思います。
今日も折り合いばかり気にして乗った訳でもないですし、今日はそんなに苦労するような事が無かったので大丈夫じゃないかな、と思います」


並んでから内からあっという間に抜けて行きましたが、あの瞬発力はさすがですね。

「やっぱり重賞を勝っているだけの事はありますし、能力は抜けていますね」

手応えはどのように感じられましたか?

「事前に聞いていた不安を全て忘れさせてくれるくらい、動きが凄くフレッシュでした。
抜け出してからもステッキを使う事もなく、むしろ追う必要がないくらいでした」


追い切り後、堀調教師とはどんなお話をされたんでしょうか?

「このまま競馬が上手く行ってくれればいいな、というお話でした。
あとはトレセンと競馬場でのテンションの違いだとかを、僕が瞬時に感じ取れるようにしたいです。
やっぱりここまでずっと戦ってきて気難しい、という馬は次に戦っても間違いなく気難しいと思うので、
あとは僕がどれだけリード出来るかにかかっていると思います。馬自体は申し分ない状態なので、あとは僕次第だと思います」


舞台は中山の芝1200mですが、思い描いてるところを教えていただきたいんですが。

「思い描いているのは、ゴール板を1着で通過する事だけです。
ただやっぱり、これから先のある馬だと思っていますし、目標はここだけではないと思っているので、この先に繋がる競馬が出来たらいいと思っています」


昨年は岩田騎手が騎乗して7番手からレースを進めましたが、三浦騎手はある程度「こう乗りたい」というイメージはありますか?

「ちょっとゲートがワンテンポ遅いというのは聞いていましたけど、
今日ゲートに行った感じではそういうのを感じさせないくらい、ゲートも速かったです。
出た感じの位置取りで、あとは馬にプレッシャーなく、
4コーナーから直線に向くまでリラックスして走ってくれる位置だったらどこでも良いと思っています。
そこまで誘導するのが、一番重要な部分だと思います。
あとはもう最後は馬の力を信じて、馬とレース中対話出来るように、それだけを心がけていこうかな、と思っています」


馬の力をフルに発揮させるだけ、と。

「もうそれしかないですね。能力は高い馬ですから、フルに発揮させる事が出来れば、十分チャンスはあるんじゃないかと思います」

勝ちますとキンシャサノキセキは待望のG1初制覇。
そして、三浦騎手自身もデビュー最速、最年少でのG1制覇という記録がかかっていますがいかがでしょう?

「意識していないと言ったら嘘になりますけど、あまり意識はしたくないですけどね。
どうしても意識せざるを得ない状態にはなってくるとは思うんで、そこは欲を出していかなきゃいけないなと思っていますが、
第一には自分の事より馬の事を考えていかなきゃいけないので、まずは自分の事よりも次に繋がる競馬をしてあげたいな、と思います」


外国馬もいますし、春のスプリント王も出てきますけど、相手は関係ありませんか?

「この馬だけだと思います。この馬と僕の駆け引きだと思っていますので、
馬がフルに力を出してくれれば相手の問題ではないと思っています。
あとは休み明けの部分で馬の状態がどこまで戻っているのかという事ですね。
今まで僕も跨った事が無いので分からないですけど、僕はそこに期待するしかないです」


続きまして、イギリス遠征についてもお聞きしたいのですが、
当初は調教だけで、レースはどうかなというお話でしたが、行ってすぐに騎乗が決まりましたね。

「本当にビックリしましたね。
海外でレースに乗るのは難しいと聞いていましたし、ましてやイギリスは騎乗依頼が来るだけでも大変だという話を聞いていました。
まさか行ってすぐに騎乗依頼をいただけるとは思っていませんでしたから、凄く感謝しています」


初騎乗初勝利。
8頭立ての2800mというレースでしたが、初勝利の味はいかがでしたか?

「日本では初騎乗初勝利とはならなかったんで、そういう意味では海外では達成出来て良かったです。
あとはどこの国で勝っても嬉しいのは一緒ですし、どこの国で乗っても競馬は競馬というか、そんなに大きな違いはないなと感じました」


終わってみれば、20戦して2勝。
かなり収穫はあったと思いますが、どの点が大きく違ったところでしたか?

「基本的なところは全て一緒だと思いました。
競馬だけじゃなく、普段の作業から一日中馬と接する生活でしたけど、やっぱりどこの国に行っても馬に携わっているという事は、
世界共通というか、馬を思う気持ちなんかも同じなんだというのが分かって、凄くホッとした部分もありました。
違うところといえば、日本は数少ない競馬場の中でやっていますけど、イギリスは凄くたくさんの競馬場がありました。
僕もたくさん乗せていただいたんですけど、まだ全体の5分の1にも満たないですから。
それだけイギリスにはいろんな競馬場があって、いろんな経験が出来るのかなと思いました。
やっぱり日本のジョッキーは凄いレベルが高いんだな、というのをイギリスに行って改めて感じましたし、
日本の馬もレベルが高いんだなというのも感じました。
そういう意味では、イギリスの良さも分かって日本の良さも再認識できました」


3週間の武者修行で確実にひとつステップアップ出来たな、と実感はありますか?

「自分の中では、ひとつふたつみっつとステップアップ出来たんじゃないかな、と思っています。
あとは自分が思っているだけではしょうがないので、日本の競馬は3週間空けましたから、
これからファンや関係者の方にも自分の競馬を見せていかなきゃいけないと思っています。
やっぱり自分がイギリスに行って何を得たか、どれだけステップアップ出来たかというのは、
周りの方が判断してくれる事だと思っているので、僕は自分の競馬をするだけですし、
海外遠征が無駄にならないように、皆さんの期待に応えられれば良いなと思っています」

尚のこと、秋競馬に力が入りますね。

「そうですね。1年目もそうですし、2年目でも経験出来ないような事をたくさんさせていただいているので、
先輩たちに負けないように頑張らなきゃいけないと思っていますし、
もっと自分をアピールしていかなきゃいけないなと思っていますので、アピール出来るように頑張っていきたいと思います」

それでは、待ちわびた三浦皇成ファンに向けてアピールをお願いします。

「イギリスに行きましたけど、日本が大好きです。
日本の競馬でどんどん見せていかなきゃいけないと思っています。
3週間日本の競馬を休んでしまいましたから、それ以上に僕の騎乗を見せていけるように頑張りますのでよろしくお願いいたします」



三浦 皇成
(みうら こうせい)
1989年12月19日生まれ
[初免許年] 2008年
[所属] 美浦・河野 通文
[初騎乗] 2008年3月1日2回中山1日目1R モエレロングラン (6着/16頭)
[初勝利] 2008年3月1日2回中山1日目10R フェニコーン
[今年度成績] 630戦64勝
[生涯成績] 1413戦155勝

キンシャサノキセキ
(牡6、美浦・堀厩舎)
父:Fuji Kiseki
母:Keltshaan
母父:Pleasant Colony
近親:グルームダンサー
通算成績:21戦6勝
重賞勝利:08年函館スプリントS(G3)