弾けたショウナンラグーン!恩師のラストシーズンに捧げる一勝

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●5月3日(祝・土) 2回東京3日目11R 第21回 青葉賞(G2)(芝2400m)

出走メンバー中、重賞ウィナーが一頭のみ。日本ダービーの優先出走権を懸けた熾烈な争いは、10番人気の1勝馬・ショウナンラグーン(牡3、美浦・大久洋厩舎)が激走。競馬の祭典への優先出走権を手にした。
末脚は確実であったが、6戦して僅か1勝のみ。勝ち味に遅い面をみせていたショウナンラグーンだったが、この日も終いに懸けるスタイルは崩さずに、ゆったりとしたペースの中を後方から追走。じっくりと構えた。

「終いに良い脚を使えるのは分かっていましたし、2400mは初めてだったので、折り合いに気を付けて乗りました。上手く折り合いが付きましたし、直線で前があいたときに、いつものように伸びてくれ、と思って追い出しました」

こう吉田豊騎手は振り返ったが、直線で1番人気のワールドインパクトが内から早めに抜け出すところを、慌てず馬場の外目に出すと、そこからスパート。ゴール手前でライバルをとらえ、これまでの惜敗が嘘のような鮮やかな差し切りで、重賞初タイトルとなった。

これでホースマンの大目標である日本ダービーへの優先出走権を獲得。来年2月を持って、引退となる大久保洋吉調教師にとっては、最後のダービー挑戦が叶うことに。
デビューから騎手人生21年目を迎えた今も、厩舎所属一筋である吉田豊騎手にとって、師への孝行となる一勝。それも、師弟にとってゆかりのメジロドーベルの孫である血統馬で成し遂げるのだから、ドラマを感じさせる。

「所属している大久保厩舎が最後の年ですし、“何とかダービーに出られれば、”と思っていたので、権利を取れて良かったです。最後はこの馬らしい伸びを見せてくれたと思います。大久保先生と一緒に出られるダービーは最後になりますし、悔いの残らないレースをしたいです」

“孝行息子”はダービーでの健闘を力強く誓ったが、当代きっての師弟コンビのキャリアを懸けた最後の挑戦から、まだまだ目が離せない。