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スリーロールスが大輪の菊花を咲かす!/平林雅芳の目
2009/10/27(火)
日曜京都11R
菊花賞(JpnⅠ)
芝3000m
勝ちタイム3.03.5
勝ち馬:スリーロールス(牡3、栗東・武宏厩舎)
■ダンスインザダーク産駒のワンツー!スリーロールスが大輪の菊花を咲かす!
逃げたのは、やはりリーチザクラウン。
後もう少しでゴールのところまで先頭キープも、最後は5着であった。
道中3、4番手の最内で脚を貯めたスリーロールスが、直線残り1F過ぎで、最内から前のリーチザクラウンの外ヤマニンウイスカーとの間を抜けて先頭に踊り出た。
完全に楽勝の勢いだったのにそこから外へ斜行してしまって一瞬ヒヤリとしたが、後ろから来ていたフォゲッタブルが内へ並ぶとまた伸びだして、ハナ差の辛勝ながら優勝。
浜中Jに初のGⅠ勝ちをプレゼントしたスリーロールスは、あの伝説の新馬戦出走馬で4着。
リーチザクラウンより先にGⅠ優勝馬の仲間入りをした。
これであのレースからはクラシック4冠、GⅠも5勝目と凄い実績を残した訳で、ますます伝説の新馬戦として名を残すことだろう・・・。
場内がかなり混んできて、パドックへ行っても頭越しにしか見れないと判断、ならば馬場入場をジックリと見てやれと陣取った。
誘導馬の前にキングバンブーが一番先に馬場入り。
そしてアンライバルド、その後にリーチザクラウンが入ってきたが、1コーナーの方へと向いて遠ざかって行ってしまった。
それからしばらくして、凛々しい誘導馬たちの後に続々と第70回菊花賞の出走馬たちが馬場に入ってきた。
だが大方の馬がすぐに左へと馬首を向け、返し馬をして去って行ってしまった。
大勢のファンの前にちゃんと姿を見せに歩いてきたのは、①スリーロールス、③フォゲッタブルに⑪セイクリットバレー、そしてたった1頭の牝馬⑮ポルカマズルカだけ。
ゆっくりといつもどおりにオーロラビジョンの前まで来て、それから静かに返し馬で1コーナーへと向かって行ったのが、スリーロールスにフォゲッタブル。特にフォゲッタブルの以前と違って威風堂々としている姿には、正直驚いた。
まるで別馬の様相で、何かしら大きな仕事をしてしまいそうな予感さえ思わせるものだった。その後数分後に、まさかの結末が待っているとは・・・・。
3コーナーの坂に向かう地点に、菊3000メートルのスタートゲートがある。
まるで肉眼では捕らえきれない場所だ。
目の前のウイナーズサークルでは、大合奏のGⅠファンファーレが鳴り響き、場内の大歓声と共にゲートが開いた。
最内のスリーロールスが一番真っ先にゲートを出て行ったが、やはりリーチザクラウンが出て行った。
最初の坂を下って4コーナーへ向かうあたりで、先頭から4、5頭目のアンライバルドにあんなアクシデントがあったことは後で知った。
4コーナーを廻って1周目のゴール板を通り過ぎて行った。
リーチザクラウンが少し後続を引き離す逃げとなってきて、場内放送で『1000通過が60秒を少し切ったぐらい』とアナウンスがあった。
『けっこう掛かり気味に行っているんだな』と判った。
アントニオバローズが2番手、ヤマニンウイスカーが3番手を進んでいて、その後ろにスリーロールスが付けていた。
向う正面に入って、リーチザクラウンと2番手アントニオバローズとの差が相当に開いてきた。
オーロラビジョンが先頭から隊列を映し出していくと、後ろでもかなり掛かり気味になっている馬がいる中で、スリーロールスはまだ鞍上が位置を下げるぐらいの仕草で、手綱をかなり引いており、その後ろにいるフォゲッタブルとも抜群の手応えのように見えた。
3コーナーへ向かうあたりで、場内放送の『2000メートルは2分03秒台、この間の1000でだいぶペースを下げました』といったアナウンスが聞こえた。
離し気味だったリーチザクラウンの逃げだったが、少し脚を貯めたのか後続との差がだいぶ縮まってきている。
そして3コーナーの二度目の坂を下っていった。
まだまだリーチザクラウンの手応えは悪くなっていない。
凝縮し出した後続を引き連れて、最後のカーブを曲がって直線へと入ってきた。
4コーナーを廻って生垣を過ぎて、一番内に進路をとったリーチザクラウン。
2番手にはヤマニンウイスカーが上がっている。
アントニオバローズは、坂の下りで失速気味に下がって行っていた。
そのヤマニンの後ろから、スリーロールスがさらに一番内を通って付いてくる。
そして残り1ハロン手前あたりでさらに前へと伸びだし、スルスルと前のリーチザクラウンを交わして先頭に踊り出てきた。
内でまだ粘るリーチザクラウン。
ヤマニンウイスカーの外からフォゲッタブルが一気に前へと出て、スリーロールスを追って行った。
そのスリーロールスは、一旦内目で先頭に踊り出たはずなのに、外へ外へと膨れてしまい進路がかなり変更されていた。
だいぶ外へと出て行ってしまったが、幸い後ろから来ていた馬がいなくて事なきを得た。
猛追してきたフォゲッタブルは、スリーロールスの内へ入れての追い合いとなった。
内フォゲッタブルに外スリーロールスの叩き合いとなったゴール前、僅かに外スリーロールスが態勢有利のままゴールインしたのが見えた。
その後直ぐに、浜中Jが大きなアクションで雄たけびを上げていた。
微差の勝利ながら、自分自身にはハッキリと勝利が判ったのだろう。
その後ろは、少し離れた3着に伸びたのはセイウンワンダー。
粘るリーチザクラウンをゴール寸前イコピコが交わして4着。
関東馬は軒並み出番がなかったようだ。
そしてアンライバルド。
今日は随分前に位置しているなと思ったが、最初の下りであんなアクシデントがあったとは知らなかった。
ごった返す検量室前、勝利オーナーの永井ご夫婦も、大勢に囲まれて確定を待っていた。
その後ろで、ハナ差の大接戦をしたフォゲッタブルの金子オーナーご夫妻もおられた。
馬場入りの時の堂々たる雰囲気に感じ行ってしまった私であり、失礼ながら声をかけてしまった。
やはり、パドックから素晴らしい感じだったフォゲッタブルは、秋になって変わったという実感を思っておられた様子。
あの返し馬で、大勢のスタンド前の観客の前に出てきてユックリとダクを踏んで、それから返し馬に移っていったスリーロールスとフォゲッタブル。
ここらに今回の菊花賞の行方がハッキリと表れていたのではないだろうか。
長距離だからこそ、血統も当然に影響する。
菊花賞だからこそ、ダンスインザダークの血が踊るのも確かだろう。
また、あの落ち着き払った精神面。
1、2着の馬が、まさしくそんな雰囲気を持っていたのには驚きであり、やはりと思えた。
スリーロールスが、ゴール前で外へ逃げたのはまだまだ若いということだろう。
でも、ここで後続馬がどっと来ていなかったのも、強運以外の何ものでもない。
逃げたリーチザクラウンは、前半にコントロールが利かなく、けっこうなペースで行ってしまっていた。
それでもこの粘りだから、能力は十二分にある。
まだ未冠だが、近い将来に戴冠も達成されるものだろう。
そしてセイウンワンダー。
あの流れで、かなり鞍上が苦労するほどの行きっぷりだった。
皐月賞、菊花賞と3着止まりだが、若さを見せていてもこの内容この着順。
まだまだ馬の人生は長いのだから、楽しみには違いない。
今年の3冠もこれで終ったが、三つとも違ったドラマを見させて戴きました。
そんな感慨深い男馬のクラシック3戦でありました・・・。
菊花賞(JpnⅠ)
芝3000m
勝ちタイム3.03.5
勝ち馬:スリーロールス(牡3、栗東・武宏厩舎)
■ダンスインザダーク産駒のワンツー!スリーロールスが大輪の菊花を咲かす!
逃げたのは、やはりリーチザクラウン。
後もう少しでゴールのところまで先頭キープも、最後は5着であった。
道中3、4番手の最内で脚を貯めたスリーロールスが、直線残り1F過ぎで、最内から前のリーチザクラウンの外ヤマニンウイスカーとの間を抜けて先頭に踊り出た。
完全に楽勝の勢いだったのにそこから外へ斜行してしまって一瞬ヒヤリとしたが、後ろから来ていたフォゲッタブルが内へ並ぶとまた伸びだして、ハナ差の辛勝ながら優勝。
浜中Jに初のGⅠ勝ちをプレゼントしたスリーロールスは、あの伝説の新馬戦出走馬で4着。
リーチザクラウンより先にGⅠ優勝馬の仲間入りをした。
これであのレースからはクラシック4冠、GⅠも5勝目と凄い実績を残した訳で、ますます伝説の新馬戦として名を残すことだろう・・・。
場内がかなり混んできて、パドックへ行っても頭越しにしか見れないと判断、ならば馬場入場をジックリと見てやれと陣取った。
誘導馬の前にキングバンブーが一番先に馬場入り。
そしてアンライバルド、その後にリーチザクラウンが入ってきたが、1コーナーの方へと向いて遠ざかって行ってしまった。
それからしばらくして、凛々しい誘導馬たちの後に続々と第70回菊花賞の出走馬たちが馬場に入ってきた。
だが大方の馬がすぐに左へと馬首を向け、返し馬をして去って行ってしまった。
大勢のファンの前にちゃんと姿を見せに歩いてきたのは、①スリーロールス、③フォゲッタブルに⑪セイクリットバレー、そしてたった1頭の牝馬⑮ポルカマズルカだけ。
ゆっくりといつもどおりにオーロラビジョンの前まで来て、それから静かに返し馬で1コーナーへと向かって行ったのが、スリーロールスにフォゲッタブル。特にフォゲッタブルの以前と違って威風堂々としている姿には、正直驚いた。
まるで別馬の様相で、何かしら大きな仕事をしてしまいそうな予感さえ思わせるものだった。その後数分後に、まさかの結末が待っているとは・・・・。
3コーナーの坂に向かう地点に、菊3000メートルのスタートゲートがある。
まるで肉眼では捕らえきれない場所だ。
目の前のウイナーズサークルでは、大合奏のGⅠファンファーレが鳴り響き、場内の大歓声と共にゲートが開いた。
最内のスリーロールスが一番真っ先にゲートを出て行ったが、やはりリーチザクラウンが出て行った。
最初の坂を下って4コーナーへ向かうあたりで、先頭から4、5頭目のアンライバルドにあんなアクシデントがあったことは後で知った。
4コーナーを廻って1周目のゴール板を通り過ぎて行った。
リーチザクラウンが少し後続を引き離す逃げとなってきて、場内放送で『1000通過が60秒を少し切ったぐらい』とアナウンスがあった。
『けっこう掛かり気味に行っているんだな』と判った。
アントニオバローズが2番手、ヤマニンウイスカーが3番手を進んでいて、その後ろにスリーロールスが付けていた。
向う正面に入って、リーチザクラウンと2番手アントニオバローズとの差が相当に開いてきた。
オーロラビジョンが先頭から隊列を映し出していくと、後ろでもかなり掛かり気味になっている馬がいる中で、スリーロールスはまだ鞍上が位置を下げるぐらいの仕草で、手綱をかなり引いており、その後ろにいるフォゲッタブルとも抜群の手応えのように見えた。
3コーナーへ向かうあたりで、場内放送の『2000メートルは2分03秒台、この間の1000でだいぶペースを下げました』といったアナウンスが聞こえた。
離し気味だったリーチザクラウンの逃げだったが、少し脚を貯めたのか後続との差がだいぶ縮まってきている。
そして3コーナーの二度目の坂を下っていった。
まだまだリーチザクラウンの手応えは悪くなっていない。
凝縮し出した後続を引き連れて、最後のカーブを曲がって直線へと入ってきた。
4コーナーを廻って生垣を過ぎて、一番内に進路をとったリーチザクラウン。
2番手にはヤマニンウイスカーが上がっている。
アントニオバローズは、坂の下りで失速気味に下がって行っていた。
そのヤマニンの後ろから、スリーロールスがさらに一番内を通って付いてくる。
そして残り1ハロン手前あたりでさらに前へと伸びだし、スルスルと前のリーチザクラウンを交わして先頭に踊り出てきた。
内でまだ粘るリーチザクラウン。
ヤマニンウイスカーの外からフォゲッタブルが一気に前へと出て、スリーロールスを追って行った。
そのスリーロールスは、一旦内目で先頭に踊り出たはずなのに、外へ外へと膨れてしまい進路がかなり変更されていた。
だいぶ外へと出て行ってしまったが、幸い後ろから来ていた馬がいなくて事なきを得た。
猛追してきたフォゲッタブルは、スリーロールスの内へ入れての追い合いとなった。
内フォゲッタブルに外スリーロールスの叩き合いとなったゴール前、僅かに外スリーロールスが態勢有利のままゴールインしたのが見えた。
その後直ぐに、浜中Jが大きなアクションで雄たけびを上げていた。
微差の勝利ながら、自分自身にはハッキリと勝利が判ったのだろう。
その後ろは、少し離れた3着に伸びたのはセイウンワンダー。
粘るリーチザクラウンをゴール寸前イコピコが交わして4着。
関東馬は軒並み出番がなかったようだ。
そしてアンライバルド。
今日は随分前に位置しているなと思ったが、最初の下りであんなアクシデントがあったとは知らなかった。
ごった返す検量室前、勝利オーナーの永井ご夫婦も、大勢に囲まれて確定を待っていた。
その後ろで、ハナ差の大接戦をしたフォゲッタブルの金子オーナーご夫妻もおられた。
馬場入りの時の堂々たる雰囲気に感じ行ってしまった私であり、失礼ながら声をかけてしまった。
やはり、パドックから素晴らしい感じだったフォゲッタブルは、秋になって変わったという実感を思っておられた様子。
あの返し馬で、大勢のスタンド前の観客の前に出てきてユックリとダクを踏んで、それから返し馬に移っていったスリーロールスとフォゲッタブル。
ここらに今回の菊花賞の行方がハッキリと表れていたのではないだろうか。
長距離だからこそ、血統も当然に影響する。
菊花賞だからこそ、ダンスインザダークの血が踊るのも確かだろう。
また、あの落ち着き払った精神面。
1、2着の馬が、まさしくそんな雰囲気を持っていたのには驚きであり、やはりと思えた。
スリーロールスが、ゴール前で外へ逃げたのはまだまだ若いということだろう。
でも、ここで後続馬がどっと来ていなかったのも、強運以外の何ものでもない。
逃げたリーチザクラウンは、前半にコントロールが利かなく、けっこうなペースで行ってしまっていた。
それでもこの粘りだから、能力は十二分にある。
まだ未冠だが、近い将来に戴冠も達成されるものだろう。
そしてセイウンワンダー。
あの流れで、かなり鞍上が苦労するほどの行きっぷりだった。
皐月賞、菊花賞と3着止まりだが、若さを見せていてもこの内容この着順。
まだまだ馬の人生は長いのだから、楽しみには違いない。
今年の3冠もこれで終ったが、三つとも違ったドラマを見させて戴きました。
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