母の無念を背負い ディアデラマドレいざG1へ!

●10月18日(土) 4回東京4日目11R 第62回 府中牝馬S(G2)(芝1800m)

G1を見据えた乙女たちの戦い、府中牝馬Sを制したのはディアデラマドレ(牝4、栗東・角居厩舎)。混戦のゴール前から鋭く抜け出し、外から迫るスマートレイアーを半馬身差振り切った。上がり3Fはメンバー最速タイとなる33秒2をマーク。

序盤は後方2番手の位置取りとなったものの「リズム良く運ぶことに専念しようと考えていました。ゲートをポンと出ましたし、位置取りは後ろでも無理に下げることもなく、スムーズに追走できましたね」と藤岡康太騎手が振り返ったように、内ラチ沿いで落ち着いたレースぶりを披露。直線ではゴチャつく内を避け、最小限のロスで外へとパートナーを誘導した手綱さばきも光った。

3歳春から活躍し、G1戦線を沸かせた母ディアデラノビアとは異なり、3歳時は1000万クラスを突破するのみに留まったディアデラマドレ。しかし、今年は夏に格上挑戦となったマーメイドSを制し、今回で重賞2勝目。4歳秋を迎えて、良血馬がいよいよ本物となってきたか。「最後はよく伸び、なんとか凌いでくれました。レベルの高い相手に勝てて、成長を感じますね」と昨秋からコンビを組み続けてきた藤岡康騎手も愛馬の走りに目を細める。

奇しくも、今日の府中牝馬Sは母が2度出走し、いずれも惜敗に終わった因縁のレース。母の無念を一つ晴らした今、次なる目標はもちろん、母が届かなかったG1制覇だ。「広い東京で結果が出ましたので、距離が2200mに延びるエリザベス女王杯でも楽しみです」と鞍上も大舞台を強く意識。昨年は9着と壁に跳ね返された地でのリベンジへ、そして母の夢を叶える準備は整った。

ディアデラマドレ