【ヴィクトリアM】パンドラ高野師決意「是が非でも結果を」

5月17日(日)に行われるヴィクトリアマイル(G1)の最終追い切りが、栗東トレセンにて行われた。
出走予定のショウナンパンドラ(牝4、栗東・高野厩舎)を管理する高野友和調教師の一問一答は以下の通り。

●疲れはみせたが、3歳時よりも成長

-:まずは大阪杯を振り返っていただきたいのですが、エリザベス女王杯以来の久々で、不良馬場での競馬でした。レースを振り返っていかがでしたか?

高:仕上がりとしては、久々を感じさせないレベルに仕上がっていたと思うのですが、メンバーが強いことは想定内も、あの天気・馬場は想定外でした。多少の渋った馬場はこなせると思いますが、あれほど悪くなるとキツかったというのが正直なところですね。

-:ああいった馬場でレースを終えて、ダメージ、疲労はどうでしたか?

高:疲れて戻ったところはありましたね。自分のイメージでは大阪杯を使って、間髪いれずにグッと良くなることを予想していましたが、多少の疲れを残して戻ってきたので、疲れをとる必要があるな、というところでした。

-:疲れはあったとのことですが、一度、レースを使ったことでの変わり身、上積みはいかがでしょうか?

高:牧場の方とも協力していただいて、疲れをとることに時間を割いたのですが、スイッチさえ入れば上向くだろうと思っていた通り、今は大丈夫かと思います。

-:体の面では大阪杯が自己最高体重の452キロということでした。成長はありましたか?

高:上背は3歳の時より大きくなったと思いますし、筋肉のボリュームが増えているので、その分の体重増かと思います。この中間も減ること無く、カイバ食いも素晴らしいです。筋肉のボリュームは前走を維持か、それ以上になることもありそうですね。

-:そして、レースに向けて、まずは2週前の追い切り内容から教えてください。

高:2週前もそうでしたが、キッチリと追い切りができる状況になったので、ウチの中でも(追い切りで)かなり動く馬を併走馬に用意して、併せ馬で追い切りました。追いかける形で最後の1ハロンはキッチリ追うよう指示をしましたが、理想的にいい負荷をかけられたかと思います。

-:今日の最終調整、坂路2本目に54秒0という追い切りでした。どういったことに主眼を置かれての追い切りだったのでしょうか?

高:1週前追いを終わった後も元気よく、順調に調整してこられました。それは追い切りだけでなく、普通キャンターもかなり良くなっていましたからね。今日は目一杯の負荷は必要がないと思ったので、ウチのスタッフが騎乗して、坂路を単走で追い切りました。昨日の台風の影響で馬場が悪いことも予想されたので、そんなにムリせずいいよ、と伝えて、上がり重点の内容でしたね。

●今後の馬生のためにも欲しい一勝

-:エルフィンS以来のマイル戦ということで、調教で工夫されたことはありますか?

高:「調教で」ということは特にはないですね。東京のマイルでG1ともなれば、中距離をこなすくらいの馬が走る舞台だと認識しています。対応面であれば前走の大阪杯のスタートで、次がマイルということで出してくれたところもあります。

-:東京ということですが、東京コースでは以前にウィリアムズ騎手が騎乗したカーネーションCで2着でした。コースへの対応はいかがでしょうか?

高:東京は馬の底力が問われるコースですからね。この馬はG1を勝っているように、底力がある馬ですから。こなせるコースであると思いますし、ウィリアムズが乗った時は大きく出遅れて、前半でリズムに乗れませんでしたからね。それで最後に差されて2着に終わったのですが、スタートには自信があります。ポンと出て、リズムよくいけるのではないかと思います。

-:今、この馬の良さを伝えるとしたら、どういった風にファンに伝えますか?

高:ディープインパクト産駒らしい可動域の大きい動きをします。トモもよく踏み込むし、前脚も肩から前に出る、柔軟性のある走りがあります。それが一番の強みと思いますが、それに伴う筋肉や心肺機能もだんだんとついてきているかなと思います。

-:タイトルを獲った馬ですから、注目を集めると思います。レースに向けての抱負をお願いします。

高:パンドラでG1を勝たせていただきましたが、今後の競走生活だけでなくて、その後の馬生を考えると、よりタイトルを増して、パンドラの価値を高めていきたいと思います。ここは是が非でも結果を出したいですね。