59キロでも2馬身差 昨年より強いベストウォーリア!!

ベストウォーリア

15年7月12日(日)3回4日目11R 第20回プロキオンS(G3)(ダ1400m)

ベストウォーリア
(牡5、栗東・石坂厩舎)
父:Majestic Warrior
母:Flirtatious Miss
母父:Mr. Greeley

プロキオンS(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒

中京のダート戦は、ほとんどが前々で決着する。4角で外々を廻ってくる馬と内を小さく廻る馬では、一瞬でかなりの差が出る。まして先行する馬が粘っこい馬ばかり。ラスト50mからは、内ラチ沿いを伸びる馬ばかりの決着。判っていても差し馬を買う者は、最初から外れ馬券を買っている様なものだった…。
それにしても、ベストウォーリアの強さである。59キロと昨年よりも3キロ増。それでいて、昨年のタイムをコンマ1秒縮めて楽勝してみせた。まだ5歳の夏、マイルあたりでこれからもますます活躍しそう…だ。


逃げてしぶといのはコーリンベリーと、誰でも判っている。しかし時にゲートで立ち遅れたりをして痛い目にあっているファンは、もしかしてと考えてしまう。かく言う私が、それである。展開の読みが変ってしまうのを嫌う。
だがそんな戯言を気にすることなく、スンナリと先手を取っていくコーリンベリー。とてつもなく速い出ではないが、無難なスタートを切れて前へ出て行く。サマーリーズがすぐに外に来るが、被せられる事もなく芝からダートへと入っていく。タガノトネール、ベストウォーリア、そしてレッドアルヴィスが続く、ちょっと出の悪かったキョウワダッフィーも内から間合いを詰めてきている。エアハリファで8番手。前と1馬身ぐらい間隔が開く。

前は競りかけもせずに淡々と流れいく。2ハロンめが11.1は、このクラスではかなりユッタリであろう。前半3Fが34.6で、さらにその後も12.0~12.3はこのうえない先行馬ペースである。ベストウォーリアがジワジワと前との差を詰めて、タガノトネールと並んでいく。
4角へと近づく馬群。まだまだどの馬の手応えも楽で、追っている馬がいない。このカーブを12.3で廻ってきた訳である。1番人気となったレッドアルヴィスが4番手の外め、エアハリファがその後ろだが、間隔は詰まっていない。ワイドバッハはその後ろの1馬身はある。
ラスト400を切って、コーリンベリが単独で先頭だが半馬身差。2番手と開いた空間に白い帽子が接近してくる。サマリーズが下がってタガノトネールが2番手に上がるが、ベストウォーリアの勢いの方が優る。レッドアルヴィスの伸びはガツンと来るものではない。むしろ、その内めのキョウワダッフィーの伸びがいい。

ラスト1ハロンを過ぎて、コーリンベリーの粘りもついにベストウォーリアに抜かれる。最後はキョウワダッフィーにクビ差まで詰め寄られたが、何とか残せた。ゴール寸前にレッドアルヴィスを抜いて、グレープブランデーが5番手に上がった。ワイドバッハがそれに続いたが、ほとんどが内々で前々で競馬が出来た馬ばかり。エアハリファは5ケ月ぶり、約3ケ月開いたグレープブランデーとワイドバッハで5,6着。使っている馬で先行脚質。そして内枠での決着。後で気がつく何とかやらである。

G1路線を歩んできたベストウォーリア。当然と言えば当然の勝利なのであろうが、59キロを背負っての連覇。ここでは格が違ったという事なのであろう。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。