外から内、そして最後は中 アオイプリンセスが自在脚でV!!

アオイプリンセス

15年7/26日(日)3回中京8日目5R 2歳新馬(芝1600m)

アオイプリンセス
(牝2、栗東・大久保厩舎)
父:キングカメハメハ
母:シルバートレイン
母父:Singspiel

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思わず感心してしまった。M.デムーロJの進路の取りかただ。とにかく難しい中京芝の乗り方かと思う。だいぶ内が荒れて、外へ行く傾向が多い。そんな中で、M.デムーロJは4角を廻った時は馬群の真中あたりを進んでいた。そこから内目に進路を取り、一気に前へと出てくる。そのまま内かと思いきや、ラスト1Fぐらいからジワっと外へ出してきての追い出し。新馬戦でこれだけ進路を変えること自体が珍しいものだと思う。それだけ鞍上の行動力に恐れ入った感じがした、アオイプリンセスの勝利であった。


好スタートは、ジャストセーブラブ。馬っぷりの抜群のショウナンアヴィドは、少し出が悪い。内からニホンピロボーラーが出て行く。すっとココファンタジアが2番手につける。ジャストセーブラブに、すぐに二の脚のついたショウナンアヴィド、そこにアオイプリンセスとなって進む。ジワっとした流れで、前半3Fは35.5の流れ。開いている内からフロムマイハートが入ってきて、前の6頭ぐらいは2馬身から3馬身ぐらいと固まる。4角手前ではさらに馬群は凝縮して、最後方の出遅れたロケットバイオまでもそう差はない。この間にアオイプリンセスのM.デムーロJは、前との差をかなり詰めている。

そして4角を廻った時に、馬群のいちばん内にいたフロムマイハートの内へと進路を切り替えるM.デムーロJだ。その時には、ココファンタジアが持ったままで馬群の先頭を走っていた。
ラスト300を過ぎて、今度はアオイプリンセスが先頭に立つ。フロムマイハートも頑張っていて、外のココファンタジアの伸びが案外である。
開いた内にアグネスフェアリーが入ってきて前を追う。右後ろをチラっと見たM.デムーロJがラストスパートに入る。ゴール前の2F11.6~11.8は、ほとんどアオイプリンセスがマークした切れ味である。

かくしてアオイプリンセスが新馬勝ちとなった。ココファンタジアは優等生の競馬をして5着。ほとんど馬場のいい処を通ってのものだけに、物足りなさはある。2着にはショウナンアヴィド。馬場入場の折には馬っ気も出していた。若さゆえ仕方のない事。勝った馬を褒めるべきで、この馬も能力は出している。
この時に《何とコースを熟知した乗り方だな~》と感心してないで、メインの馬券思考に取り入れていたらと後で悔やんでみても、遅いのである。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。